新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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健康のこと、日常のことなどを発信しています。

出会いと別れの春にはピクニックがよい⁉

2025/3/26
卒業や異動、退職そして出会いや就職、新生活など
出会いと別れの季節が春ですね

しかし!

春鬱という言葉もあるように、春は精神的に不安定になりやすい季節です。
それもそのはずで周期的に低気圧と高気圧がやってきて、寒かったり暖かかったり、晴れたり雨が降ったりと、気候が安定しないからです。

人体は極端に暑いのも極端に寒いのも苦手ですが、一定の環境にはいずれ適応できてしまうものです。しかしコロコロと変化が続く環境というのはどうしても慣れ切らない…揺さぶられ続けるのです。人間の生理的な機能を自動制御しているのが自律神経ですが、コロコロ変わり続ける気候というのは、車で言えばアクセルとブレーキをしょっちゅう操作し続けているような状況であり自律神経に負担がかかってしまうのです。

日本の場合、3月の春先には社会生活の大きな変化を迎えることが多いため心身ともに嫌でもバランスが崩れてしまうものです。

漢方において、自律神経のコントロールに相当するのが五臓六腑理論でいうところの「肝」に相当します。
肝の主な作用は蔵血(ぞうけつ)であり、気血水理論でいう血(けつ)を溜め、流れをコントロールします。五臓理論は人間の生理現象や生命活動を5つに分類したものであり、気血水理論とはそういった生理現象や生命活動を引き起こしているエネルギーというか資源というかそういったものです。

さて、そんな「肝」を労わるには規則正しい生活リズムで、食事は刺激の少ないもので腹八分目にして…と、当たり前の生活を送るのが基本ですが、実は重要なのは肺と胃腸です。

というのも、血(けつ)は食事をして十分に「気」を取り込み、そして食物から得た「気」から「血」が生成されるからです。食物から得た「気」には体に不要な気(濁気)も混ざっています。食事から得た清濁混ざった「気」の原料と、呼吸によって取り込んだ空気中の「清気」とを混ぜて正気と濁気が作られます。濁気は呼気として捨てられ、正気は肺の機能によって全身に拡散されます。

長々しいことを書いてしまいましたが、よく食べ、よく呼吸をすることで「気」から「血」が作られ、そして肝が養われることで自律神経が安定します。

花粉症でつらい方も多いかもしれませんが、春は自然豊かなところに出かけて目いっぱい深呼吸するとよいでしょう。まさしくピクニックに適した季節ですね


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花粉症対策漢方薬の使い方

2025/3/11
今年も花粉の季節がやって来ました。
花粉症治療の王道といえば抗ヒスタミン剤です。フェキソフェナジンとかオロパタジンとかロラタジンなどですね。市販品も販売されているので広く使用されていますが、眠気や口の渇きなどの副作用があります。

舌下免疫療法という根治的治療法もありますが、スギ花粉にしか有効ではありません。最近は難治性花粉症に対してゾレアという注射剤も使用できるようになりましたが、なかなかの高額な注射です。でも有効な人には本当に有効で、花粉症の症状がピタッと止まるらしいです。

花粉症対策の漢方薬は「眠くならない花粉症の薬」としてしばしばご指名になります。

代表格は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)です。これは本来、水っぽい風邪の治療薬ですが症状が花粉症とよく似ているということで花粉症にもよく効いてくれます。
小青竜湯は眠くならない薬なのですが、その理由は麻黄(まおう)という生薬を含んでいるためです。麻黄の主成分はプソイドエフェドリンという物質です。交感神経を刺激するので、眠気が覚めるというか覚醒する感じです。麻黄を含有する漢方薬は、胃が弱い方や心血管疾患の持病がある方は利用を控えたほうがいいとされています。プソイドエフェドリンのせいで副作用が生じてしまうのです。

胃が弱い方は小青竜湯の代わりに苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)という漢方薬を使用します。こちらも水っぽい症状が主体の風邪などに本来使用する薬です。ただ、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)という病名では保険上使用できなくなっていますので、処方する側にはひと手間かかる漢方薬となります。

小青竜湯と苓甘姜味辛夏仁湯を基本として、後は患者さんの体質や症状に応じていろいろな漢方薬を使用しています。
鼻炎症状よりも結膜炎症状が強くてツライ方の場合は越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)という漢方薬を使用することが多いです。ただ、こちらも麻黄含有剤ですので一部の方には適していません。

