新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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歩けるめまい・倒れるめまい

2023/3/27
実は「めまい」と言われる症状には種類の異なるさまざまな症状が含まれています。

もっとも基本的なめまいはグルグル回って倒れてしまう症状でしょう。なんらかのきっかけで目の前の世界がグルグル回ってしまってとてもではないけれど立っていられなくなります。グルグル回るめまいは、メニエール病でも生じますし、良性発作性頭位めまい症でも生じます。西洋医学的に原因を突き止めることも重要ですが、めまいが今まさに生じているときには一刻も早く症状を止めて苦痛から解放することが優先となります。

一般的にはめまい対策として「メリスロン」とか「メイロン注射」あるいは「トラベルミン」などの対症療法がおこなわれます。これで症状が治まればよいのですが原因疾患を突き止めないとまたいつか症状は再燃してしまいます。

原因疾患を突き止めて適切な治療をすることは重要ですが、原因がわかっても治療方法がないこともしばしばあります。
そんなときには漢方薬の出番です。漢方薬は自律神経のバランスを調節する作用を通じて症状を解決します。

「倒れるグルグルめまい」の基本は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)です。
この漢方薬は「気」のめぐりがコントロールを失ってしまった「気逆」の状態と、気逆につられて「水(すい)」の偏りが生じてしまう状態を改善します。
苓桂朮甘湯は起立性低血圧・起立性調節障害でも治療の軸となることがおおい漢方薬であり汎用性が高い漢方薬です。

「倒れるグルグルめまい」とは対照的に「歩けるけれどフワフワするめまい」というものもあります。
まっすぐ歩いているはずなのに左右どちらかに寄って行ってしまう…
電車などで座っているといつの間にか隣の人に寄りかかってしまう…
なんとなく足元がおぼつかなくてフワフワ浮いているような感じがする…
などなどです。こういった場合には真武湯(しんぶとう)という漢方薬を使用することが多いです。

真武湯は新陳代謝が低下しており、体内的には水分不足の状態でさらに水の循環不全のような状態で生じる諸症状の治療に適した漢方薬です。とても応用の幅が広い漢方薬です。

漢方における「めまい」の治療では「水(すい)」が重要であることに気が付きましたか?
漢方薬の効果的な使い方のノウハウのことを口訣(くけつ)というのですが、めまいの治療の口訣に「立てば苓桂、回れば沢瀉、歩くめまいは真武湯」というものがあります。

「苓桂」とは苓桂朮甘湯のことです。

「沢瀉」というのは沢瀉湯(たくしゃとう)という漢方薬なのですが、保険診療で使える漢方薬ではありませんので、当院ではグルグル回るめまいにも苓桂朮甘湯を使用しています。沢瀉湯とまったく同じではないですが代用としては五苓散(ごれいさん)という漢方薬も使用できます。気象病でも触れた通り、悪天候時や季節の変化で生じるめまいであれば五苓散が第一選択となってきます。

そしてめまいを自覚しつつも歩ける場合には「真武湯」というわけです。

苓桂朮甘湯・五苓散・真武湯は漢方のめまい治療の三種の神器ですね。


このように漢方薬は「めまい」に対して有効であることが多いのですが、身体的な原因・疾患の検索は必要です。

単純ですが貧血である人は立ち上がった際などに脳の酸素不足となり立ちくらみを生じますが、それもまた「めまい」と訴えられる場合があります。
脳梗塞や脳神経機能の障害によってまっすぐ立っていられなくなる「めまい」もあります。
糖尿病による末梢神経障害や下肢の血行障害によっておこる神経障害では足の触覚やバランス感覚を失ってしまうため倒れやすくなり、「めまい」と勘違いされることもあります。

このように「めまい」と言われる症状の原因はさまざまです。めまいを感じる場合には漢方治療を受けるだけではなく必ず身体的検査もするようにしていただけると安心です。

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体内時計を修正して不眠を治す

2023/2/26
いわゆる時差ボケや交代制勤務、不規則な生活習慣のために体内時計が狂ってしまうことがあります。
体内時計は自律神経の機能の一つであり、昼には活動モードに、夜には休息モードに生理機能を調節する役割があります。

体内時計と地球上の昼・夜の時間がズレてしまうと、夜が明けて朝になっても体がまだ夜中モードのため起きられなかったり、逆に深夜になっても昼間モードの体であるため全然眠気が生じずに眠れなかったりします。

