肥満かそうでないかは身長と体重から計算されたBMIという数値によって判定されます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
体重(kg)を身長(m)の2乗で割り算した数値です
日本ではBMI>25を肥満と定義していますが、スポーツで体を鍛えている人の場合にも「肥満」と表現することに違和感を覚えるかたも多いのではないでしょうか。
「肥満」という表現には病的なイメージ、不健康なイメージが含まれているためであり、BMIが25未満であっても肥満と表現するべき状態のかたもいらっしゃいます。
<分類>
肥満は太り方によって主に①内臓脂肪型肥満、②皮下脂肪型肥満、③二次性肥満の3つに分類することができます。
①内臓脂肪型肥満 … いわゆるメタボ体型です。中年男性に多く、固太りした太鼓腹のイメージ
です。
②皮下脂肪型肥満 … 女性の肥満に多いパターンで、お腹周り(内臓脂肪)よりも下半身を中心
に皮下脂肪が増えています。
③二次性肥満 … なんらかの疾患のせいで生じている肥満です。クッシング症候群というホルモ
ン異常疾患では体の中心が丸く太る特徴的な太り方をします。
<検査>
・腹部CT … 脂肪の量を評価することができ、上記①②の分類に有効です
・血液検査 … 肥満症に合併した疾患や内臓の異常を評価するためにおこないます
・ホルモン検査 … 二次性肥満の場合には原因疾患を疑って検査をおこないます
<治療>
内蔵脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満の治療はなんと言っても生活習慣の改善です。
・食事療法 … ご自身の生活に悪影響のない食事療法を実行してください。
短期間(数日や一、ニ週間)で10kgも20kgも体重が減ることを謳うダイエット
方法がたくさんありますが、人体の仕組みから考えると非常に不自然です。極端
な食事療法(制限)はかえってリバウンドによる肥満を招き、健康を損ねる可能
性があります。健康的な生活習慣として長くつづけていけることが大切です。
・運動 … 適度な運動は新陳代謝を高めるため肥満解消に有効ですが、運動によって痩せるため
には日常的に負荷の大きい運動をする必要があります。運動によって健康を損なわな
いよう気をつけながら実行してください。
・内服薬 … 食欲を低下させるお薬があります。生活習慣改善の補助として利用します。
・ダイエット手術 … あまりに高度な肥満の場合には胃切除術やバイパス手術などをおこなう場
合があります。どのような手術でも合併症や後遺症の可能性があります。
・漢方薬 … 漢方薬だけで何十kgも痩せることは困難です。しかし、内臓脂肪型肥満に対する
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)や大柴胡湯(だいさいことう)、皮下脂肪
型肥満に対する防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)などは一定の効果があると認識さ
れています。
当院では漢方薬を中心に肥満にたいする診療をおこなっております。また、自由診療外来では独自の食事療法も指導しております。関連するページもご参照ください。