新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック

狭心症/心筋梗塞

狭心症や心筋梗塞をまとめて虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)と呼びます。
心臓の細胞(心筋細胞)を栄養するための動脈(冠動脈)が動脈硬化によって狭くなったり閉塞してしまうことにより、心筋細胞の酸素需要に対して血液供給が不足するため心筋細胞の虚血(狭心症)・壊死(心筋梗塞)が起きる疾患です。

通常の狭心症は運動や労作により心筋の酸素需要が増えたときに血液供給が追いつかないために症状が現れる労作性狭心症(ろうさせいきょうしんしょう)です。一方、冠動脈が痙攣するため夜間安静時に症状が現れる異型狭心症(いけいきょうしんしょう)というタイプもあります。

また、虚血性心疾患を症状の安定性(緊急治療の必要度)によって安定狭心症と急性冠症候群という臨床的な分け方をする場合もあります。

虚血性心疾患は喫煙、飲酒、過呼吸、ストレス、高血圧、糖尿病、脂質異常症などが危険因子であり、避けられるリスクを避けることが重要です。

<症状>
・胸痛(胸が痛い、苦しい) 
 …虚血性心疾患の中心症状は胸の痛みです。症状が出現した時期、誘因、持続時間や頻度、
  状況、随伴症状(冷汗、嘔吐、失神)など詳細を確認する必要があります。胸のどこが
  痛いとは言えないもののなんとなく胸が苦しくて気持ち悪い痛みが特徴とされます。

<検査・診断>
・心電図検査 
 …狭心症では症状が出現しているタイミングでなければ心電図の異常をみとめません。その
  ため、運動負荷などをおこなって検査する場合があります(負荷心電図)。心筋梗塞では
  心電図の異常パターンから心筋梗塞が生じている領域を推測することができます。
・血液検査 
 …心筋細胞の傷害を調べるCK-MBやトロポニンTが利用されます。
・冠動脈CT、MRI、PET、SPECT
 …冠動脈の狭窄状況や心筋への血流の評価など、これまでの検査では個々に評価していた検査
  の内容が視覚的にもわかりやすく知ることができます。
・冠動脈造影 
 …心臓の血管までカテーテルを送り造影剤を流すことで心臓の血管の狭窄や閉塞を確認します。
  そのまま治療に移行することもできます。

<治療>
虚血性心疾患の危険因子である喫煙、飲酒、ストレスを軽減するための生活習慣の改善がなによりも重要です。
薬物療法は狭心症発作が起こらないようにする予防治療、発作時の治療、心筋梗塞発症時の治療、発症後の治療など状況により治療は多岐に渡ります。

内服治療
・労作性狭心症ではアスピリン腸溶剤、β遮断薬(アテノロール、ビソプロロールフマル酸塩錠な
 ど)、硝酸薬(一硝酸イソソルビド、ニトログリセリン錠など)が基本的な治療薬です。
・冠攣縮性狭心症の場合には硝酸薬などの他に発作時にカルシウム拮抗薬(ヘルベッサーR、アダ
 ラートCR錠など)を使用します。
・虚血性心疾患では動脈硬化が進んでいることが多いため高血圧を合併している場合が多く、降圧
 剤も使用します。

侵襲的治療
 侵襲的な治療として経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や冠動脈バイパス術(CABG)があります。経皮的冠動脈インターベンションは血管造影から移行して行うことができる血管内治療であり、冠動脈の狭窄を解除したりステントを留置したりします。
 冠動脈バイパス手術は閉塞した冠動脈をからだの他の部位から持ってきた血管によって迂回(バイパス)することで閉塞部位より先への血流を確保する手術です。

新たに発症した狭心症、6カ月以上発作のなかった狭心症の再発、狭心症発作の頻度や症状、持続時間の悪化などを認めた際には循環器内科専門医による精査・治療が必要です。

漢方にも狭心症や心筋梗塞に使用する漢方薬はありますが、緊急対応については西洋医学の方が圧倒的に効果的です。漢方薬は初期治療後の安定期や体質改善に利用すべきでしょう。 
新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック
ネット受診予約