新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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健康のこと、日常のことなどを発信しています。

過活動膀胱に有効な漢方薬もあります

2024/3/2
急に強い尿意に襲われ、ガマンすることができずトイレに行ったものの、実際にはあまり尿が出ない…
それなのにまだ尿意や違和感が続いてしまう…

このような症状はもしかしたら過活動膀胱かもしれません。
さまざまな理由が関与していると言われますが、ストレスや自律神経の乱れが原因とされることも多く(西洋医学的に明確な異常を発見できず)、あれこれ薬を飲んでもなかなかスッキリしないことの多い疾患です。

日本では1000万人ほどの患者がいると言われています。実に10人に1人です。
正確な診断のためには泌尿器科を受診し、超音波検査などで膀胱の動きなどを客観的に評価する必要があります。
一般的な治療として抗コリン薬、β3刺激薬、ボツリヌストキシン注射などがありますが、無効な場合には漢方薬が使用されます。

当院を受診された60代女性。
泌尿器科へ通院中で、非神経因性過活動膀胱と診断されており、β3刺激薬を内服中でした。しかし、日中もトイレの回数が多く尿意を我慢できないため生活には大きな支障となっていました。

β3刺激薬が効いていないようなので内服を中止し、漢方医学的に診察した結果、八味地黄丸を処方しました。
さて、1年ほど内服された後、トイレ行く回数は減り、以前よりも排尿について気にならなくなっている、我慢できるようになっているとのことで治療効果を認めました。

八味地黄丸は膀胱や泌尿器系に関連したさまざまな症状に有効であり広く応用されている漢方薬です。胃に負担がかかりうる生薬構成なので、胃腸虚弱なかたにはあまりオススメできませんが、食後に内服するなどの工夫をすることで少量で継続利用できる場合もあります。
通信販売でもよく売られているのですが、本当にご自身に適しているか否かは漢方専門医にご相談いただければと思います。

6種複合免疫療法で髪の毛が生えた!

2024/2/17
6種複合免疫療法は6種類の免疫細胞を増殖させ、免疫製剤として点滴投与する治療法です。
現在ではガンに対する自由診療として提供されています。当院でも1年以上前から6種複合免疫療法をあつかっており、非常に多くの患者様にご利用いただいています。

6種複合免疫療法では患者さん自身の血液中の免疫細胞を約3週間かけて増殖させ、活性を高めた状態で点滴投与することでガンの退縮を試みるものです。西日本を中心に非常に多くの患者さんに利用されています。

さて、そんな6種複合免疫療法を当院で実施されていたある患者さんについて想定外の事態を経験しましたので、考察を含めてご報告したいと思います。
その患者様は中年以上のご年代の男性でした。がん治療が目的でしたので、治療開始までは一切話題に上がらなかったのですが、AGA(男性壮年性脱毛症)でした。担当医から余命宣告までされていたのですから、髪の毛なんて気にしている場合ではないですよね。

6種複合免疫療法について一通りご説明させていただき、ご同意いただいたため治療を開始しました。
数回の治療後…
なんと…

明らかに髪の毛が増えたのです。
正直、スカスカだった状態が完全にフサフサになりました。髪が伸びたわけではなく、髪の生え方からして20歳頃に髪が生えていたであろう全領域からきちんとした太い髪の毛がビッシリと生えそろっていたのです。

患者さんご自身もとても驚かれておりました。
もちろんAGAの治療薬であるフィナステリドやミノキシジルは使用していません(進行がんなのでそれどころではない)。

その後も、髪の毛は安定して生え続けていました…。

さて、AGA(男性壮年性脱毛症)は頭皮において5αリダクターゼという酵素の活性が高まり、頭皮における男性ホルモン(テストステロン)の濃度が高まることで髪の毛が抜けやすくなってしまう疾患です。治療としては5αリダクターゼの活性を落とすフィナステリド(内服薬)と、ミノキシジル(外用剤)が使用されます。フィナステリドは脱毛を予防する目的で、ミノキシジルは発毛を促進する目的で使用されています。

これがAGAの治療である、と言われているのですが、実はこれらはAGAの根本的な治療ではありません。
なぜならAGAにおいて、なぜ頭皮において5αリダクターゼの活性が上昇してしまうのか(その結果髪の毛が抜けやすくなってしまうのか)が判明していないからです。