鼻づまりが中心の場合には川芎(せんきゅう)や辛夷(しんい)という生薬を含んでいる漢方薬を使用します。葛根湯加川芎辛夷とか辛夷清肺湯がそれなのですが、適応病名としては慢性副鼻腔炎や慢性鼻炎ということになります。

根本的にアレルギー体質や慢性炎症体質で、花粉症以外にニキビや副鼻腔炎(蓄膿症)、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹などのさまざまな疾病を抱えている体質の方の場合、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)という漢方薬を使用します。この漢方薬はとてもたくさんの種類の生薬から構成されています。あれもこれも盛り込んで作ったような漢方薬なので、古方のようなミニマリスト的な美しさはないものの、非常に応用範囲の広い漢方薬です。日本国内においては「一貫堂」という江戸時代の一大グループが体質改善のために駆使していました。

ここまでご紹介した漢方薬はあくまで基本というか代表的な漢方薬です。
昔は煎じ薬を調合していたので、これらの基本レシピにケースバイケースで生薬を足したり引いたりして治療としていました。それが本来の漢方治療ではありますが、今はエキス剤主流の時代ですので、エキス剤で仕事や生活に支障が生じない程度に症状が軽減されればヨシとして後は生活習慣を整えるなどしてなんとか花粉症を克服していただきたいと思います。


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「温めて潤す」あまり処方されないけど素晴らしい漢方薬

2025/2/13
冷えとか温めるとか、乾いているとか潤すとか
漢方では西洋医学には無い視点で病態を理解したり治療に取り組んだりします。

独特な効果を発揮する漢方薬の中で、とても素晴らしい効能があるのに何故かあまり処方されない漢方薬があります。
温経湯(うんけいとう)」という漢方薬です。

この漢方薬は、温めて、巡りをよくして、しかも潤いをもたらしてくれる、という優れものです。
もう少し専門的に説明すると、胃腸虚弱な人で、気血ともに虚してしまい、血流も悪くて(瘀血)それでいて潤い不足な状態を改善する効き方をします。

胃腸虚弱なので食事を十分に摂取できません。そのため活力が不足しているというか、エネルギー不足のため疲れやすく虚弱です。食事量が十分ではないので、栄養も足りておらず体の隅々まで行き届いていません。そりゃあ血液循環も悪くなります。栄養不足気味ですので爪が脆く、顔色も悪く、乾燥肌であったりします。潤いのなさは、手足のほてり感や唇の渇きなどのような症状に現れます。

名前としては「経絡を温める薬」ということになっていますが、単純に身体を温めるだけのものではなくもろもろ不足して干からびた状態を回復させてくれるイメージです。

この温経湯なのですが…
あくまでイメージとして「枯れ木のように年老いた身体を若返らせる」ような効能を持っています。生物は本来、歳をとると枯れていくわけです。極端にいえばミイラみたいな。それを元通りにしてくれるなんて素晴らしい!と言いたいところですが、さすがに若返りの薬ではありません。

しかし、女性の三大漢方薬と言われている桂枝茯苓丸、当帰芍薬散、加味逍遙散のいずれでも適した治療ができない一部の女性には非常に効果的な漢方薬ですし、女性に限らず応用はいろいろできる優れた漢方薬でもあります。

マニュアル的な効能や適応にとらわれず、漢方薬の柔軟な運用を心がけていると日々の臨床が非常に楽しく学びの多いものとなります。


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喘息ってやっぱり心身症なんだなと感じた話

2025/1/26
「ストレスでお腹が痛くなる」
「忙しくて目が回る」
「勉強のしすぎで熱がでる」

こういう言い回しを聞いたことはありませんか?
これらはいずれも精神的なストレスであるとか、感情的な問題などが身体的不調・症状を引き起こしている状態であり、心身症と言われる状態です。

心身症というのは、発生や病状に精神的・社会的要因が大きく関与している身体的疾病を意味しています。

「そんなこと言ったら大概の病気にはストレスが関係しているだろう?」と思われたかもしれません。

そのとおりです。

心理社会的要因が関与して発症したり悪化するのが心身症の定義なので、とても多くの疾患が心身症に分類されます。
例えば高血圧、胃潰瘍、不眠症、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、月経不順・月経困難症、更年期障害、片頭痛、メニエール病、動悸(期外収縮)などなどなど…