現代社会では煌々と明るい照明やスマホ・パソコンのブルーライトによって体内時計が狂ってしまいやすくなっていますので、不眠症のお悩みを抱えている方はぜひ生活環境中の明かりについて見直してみるとよいでしょう。

体内時計を修正するもっとも簡便な方法は、朝日を浴びることであると言われています。

しかし体内時計が狂ってしまい不眠気味のかたは早朝に起きることなど不可能であるため、内服薬も活用していかなければなりません。

オススメはメラトニンという睡眠ホルモンから作られた睡眠剤です。
日本では「ロゼレム」とか「ラメルテオン」という商品名で保険診療で使用されていますが、アメリカなどの国ではサプリメントとしてコンビニで売っているようです。本当かどうか知りませんが、日本でロゼレムが発売される前、アメリカなどへしばしばでかける人はコンビニで大量買いしていたなんて話を聞きました。

メラトニンは睡眠ホルモンなので、ハルシオンやレンドルミンのような従来の睡眠剤のように内服すると意識の強制シャットダウンが起きて寝てしまうような薬剤とは異なり、体に眠りにつく準備をさせるような効き方をします。そのため、寝る直前に飲むよりは22時など内服する時刻を決めて定期的に内服するとよいようです。

メラトニンには睡眠剤以外にもさまざまな効果があることが知られているため、不眠症ではなくても使用する価値があるかもしれません。

さて、漢方薬のなかにも体内時計を修正する効果があるものがあります。
「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」という漢方薬です。

酸棗仁湯は保険診療で使用する漢方薬のなかでは唯一、不眠症が本命であり唯一の効能・効果となっている漢方薬です。
酸棗仁湯がもっとも適している(効きやすい)のは「肉体的に疲れ切っているのに、逆に神経が昂ってしまい眠れない状態」の人です。
酸棗仁湯は興奮した神経を鎮めるタイプの睡眠剤なのですが、肉体的に疲れ切っているからこその神経の興奮であるため、本来は虚弱であったり消耗している人に向いている薬です。あるいは本来的な肉体的な弱さからくる不安神経症の傾向のかたにもツボにはまる場合があります。

酸棗仁湯は効きやすい人と効きにくい人がいるのですが、このあたりの細かい話までわかっていないとうまく使いこなせません。

そんな酸棗仁湯には体内時計を修正する効果があると知られているため時差ボケ対策としてもよく利用されています。
一般的な睡眠剤のように強制的に眠らせるような薬ではなく、母親が優しく子供を寝かしつけるように作用します。
単純に睡眠の質を高めるという目的で使ってみてもいいかもしれません。

漢方薬は、睡眠剤のように意識を強制的にシャットダウンするような強力さはありませんが、人それぞれの体質や状態に応じて不眠に対処することができます。脱・睡眠薬のためにもぜひご活用ください。


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便通がよくなるだけで尿酸値は下がる

2023/2/6
「こんなに簡単に治せる『生活習慣病』」シリーズ第5弾です。

生活習慣病はその名のとおり生活習慣がその発症や治療経過に大きな影響を与えます。
このシリーズでは西洋医学的な標準的治療ではない方法により、大きな治療効果を挙げることに成功した事例についてご紹介していきたいと思います。

今回は高尿酸血症を防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)で治療したケースを2例ご紹介いたします。どちらも40歳以上の男性です。体格はふつうの体格で、肥満ではありません。

高尿酸血症はいわゆる痛風の原因となる病態です。

お一人目のケースです。
治療開始前は尿酸値8.6mg/dl、クレアチニン値1.11mg/dlであり高尿酸血症と腎機能障害を併発した状態でした。他医療機関にて初回治療としてフェブキソスタット錠を処方され、
1ヵ月の内服で尿酸値6.8mg/dlと改善しましたがクレアチニン値は1.02mg/dlとごくわずかの改善にとどまりました。
前医からは薬をずっと内服するよう言われてしまい、体質を改善して薬を不要にしたいとのご希望で当院を受診されました。

フェブキソスタットは中止し、防風通聖散エキス剤を処方しました。
2か月経過した時点で、尿酸値7.2mg/dlと微増しましたがクレアチニン値は0.86mg/dlと改善しました。

