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虚弱体質

虚弱体質の医学的な定義はありませんが、特定の基礎疾患があるわけではないにも関わらず、体になんらかの不調が常にある状態と表現することができます。

疾患ではないため「体質」と表現することしかできませんが、「体力がなくて疲れやすい」「胃腸が弱くてお腹を壊しやすい」「免疫力が弱くて風邪をひきやすい」といったような症状を訴えます。

<虚弱体質の特徴>
・顔色が青白い
・一人前の食事を食べきることができない
・たくさん食べても太ることができない
・同年代のほかの人よりも体力がない、疲れやすい
・季節の変わり目や生活環境の些細な変化でもすぐに体調が崩れる
・夏でも体が冷えるため長袖の服や靴下を着用している
・いつも血圧が低い
・(子供の場合)成長曲線よりも成長が遅れている    など

虚弱児という言葉がある通り、虚弱体質は生まれ持った体質であることがほとんどです。しかし、成長過程または大人になってから病気やストレスや生活環境などの影響で虚弱体質になることも十分考えられます。

近年では老化によって心身の機能が低下していく過程で、病気と健康の中間的な状態、グレーゾーンのような状態をフレイル(脆弱な状態)と表現します。フレイルも一種の虚弱体質と考えるとわかりやすいでしょう。

<検査>
虚弱体質だと思い込んでいても、実はなんらかの疾患が見つかっていないだけかもしれません。
ホルモン関連疾患や内臓疾患についてある程度の検査は必要でしょう。かかりつけの医療機関でご相談ください。

※虚弱体質と似たような症状を呈する疾患
・慢性疲労症候群
・本態性自律神経失調症
・遅延型食物アレルギー


虚弱体質では血液検査や画像検査をしても異常はみつからないため(貧血や白血球が少ないなどの異常はあるでしょう)、医学的な治療をすることは困難です。そのため、体質改善として生活習慣の見直しや体力トレーニングをすることになります。

東洋医学では人間の生命エネルギー(気)や肉体的な側面(血)という概念によって健康状態を考えます。

虚弱体質とは生命エネルギーが少ない状態や身体機能の脆弱性がある状態、あるいは肉体的な消耗などによって生じている状態として表現することができます。漢方薬はそれぞれの状態に合わせた処方が存在するため、虚弱体質の改善にも貢献することができます。

<代表的な漢方薬>
小建中湯(しょうけんちゅうとう)
 …こどもの虚弱体質改善でよく使用されます。神経過敏でお腹が痛くなりやすいお子さんで、
  過敏性腸症候群や慢性疲労症候群、登校拒否、夜泣き、夜尿症などが目標です。小建中湯に
  はバリエーションがあり、弱っている部分を補充する形で虚弱体質の改善に使用されます。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
 …元気がないとき全般に使用できる漢方薬ですが、基本的には胃腸が弱っているため食事から
  十分に生命エネルギーを取り出せない状態です。手足が重だるい、目力がない、声に張りが
  ない、何を食べても味がしない、内臓下垂、寝汗などなど用途の多い処方です。

加味逍遙散(かみしょうようさん)
 …更年期障害の漢方薬として有名ですが、虚弱体質の治療薬です。心身ともに脆弱なところに
  ストレスが加わったためエネルギーの流れや身体機能のコントロールを失っているようなイ
  メージです。そのため不定愁訴や自律神経失調症に対しても使用されます。

人参養栄湯(にんじんようえいとう)
 …加齢による心身の機能低下(フレイル)による諸症状の改善目的で注目されています。気血
  両虚、心肺脾も弱りつつあり、冷えを感じるような場合です。

滋陰至宝湯(じいんしほうとう)
 …慢性気管支炎や肺結核など、肺の慢性的な疾患のため咳や痰がある場合によく使用されます。
  体としては当然、衰弱していたり痩せ細っている状態です。加味逍遙散と人参養栄湯の中間
  的な薬です。気血両虚、肺陰虚で肝気鬱結(ストレス)の状態です。

ここでご紹介した漢方薬はごく一部の典型的なものです。漢方では症状や診察所見から総合的に判断して漢方薬を選びます。 
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