本当に多くの疾病が心身症の側面を持っています。
今回は喘息の話です。

40代の女性の患者さんが不眠の訴えで受診されました。
お話を伺いますと仕事上のストレスが大きく、日々イライラしているとのこと。寝ている時にも歯ぎしりをしているそうです。月経異常や更年期の症状は認めなかったので、イライラを抑えて気持ち良く眠っていただけるように抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)という漢方薬を処方しました。

この漢方薬がよく効きまして、2回目の受診時にはスッキリ眠れるようになったとご報告いただきました。

それと同時に、気管支喘息の咳がピタッと止まったともご報告いただきました。気管支喘息については標準的治療を受けていたものの、咳がなかなか治まらずにおりました。抑肝散加陳皮半夏を内服するようになってから咳が治まったので、標準的治療についても減薬できているようでした。

今まで喘息の治療として抑肝散加陳皮半夏を使用したことがなかったので驚きましたが、よくよく考えれば肝気鬱結(かんきうっけつ)という交感神経が緊張した状態を鎮める漢方薬です。交感神経の緊張が緩めば、確かに喘息の咳が軽減されても不思議ではありません。

こういうところで、ある疾病が心身症の側面を持っていることに気づかされますし、ある患者さんの診療をするときに一つの疾病、特定の症状のことだけ考えるのではなく、すべての疾病や不調が有機的につながっていることを意識した全人的診療が必要である(というかそうしなければ治療として欠落がある)ことを考えさせられますね。

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1/3と1/4の診療の印象

2025/1/5
明けましておめでとうございます。

早速ですが、新年2日間の診療をしてみての、最近の状況についてご報告いたします。

まず、インフルエンザの感染力が強いようです。「数十年ぶりにインフルエンザになった」という方が多数おられます。
もちろん、「ワクチン接種したけど感染した」という方も多数おられます。ワクチンはあくまでも感染予防のサポートにすぎません。日頃の生活態度、健康管理、そして漢方薬の予防的服用により流行病から身を守っていただきたいと思います。

さて、抗インフルエンザウイルス薬の流通状況なのですが、タミフル(オセルタミビル)が品薄になりつつあるようです。ゾフルーザは1日1回だけ内服すればよい薬なのですが、耐性が報告されていますので個人的にはオススメしていません。吸入薬としてイナビルがあります。イナビルに関してはこのブログを書いている時点では供給不足の話は聞いていませんので、なんとか入手できるかもしれません。

尚、漢方薬に関しては十分入手できる状況です。抗ウイルス薬よりも漢方薬の方がすみやかに症状を改善するという報告もありますので、個人的にはインフルエンザやコロナのような感染症には漢方薬の使用をオススメしています。

インフルエンザは潜伏期間1~2週間と言われていますが、同居しているご家族が発症した場合にはより短期間での発症もありえます。そろそろインフルエンザB型も出現してきていますので、そういう意味ではインフルエンザの流行も収束し始めていると考えられるかもしれません。

コロナ(COVID-19)も相変わらずですが一時期に比べれば感染している方は少ないようです。
前橋医療センター(休日診療所)では抗コロナウイルス薬としてゾコーバを常備しています…が、薬代だけで15000円くらいするので…個人的には使用するのに躊躇しています。コロナにも漢方薬の使用は有用であると考えていますので、当院を受診された際にはご相談ください。

前橋医療センター(休日診療所)には連日朝から行列ができています。ほとんどが発熱患者様なので、恐ろしい事態になっています。待合室でも椅子が十分に足りなくなっている瞬間があります。診察まで数時間お待ちいただく場合がありますし、診察後も薬のお渡しまでまた数時間かかる場合があります。我々医師、看護師、薬剤師、技師など精一杯それぞれすべき仕事をやっていますが、どうにも手に負えないくらいの状況になっています。

尚、前橋医療センターや休日当番医は、あくまで「応急処置的な対応」をするのが役割です。必ずしもご希望通りの検査や処方対応ができない場合がありますがご容赦ください。

また、咳止め、去痰剤なども全国的に供給不足となっています。当院の院内在庫も底をついたままです。薬局に院外処方箋をお持ちいただき、ご相談くださいますようお願いいたします。

しかしながら、メジコンやカルボシステインなどの薬剤は一般向け製品としてドラッグストアでふつうに販売されています。必要とされる方は恐縮ですがご購入いただくことをオススメいたします。


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