その後も防風通聖散を継続しており、次回血液検査の結果で治療方針を検討予定です。

お二人目のケースです。

健康診断で尿酸値9.1mg/dlと高値であり、痛風発作が生じたことはないものの漢方治療をご希望され来院されました。

こちらの方も防風通聖散エキス剤を処方しました。
約半年の治療で尿酸値は7.0mg/dlとなりました。この値はボーダーラインの値ですので、防風通聖散を中止するか継続するかご相談し、その後も内服を継続する方針となりました。

こちらの方も次回血液検査の結果で治療方針を検討予定です。


防風通聖散は市販品で「お腹の脂肪を減らす」と宣伝され、ダイエット漢方として有名な漢方薬です。

本来は便秘症に対して使用される下剤の一種ですが、体力がある人向きのデトックス漢方薬という側面をもっています。

今回ご紹介したお二人は漢方医学的に防風通聖散を使用するには典型的な体質ではありませんでした。しかし、便通の状況を見ながら内服ペースを自己調整していただくことで尿酸値も低下させることができました。しかも最初のかたの場合には腎機能も改善させました。

防風通聖散を理解するには「デトックス」という言葉がキーワードのように思いますし、患者様へ説明する際にもイメージをご理解していただきやすいと思います。


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「そ」呼吸にご注意

2023/1/22
精神不安や自律神経の不調で呼吸が荒くなり、それがさらに不安を煽ることで息苦しく感じ、「もっと呼吸しなきゃ」と焦ってさらに呼吸が荒くなり…そんな負のスパイラルによって生じる状態のことを「過換気症候群」です。

過換気症候群は呼吸しすぎることで生じてしまう不調なので、治療の第一はなによりもまず落ち着くことです。紙袋呼吸は今ではもうやらなくなりました。

今回は過換気症候群の逆の症状についての内容です。

テレビやスマホに見入っているとき、何かの作業に集中しているとき、あるいは特に何をしているというわけでもないのに、無意識に呼吸が止まってしまっていることはありませんか?

そのような状態を過呼吸の逆ということで疎呼吸(そこきゅう)と呼んでいます。

疎呼吸は無意識な緊張がゆるむべき状況できちんとゆるまずに続いてしまうことで生じます。ストレスというよりはクセに近いものがあるように思います。

疎呼吸によって体調が悪くなるとか、何か疾病が悪化するということがあるわけではありませんが、適度に深く・ゆったりとした呼吸をすることで副交感神経が高まり、修復反応が進むので、呼吸が止まってしまっている状況は身体が休むことができていない状態であると考えられます。

疎呼吸になりやすいひとは、定期的に深呼吸をするとルールを作ったり、あるいは丹田呼吸などの深い呼吸法を意識し続けることが良いかもしれません。

疎呼吸に対する漢方薬があるわけではありませんが、交感神経過緊張の状態であろうと思われますので、小柴胡湯の類縁処方(柴胡剤)が適しているように思います。
しかし、疎呼吸に関しては無意識に近いレベルでのクセだと思いますので、クセの修正のほうが効果的かつ優先するべきなのかなと思います。

疎呼吸が身についてしまっていると、肋間筋の動きが硬くなり、余計にリラックスをしたり体の力を緩めたりすることが難しくなっていくように思います。日ごろから深呼吸や伸びを意識して身体をやわらかく、しなやかにしておきましょう。


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令和5年 あけましておめでとうございます

2023/1/1
新年あけましておめでとうございます

昨年は開業2年を迎え、とても多くの患者様・ご利用者様にご来院いただきました。多くの方の需要にお応えできるよう自慰メニューを充実させた一年であったように思います。
しかしながら、当方の不手際により様々なトラブルも生じてしまったことを深く反省し、本年は運営の安定化・盤石化に取り組んでまいりたいと思います。
漢方診療におきましては、苦手な診療領域を克服しより高い効果を確実に発揮できるよう、より一層勉強してまいります。煎じ薬の知識を深めるために中医学の勉強もしていきたいと思います。

とはいえ、当院は街の小さな無床診療所ですので物理的・マンパワー的なキャパシティは限られております。無理せず、しかし多くのかたのご期待に応えられるよう当院なりの進化を遂げられるよう、この一年がんばっていきたいと思いますので、何卒ご贔屓のほどよろしくお願い申し上げます。

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