新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック

血圧が高い/低い

人間の体内をめぐる血液を送り出しているのが心臓です。
心臓が血液を送り出す力の強さを腕などの血管の抵抗で測っている数値が血圧です。

血圧には上と下があります。
心臓がギューっと収縮して全身に血液を送り出しているときの力の強さが「上」の血圧(収縮期血圧)です。
一方、全身から血液が心臓に帰ってきている瞬間の数値が「下」の血圧(拡張期血圧)です。

血圧はエンジンの出力のようなものですので、高すぎても低すぎてもいけないのですが、近年では高血圧の基準がどんどん厳しくなってきている(低くなってきている)状況です。血圧の異常は心疾患や脳卒中、腎疾患などさまざまな重篤な疾患との関連があります。

★高血圧

血圧が基準よりも高い状態を高血圧といいます。
細かく分類することもできますが、140/90mmHgを目安としておけばよいと思います。
欧米では60歳以上の方の高血圧の目安として「年齢+90」がガイドライン上に示されていますので、60歳なら上の血圧が150、70歳なら160ということになります。

血圧は病院や健康診断の数値よりも自宅での数値のほうが優先されます(病院では誰しも緊張しているため、リラックスした状態よりも高くなってしまいます)。
血圧が高くなる要因はさまざまあり、これと言った特定の原因を見いだせない場合がほとんどです(本態性高血圧症)。
しかし、何かほかの疾患のせいで血圧が高くなっている場合もあるため(二次性高血圧)、血圧が高い場合には全身的な精査も必要な場合があります。

※二次性高血圧のおもな原因疾患:睡眠時無呼吸症候群、原発性アルドステロン症、甲状腺疾患、褐色細胞腫 など

<検査>
高血圧症では、①全身状態を評価するための検査と②高血圧の原因疾患を見つけるための検査の2通りの検査があります。

①全身状態の評価 … 血液検査、心電図検査、血管エコー検査など
②原因疾患の精査 … 疑われる疾患によります

<治療>
高血圧は自覚症状のあまりない状態ですが、なぜ検査・治療する必要があるのでしょうか?
それは血圧の高い状態が長期間つづくことによって血管が硬くなり(動脈硬化)、心筋梗塞や脳卒中、腎不全などの非常に重篤な疾患への布石となる状態だからです。

収縮期血圧(上の血圧)が180mmHgを超える場合には脳卒中や心疾患の発生する危険性が高いためすみやかに血圧を下げるための治療が開始されます。場合によっては入院管理となることもあります。
拡張期血圧(下の血圧)が100mmHgを超えるような高い場合には心臓への負担が高まっており、心不全へ発展する可能性を考慮しなければなりません。

高血圧の治療は血圧を下げることであり、多種多様な降圧剤が開発されています。複数の成分をあわせた合剤も開発されており、1日1回の内服薬も多く存在していますが、さまざまな副作用が生じる可能性もあります。
高齢者の場合、動脈硬化にともない血圧は高くなりやすいですが、降圧剤による治療によって脳血流が減ってしまい認知機能の低下などの悪影響が生じる可能性が指摘されています。

本態性高血圧症の場合には、生活習慣の改善やストレスの解消によって血圧を安定させることも可能です。
当院ではまずは家庭血圧の記録、生活習慣の改善に取り組んでいただき、それでも血圧が高い場合には一般薬と漢方薬を組み合わせて治療をおこなっております。

※高血圧症に使用する代表的な漢方薬
八味地黄丸(はちみじおうがん) 
 …高血圧や動脈硬化症など、加齢現象全般にたいして使用することもあります。
大柴胡湯(だいさいことう) 
 …ダイエット漢方として使用されることもあります。高血圧、胆嚢炎、胃酸過多など用途の広い薬です。
釣藤散(ちょうとうさん) 
 …中年以降で高血圧、明け方の頭痛、耳鳴りがある場合などに用います。

生活習慣病では、長期間クスリを飲み続けるよりも、適切な生活習慣を身につけることのほうが肉体的にも経済的にもはるかに効果的です。
降圧剤を内服することで長期的な生命予後の改善や疾病の予防効果があるのは180/110以上の血圧とも言われています。
ストレスの軽減や発散、健康的な食生活、安定した生活リズムを築くことで医療不要の血圧を目指しましょう。


☆低血圧

急に血圧が低くなった場合には心臓のパワーダウン(心不全)やなんらかの出血性疾患による貧血、感染症により重篤な状態などの可能性を考えなければなりません。一般的には原因をつきとめて適切な治療をおこなうため、入院での精査加療となります。

低血圧ではめまい、ふらつき、意識障害、軽い動作での息切れや立ちくらみなどの症状が現れます。西洋医学では交感神経を刺激して心臓の動きや血管の収縮に作用する薬が使用されますが、副作用もあり使用には注意が必要です。

体質的に血圧が低いひともいます。血圧を上げる薬による治療を行う場合もありますが、漢方薬が有効なことがしばしばあります。 

※低血圧症に使用する代表的な漢方薬
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) 
 …低血圧で朝起きるのが苦手なひと、朝礼などの最中に倒れてしまうひとに使用します。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
 …補中益気湯には「落ち込んでいるものを持ち上げる効果」があります。血圧を直接的に上昇させるような薬ではありませんが、胃腸機能や自律神経の衰えによる不調を改善させることで血圧の安定が期待できます。

低血圧症では生活習慣の工夫も重要です。
新陳代謝を落とさないためにも冷たい飲食物はなるべく控えるようにして体を温める食材を意識して摂取しましょう。
自律神経を調整するという意味では寝る・起きるのメリハリのある規則正しい生活を送ることも重要です。特に、早朝の日光にあたることで体内時計が修正されるとも言われているため、朝起床するのが大変だったとしても10分~15分程度の日光浴をするようにしましょう。
ゆっくりでかまわないのでストレッチや運動をすることも薬に立ちます。


※当院では高血圧や糖尿病をはじめとした生活習慣病の治療に対して、一般的な診療よりも綿密な治療計画をご提案する「生活習慣療養計画書」を用いた診療もおこなっております。

 自費検査のAIRS(アミノインデックス検査)腸内フローラ検査を活用することで、生活習慣改善への取り組みの効果や将来病気になるリスクの変化を目に見える形で確認することができます。一般的な血液検査では異常なしと判定されるかたにも有効ですので、ぜひご活用ください。
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