気管支喘息とは気管支喘息は、気道に慢性的な炎症が起こり、咳・痰・呼吸困難・ヒューヒューする喘鳴(ぜんめい)が繰り返し出現する疾患です。季節の変わり目やアレルギー、ストレスなどが引き金となりやすく、特に上州名物からっ風の吹き荒れる冬には、当院にも多くの患者さまがご相談に訪れます。
<標準的な治療>現代医学における標準的治療は以下の通りです。
・吸入ステロイド薬(ICS):炎症を抑える基本治療薬
・長時間作用型気管支拡張薬(LABA):気道を広げ呼吸を楽にする
・抗ロイコトリエン薬・抗アレルギー薬:アレルギー反応の抑制
・生物学的製剤(抗IgE抗体など):重症例に用いられる新しい治療法
これらはガイドラインで推奨され、症状コントロールと発作予防に大きな効果を示します。吸入薬は、発作が起きていなくても毎日吸入を続けることが重要とされています。万が一重篤な喘息発作が起きた際には、ステロイドの点滴治療などを行います。
漢方医学からみた気管支喘息漢方医学では、喘息は「痰湿」「気虚」「腎虚」などの体質に関連すると考えます。単に症状を抑えるだけでなく、体質改善によって発作を起こしにくい身体を作ることを目指します。
代表的な処方例:
✅小青竜湯(しょうせいりゅうとう):冷えや水っぽい痰を伴う咳に。麻黄を含有しているので気道を広げる効果がありますが、胃が弱い方、高血圧症の方の長期服用には適していません。
✅麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう):熱感・呼吸困難が強いときに。小青竜湯とのちがいは熱感の有無です。こちらも麻黄含有剤です。
✅補中益気湯(ほちゅうえっきとう):体力低下・慢性の咳に。補中益気湯は、いわゆる「元気を出す薬」の一種です。胃腸が弱い方でも内服可能です。免疫バランスを整える作用があることが知られており、喘息で体力低下している方に向いています。
✅六君子湯(りっくんしとう):胃腸が弱く痰が多いタイプに。東洋医学的視点では、胃を丈夫にすることで肺の働きが活発になります。胃が弱い方は、標準的治療との併用をオススメします。
いずれも保険診療で処方可能です。体質に合わせて調整するため、西洋薬と併用することもあります。
当クリニックの診療方針当院では、「標準治療による喘息の安全なコントロール + 漢方薬による体質改善と再発予防 + 栄養・生活習慣指導(睡眠・運動・アレルゲン回避)」を組み合わせ、患者さま一人ひとりに合わせた治療を行っています。
喘息は長期的な管理が大切です。「吸入薬を使っても症状が残る」「副作用が気になる」「自然な方法で体質改善したい」という方は、ぜひご相談ください。
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