粉瘤(ふんりゅう)は皮膚の良性腫瘍の一種であり、アテローム、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれます。
皮脂腺や毛穴などの皮膚構造内に皮脂や角質がたまっていきそれらを包み込むように袋状の組織ができます(被殻)。
それだけであれば痛みは生じませんが、細菌が侵入して化膿してしまうと患部が腫れて赤くなり、痛みを引き起こします(感染性粉瘤)。そのまま放置しているとだんだん大きくなっていくとともに自壊して膿が漏れ出すようになります。
粉瘤には噴火口のような開口部があり、臍のゴマのような黒いものがつまっています。圧排すること内容物を外に押し出すことができますが、異常なほど臭いです。細菌感染していない粉瘤であれば内容物の圧出により一時的に症状を軽減させることができますが、基本的には粉瘤は被殻を繰りぬかない限り再発すると考えられています。
細菌感染を起こして炎症が強く、膿が溜まってしまっている場合には切開・排膿処置をしてまずは炎症を消退させます。抗生物質を使用することもありますが、治療としては外科的処置の方が確実かつ迅速です。
炎症が治まっている粉瘤は局所手術によって被殻ごと切除することが根治的な治療方法です。
ニキビや癤(セツ)、廱(ヨウ)などの表皮感染症とは開口部の有無によって見分けることができます。
これらの表皮感染症や粉瘤を繰り返しやすい体質のかたがいらっしゃいます。
基本的には食生活を見直すことが重要なのですが、漢方における「解毒証体質」の可能性があります。
漢方では「体内にたまった有害物質(毒)を皮膚を通して体外に排出する」という理論があります。
毒素をため込まないためにも、食事内容を見直すことと、適度な運動をして新陳代謝を高め、発汗することでデトックスすることが必要です。
そしてもしよければ漢方も体質管理にご利用ください。
解毒証体質の代表的漢方薬といえば荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)です。
十種類以上の生薬を配合して構成されている漢方薬であり、まさに体質改善のための漢方という感覚です。