新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック

切り傷、すり傷

「刃物で切った」「転んでケガをした」などのケガでは
①傷口がピッタリくっつくか ②出血が止まるか
の2点が重要です。

①傷口がピッタリくっついていれば自然治癒力によって傷は治ります。自然治癒力というと魔法のようなイメージがついて回ってしまうかもしれませんが、創傷治癒治癒機転は生物のごく当たり前の機能です。
 
 ケガをしたさいに縫合処置をしたりテープを貼ったりするのは傷がくっついてズレないようにすることを目的としています。通常、72時間(3日間)ていど傷口がピッタリくっついていれば治癒反応が進んで傷は自然に治っていきます。
 
 皮がむけてしまったり、縫合できないような傷の場合には被覆材を貼った処置をすることが一般的です。傷からじわじわとしみ出してくる浸出液を閉じ込めることで、治癒反応が効率よく進む湿潤環境を維持することを目的としています。こちらも72時間ていど経過すれば傷が治り始め、新しい皮膚が生まれ始めてきます。市販の傷用バンソウコウなどはこのような傷に有効で、近所の薬局・ドラッグストアでも売っているようになったのでとても便利になりました。

 湿潤環境を維持することで傷を治す場合には傷が感染しないように細心の注意を払いましょう。動物に咬まれた傷などはほぼ100%感染するものと考え、予防的に抗菌剤を内服することをオススメします。このほかにも傷が汚染されている可能性がある場合には、こまめに流水洗浄することが重要です。消毒液ではなくてよく、水道水でよいので1日に数回洗いましょう。とはいえ、傷から血液中に細菌が侵入した場合にはやはり抗菌剤の投与が必要です。

 人体は、傷から病原菌が侵入するのを防ぐためにカサブタを作ることもあります。人工的にカサブタを作ってしまう製品もあります。病原体の侵入を予防し、出血もとりあえず止めてしまい、あとはじっくり時間をかけて傷を治す…という場合にはカサブタを形成するというのも一つの有用な方法です。ですが、出来上がったカサブタは無理やり剥がさないようにしましょう。湿潤法よりも時間もかかるしきれいに治らない場合もありますが、人体が必ず治してくれるのでじっくり待ちましょう。


②出血が自然に止まるかどうかは傷の処置において重要な点です。指先を刃物で切った場合などは不安になるほど出血が続きますが、通常はしっかりと圧迫し続ければ体の仕組みが働いて止血することができます。圧迫しても止血することができない場合には縫合して止血します。処置後は安静にしてください。

 処置後は安静に過ごしてください。飲酒や入浴、過度な運動によってふたたび出血し始めることがありますのでご注意ください。抗凝固剤(血液がサラサラになるお薬)を内服されている方や、何らかの疾患のため出血が止まらない方の場合には処置に難渋することもあります。

※傷口が砂や泥、肉を調理した後の包丁などのせいで汚染されている場合には創処置後に抗生物質を処方することがありますが、細菌感染の心配が少ない場合には処方はいたしておりません。
※かつては傷口を頻回に消毒液で消毒しておりましたが、今では消毒液が傷の治りを阻害することがあきらかとなっております。当院でも通院は最小限にすることを心がけており、可能であれば創処置したその日からご自宅で流水洗浄することで清潔を保っていただいております。
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