新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック

カゼ/気管支炎/肺炎

カゼ気管支炎、肺炎などの治療は漢方のもっとも重要な分野のひとつです。
抗生物質や抗ウイルス薬が開発される前、感染症は人間にとって最大の脅威でした。

カゼや鼻炎、咽頭炎などの上気道炎はウイルス性のものがほとんどですが、肺(下気道)にまでおよぶ肺炎では細菌感染症を合併する場合が多くなります。 

カゼや咽頭炎では検査はあまりせず、診察所見だけで診断することが多いですが、肺炎の診断には胸部レントゲン写真が有効です。炎症の重症度や肺炎のパターンを知ることができ診断に役立ちます。特殊な肺炎の診断には胸部CTが必要となる場合もあります。

カゼはほとんどの場合には特別な治療は不要です。
肺炎の多くは細菌が関与しており、抗生物質での治療が必要です。また、インフルエンザ肺炎の場合には抗インフルエンザ薬が必要となります。

西洋医学的治療と漢方薬を同時に利用することも可能です。
現在のように病原微生物を検出する手段のなかった古代には、急性感染症の原因は病邪という悪質なエネルギーであると考え、発症の時期や身体症状をつぶさに観察することにより診断・治療してきました。
そのような漢方医学的診断と治療をまとめた医学書が漢方の聖典「傷寒論(しょうかんろん)」です。

「傷寒論」では急性感染症について以下のような病期分類をしています(六病位と言います)。

<東洋医学における病期分類>
太陽病 … 発症早期です。悪寒、発熱、頭痛、からだのふしぶしが痛いなどの症状がありま
       す。食欲は保たれています。病邪と人体が体表面で戦っている段階です。
少陽病 … 発症から一週間ほど経過した頃です。胸や肋骨まわりが苦しく、咳があります。
       食欲もなくなってきます。発熱したり解熱したりと一定しないこともあります。
       病邪がやや体内に侵入した段階です。
陽明病 … 発症から数日し、便秘や腹満感などの症状とともに高熱が出るようになります。
       発汗も多くなりのどがとても渇きやすくなります。病邪が体内に侵入しています
       が、抗病力もたっぷりあるので激しい戦いが行われている段階です。
太陰病・少陰病 … 病気の勢いが強く、身体の抵抗力が押され気味の状態です。悪寒がして
           食欲もなく、だるくて体を動かすのが大変になってきます。人体の抗病
           力よりも病邪の勢いが強い段階です。
厥陰病 … 病気の勢いに負けて体の機能が不全状態に陥り、漢方的には末期的な状態です。

これら六つの病期の状態(六病位)に加え、身体症状や診察所見から漢方薬を決めていきます。

ここでは代表的な漢方薬のみご紹介します。

<代表的な漢方薬>
麻黄湯(まおうとう) 
 …ガタガタと震えるような悪寒と高熱があり、頭痛がしてからだのふしぶしも痛みます。発汗は
  なく、発症早期の状態に適した処方です。インフルエンザをイメージしていただくとわかりや
  すいかと思います。エフェドリンを含有しているため心疾患のある方には不向きです。また、
  就寝前に内服すると入眠が困難になる可能性があります。

葛根湯(かっこんとう) 
 …認知度のたかい漢方薬です。悪寒、発熱、頭痛にくわえて首すじの凝りがある場合に適した処
  方です。発汗はありません。麻黄を含有しています。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 
 …くしゃみ、鼻水、鼻づまり、水っぽい痰と咳のある場合に適した処方です。花粉症のイメージ
  がありますが、本来は急性感染症のための漢方薬です。

桂枝湯(けいしとう) 
 …寒気、発熱、頭痛やのどの痛み、食欲の低下などカゼの諸症状にたいする基本的なお薬です。
  うっすらと汗をかいている場合に向いています。一年中カゼをひいているひとや体力の低下し
  たお年寄りに適しています。漢方薬の基本にして王道でありとても応用の効く薬です。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう) 
 …寒気が強いものの発熱はあまりなく、食欲も低下しだるくてぐったりしている場合に適した処
  方薬です。からだのふしぶしの痛みがあり、とくに喉の痛みが強い場合に頻用されます。カプ
  セル剤があるため利用しやすい漢方薬です。

香蘇散(こうそさん)、参蘇飲(じんそいん) 
 …なんとなくカゼ気味で気分がスッキリせず、食欲も今一つわかないような場合に適した処方薬
  です。シソの葉が含まれているため飲みやすく、胃腸機能を整えて気分の落ちこみを回復して
  くれます。

小柴胡湯(しょうさいことう) 
 …カゼや気管支炎を発症してから一週間ほど経過しやや病状が進行した状態の処方薬です。食欲
  は低下し発熱したり悪寒に襲われたりします。胸が苦しい感じもあります。小柴胡湯はほかの
  漢方薬と組み合わせて使うことの多い漢方薬です。むかしからよく使用されていたことの証で
  しょう。柴胡〇〇湯とか、柴〇湯などは小柴胡湯のバリエーションです。

清肺湯(せいはいとう)
 …痰の多く出る咳に対して使用します。粘凋で切れにくい痰が多量にあるために、痰が切れるま
  でせき込んでしまいます。肺に熱がこもっており、体のほてりやのぼせ、いらいら、口渇など
  の症状に対して使用します。

麦門冬湯(ばくもんどうとう) 
 …気管支炎の咳やカゼが治ったあとにも長引く咳に対して使用することの多い処方薬です。痰は
  あまり絡むことなく、のどの乾燥感があり、咳が出始めるとなかなか止まらずに顔が真っ赤に
  なるなどの状態に適しています。夜、ねる時だけ咳が出る場合にも効果的です。

竹筎温胆湯(ちくじょうんたんとう)
 …上気道炎は治りつつあるものの、微熱が長引き、咳がつづいて夜もよく眠れないなどの場合に
  適した処方薬です。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 
 …虚弱体質で一年間に何回もカゼをひく、またはいつまでたってもカゼが治らないようなかたに
  適した処方薬です。免疫力を底上げしてくれるので、カゼの予防にもなります。


このように、漢方薬では病気の進行度や体力に合わせてきめ細かく治療が組み立てられます。
感染初期であれば即効性のある漢方薬を使い、数日以内に治癒させてしまいますし、慢性的な状態であればじわじわと体力をつけながら徐々に病気を追い出していきます。

漢方で、からだにやさしく、自然治癒力を高めて病気を治しましょう!  
新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック
ネット予約