AGAの本当の根治的治療とは、「頭皮において5αリダクターゼの活性が高まる理由」を解決することです。フィナステリドやミノキシジルは、本来は(西洋医学がお得意の)対症療法に過ぎないのです。

さてそこで、6種複合免疫療法によってAGAが完璧に完治した患者さんの事例から考えてみると…

6種複合免疫療法では6種類の免疫細胞を増幅・活性を高めて投与する治療方法ですので、細胞性免疫を強化している治療と言えます(免疫を担う細胞が主役の治療ということです)。
この治療によってAGAが治ったということは、とりあえず以下の2つの病態を推理できると思います。

①免疫細胞から放出されるサイトカインがAGAを治した。AGAでは免疫細胞が弱まることで、放出されるサイトカインの低下によって頭皮における5αリダクターゼの活性が高まってしまっている。

②免疫細胞そのものが頭皮において何らかの作用をしており、細胞性免疫が弱まることで5αリダクターゼの活性が高まってしまっている。

単純ですがこの①②の病態が推測できるでしょう。もちろん①と②が両立している可能性もあります。
それが6種複合免疫療法によって解決されると、AGAが治ったという現象が生じたのかもしれません。

つまりAGA(男性壮年性脱毛症)とは細胞性免疫の低下によって生じる1つの症状ではないかと思うのです。
これはあくまで私個人の推測ですから、今後、こういった側面でAGAの研究が進むことを待ちたいと思うのですが、こうやって病態をいろいろと考えてみると人体の不思議により一層関心が湧きますし、勉強意欲が湧いてきますね。

リウマチかな?と思ったら漢方を

2024/1/28
西洋医学では関節痛をきたす疾患のことをまとめて「リウマチ性疾患」と呼びます。西洋医学的には自己免疫性機序の関与した炎症を病態の中心として考えており、解熱鎮痛剤や免疫調整作用のある薬が使用されています。

ところで、リウマチという言葉は一般の間でも広く浸透しているように思いますが、「リウマチ」という響きは英語っぽくなく、やや聞きなれない不自然な言葉だと思いませんか?

リウマチという言葉の語源は紀元前4世紀に編纂されたヒポクラテスの書物に登場します。「病は体液の異常な流出(ギリシア語でflu、ラテン語でrheu)の結果である」と記述されています。有害な液体が流れでていきついた先で病気が生ずると考えられていました。これは体液理論なわけですが、リウマチという言葉は「病気」という言葉と同じような総称・俗称だったわけです。

その後、16世紀になり「リウマチ」という言葉が現在のリウマチ熱に対する病名として用いられるようになり、あれこれあって関節リウマチとい病名が誕生したようです。

紆余曲折を経たとはいえ、体液の異常から始まった概念が受け継がれてきているわけですので、病気の本質をとらえる感覚として体液(液体)の異常をとらえていたのだろうと思います。つまり浮腫んでいるとか、水っぽい感じをとらえていたのでしょう。

実は東洋医学では関節リウマチの病態を水毒の一種として捉えています。関節が浮腫んで腫れたり、手がこわばったりという症状は局所的な水の集積(水毒)と考えたわけです。

そのため、関節リウマチに使用する代表的な漢方薬として、桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)とか越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)などの薬は水のめぐりを改善する生薬で構成されていますし、膝変形性関節痛によく使用される防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)に至っては水の巡りを改善させることを目的に作られた漢方薬です。

このように古代の医学において洋の東西を問わず人体の病気(とくに関節痛)について、体液(水)の異常であるという共通認識をもっていたことは非常に興味深いと言えます。

水を巡らせて関節痛を治すという発想は西洋医学にはない発想ですし、漢方がさまざまな関節痛に有効な理由でもありますね。

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主婦湿疹も男性の手指汗疱も

2024/1/12
漢方薬には皮膚疾患に有効なものが数多く存在しています。

内臓疾患に比べて、皮膚疾患は目に見えるものですから、昔の人にとってもよく出会う疾病だったのでしょう。
昔は今よりも皮膚症状をともなう感染症の罹患率が高かったですから、漢方薬の研究も進んだのだろうと思います。

