からだを動かしたときに胸がくるしくなったり、息が切れてしまう原因はさまざまです。
おもな原因として以下のような疾患が想定されます。
【心臓の疾患】・
心不全 … 心臓のポンプ機能が低下してしまうため、からだに必要な血液を送り出すことが
できなくなってしまいます。体全体のむくみやピンク色の痰、下の血圧が高いな
どの症状があります。
・心筋梗塞 … 心臓を栄養する血流が途絶えてしまい、心筋の一部分が壊死する状態です。
典型的な症状は胸の痛みですが、ご高齢者では息切れなどの症状として発症する
ことがあります。危険な状態であり、専門機関への入院・治療が必要です。
【肺の疾患】
・肺塞栓症 … 血栓や空気の塊によって肺の動脈の血流が途絶えてしまう状態です。命にかかわ
る危険な状態です。高度医療機関への入院・治療が必要です。
・気管支喘息 … 気道が過敏になっており、寒冷刺激などをきっかけに気道が狭くなってしまい
十分に呼吸ができなくなる疾患です。
・気胸 … なんらかの理由で肺に穴が開いてしまい、空気が肺と胸郭のあいだにたまってし
まいます。発症した側の胸の痛みがあります。肺がしぼんでしまうため、十分に
呼吸ができず息切れを生じます。
・慢性閉塞性肺疾患(COPD) … 加齢や喫煙のため肺が不可逆的に損傷した状態です。肺の面
積が小さくなるため、呼吸によって十分な酸素を取りこむこ
とができず、息切れや咳、痰などの症状が生じます。
【その他】
・急性喉頭蓋炎 … 声帯のすぐ上あたりを喉頭蓋といいます。喉頭蓋に炎症が生じると、炎症性
の浮腫によって気道が狭くなってしまい息切れを生じます。発熱やのどの痛
みをともないます。人工呼吸が必要になることもあります。
・貧血 … 貧血ではからだが求める酸素供給をおこなうための十分な赤血球が足りないため
体動にともない息切れが生じます。
<検査>
上にあげた疾患を想定しながら問診、診察、検査をおこないます。
専門的な検査や即日入院治療が必要になることもあり、症状がおもい場合には大きい病院の受診が望まれます。
<治療>
呼吸が十分にできておらず、血液中の酸素濃度が低下している場合には酸素投与などの対症的治療をおこないながら検査を進めていきます。
診断が確定すれば原因疾患に対する治療をおこないます。
※漢方のページもご参照ください