在宅酸素療法（HOT）🏡

病気や障害のために呼吸をしても十分に酸素を取り込めなくなると、労作や運動によって酸素が必要になったときに酸素不足で呼吸が苦しくなってしまいます。病状がさらに進行すると、安静にしていても呼吸が苦しくなってしまい休むことができません。

このようなときに、機械を使ってより多くの酸素を肺に送り込むことで症状を軽減させることができます。

入院中（病院の中）であれば鼻にカテーテルを装着したり、酸素マスクを利用して酸素をより多く取り込むことができます。

病院の外で、日常的にこの措置をおこなうのが「在宅酸素療法（ざいたくさんそりょうほう）」です。

英語表記ではHome Oxygen Therapyとなり、頭文字をとりHOT（ホット）と医療従事者は呼びます。

・ちょっとしたことで息が苦しくなる　　　・坂道や階段の途中で休んでしまう

・早歩きができない　　　　　　　　　　　・横になって寝ると呼吸が苦しい

・記憶力や集中力が低下した　　　　　　　・胃腸の調子が悪くなった

・体が浮腫むようになった　　　　　　　　・今までよりも疲れやすくなった

必要な診察と検査の結果、在宅酸素療法の適応があると判断した場合には健康保険でのご利用が可能です。当院でも導入をお手伝いいたしますので、お気軽にお問合せください。

・高度の慢性呼吸不全

　…慢性閉塞性肺疾患（COPD）、間質性肺炎、気管支拡張症、肺結核後遺症、じん肺、肺線維症など。パルスオキシメーターで動脈血液中の赤血球と酸素の結合の割合（酸素飽和度）を測定することで導入が可能です。

・肺高血圧症

・慢性心不全

　…心筋梗塞や特発性拡張型心筋症、心臓弁膜症などにより一定の基準を満たす場合。

・チアノーゼ型先天性心疾患

　…ファロー四徴症、大血管転移症、三尖弁閉鎖症、総動脈幹症、単心室症などの先天性心疾患のため、発作的に低酸素、無酸素状態になる場合。

在宅酸素療法は「夜、寝ているあいだだけ」や「外出の際に呼吸が苦しくなるときだけ」のような使い方でもご利用可能です。

在宅酸素療法を導入されたかたは、毎月1回受診をしていただき医師の指導を受けていただきますようお願い申し上げます。

火気には十分に注意してご利用ください。

在宅酸素療法に関する保険点数および費用は、以下の該当項目の合計点数と自己負担率によって算出されます。

①どのような疾患に対して使用しているのか

・在宅酸素療法指導管理料

  １ チアノーゼ型先天性心疾患の場合520点 

  ２ その他の場合2,400点

②機器・投与方法など

・酸素ボンベ加算

  １　携帯用酸素ボンベ　880点 

  ２　１以外の酸素ボンベ　3950点

・酸素濃縮装置加算　4000点

・液化酸素装置加算

  １　設置型液化酸素装置　3970点

  ２　携帯型液化酸素装置　880点

・呼吸同調式デマンドバルブ加算　300点

・在宅酸素療法材料加算

  １　チアノーゼ型先天性心疾患の場合　780点

  ２　その他の場合　100点

「上記合計点数×10×自己負担割合」が受診の際に必要となる費用です（初診料や再診料、その他の費用は除く）