インド医学のアーユルヴェーダでは、皮膚症状は体内に蓄積した毒素を体外に排出するための生体反応であると捉えています。
なので皮膚症状を抑え込むのではなくむしろ発疹などを出し切ってしまうことを治療とする場合があるようです。

漢方薬で使用される生薬の中にも、膿を積極的に排出させてしまうことで皮膚疾患を治療するような生薬もありますが、漢方医学的に病態を解釈し、様々な作用をもつ生薬を組み合わせることで皮膚疾患を治療します。

手(手のひらと指)の湿疹としては女性の手湿疹(通称、主婦湿疹)が日常的に出会う頻度の高い皮膚疾患です。
西洋医学的にはステロイド外用剤が使用されるのですが、ステロイドを中止するとまた症状が再燃してしまいますし、長期的に使用すると副作用が生じてしまいます。

そこで、主婦湿疹に漢方薬がよく利用されています。
あくまで私個人の傾向ですが、主婦湿疹(手湿疹)には温清飲(うんせいいん)を使用することが多くあります。
温清飲は黄連解毒湯という漢方薬と四物湯という漢方薬を合体させたものです。黄連解毒湯は漢方における抗炎症剤兼抗生物質です。四物湯は乾燥肌の改善に有効です。温清飲を使用しますと、手指の炎症を抑えつつ、皮膚を保湿するため主婦湿疹が改善します。

ここまではよくある話です。

今回、70代の男性で手指の汗疱(かんぽう)という皮膚疾患に対して温清飲と防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)を併用してほぼ完治するという経験をしました。

手指汗疱とは、かゆみをともなう1~2㎜の水ぶくれが手のひらや指の側面に生じる慢性的な皮膚の炎症性疾患です。原因は明確にはわかっていませんが、汗をかきやすい人や敏感肌の人に多くみられます。アレルギー反応の関与も指摘されています。

今回の男性は、もともと防己黄耆湯を内服されていました。
防已黄耆湯は汗かきで水太りしやすいひとの体質改善としてよく利用される薬です。黄耆という生薬が皮膚機能を改善することで、水ぶくれを出し切ってしまったり、皮膚組織に治癒を促進します。

当院に受診された時には皮膚の炎症や乾燥肌が目立っていたので、防己黄耆湯に温清飲を併用することにしましたところ、2~3ヵ月で見た目はほぼわからない程度まで回復してしまいました。

これには私も驚きましたが、漢方医学的に病態をきちんと考えて複数の漢方薬を組み合わせることで、相乗効果というか想定以上の効果を得ることができたりすることがあります。


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🎍新年あけましておめでとうございます🎍

2024/1/1
新年あけましておめでとうございます。

旧年中は大変多くのかたにお引き立ていただき、お世話になりました。
医師としても、経営者としても、人間としてもまだまだ未熟ではございますが、今年もまた一日一日を大切に精進していきたいと思います。

私は漢方医としては勉強も経験も偉大な先輩方の足元にも及びません。見立てや選択を誤ることもあります。しかし、数千年もの間受け継がれている人類の英知の結晶である漢方という医療を、皆様により適切にご提供できるよう今年も精一杯、全力を尽くして参ります。

待ち時間を短くすることと患者様のお話をできる限り伺うこと、という相反する目標を達成するために、診療の在り方を日々見直しております。当院は高度な設備のない無床診療所ではございますが、皆様にとって健康上のお悩みをご相談できる最初の場所となり、そして医療難民となることのないよう、受け皿ともなれるように尽力していく所存です。

当院では一昨年前から自由診療においてがん免疫療法のお取り扱いを開始しました。
昨年は大変多くの方に治療をご提供させていただく機会をいただき、昨年一年間の6種複合免疫療法の新規導入数は日本第4位となりました。まことにありがとうございます。
「免疫力と自然治癒力でガンを治す」という理念を大変多くの方にご支持していただいていることに心から感謝申し上げますとともに、皆様のご期待に少しでもお応えできるよう、今年は漢方と統合医療を駆使した治療方法を確立していくための努力を続けて参ります。

当院のスタッフもそれぞれの個性を輝かせて皆様のご来院をお待ち申し上げております。
どうぞ今年も一年、よろしくお願い申し上げますとともに、皆様の健康をご祈念いたします。

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