<自家がんワクチン(AFTVac)>がんに対する免疫療法は日夜研究が進んでいます。
当院では神経膠芽腫や肝細胞癌などの予後不良の悪性腫瘍に対して一定の効果が臨床研究によって確認されている「自家がんワクチン療法(AFTVac)」を群馬県で初めて提供するためセルメディシン株式会社※と正式契約いたしました。
がんと闘っている皆様、がんサバイバーの皆様に一つでも多くの選択肢をご提供しお役に立ちたいと願っております。
※セルメディシン株式会社は国立研究開発法人・理化学研究所の研究結果を臨床応用する目的に2001年に設立されました。
★自家がんワクチン療法の特徴★
・手術で切除した自分のガン組織(ホルマリン漬けもしくはパラフィン包埋)をワクチン化する
・樹状細胞による特異的免疫を使用している
・現在までのところ大きな副作用はなく、原則(切除可能な)すべての癌に対応可能
<治療方法>
自家がんワクチン療法ではワクチン接種を合計で3回行います。また、ワクチン接種の前後に1回ずつ、免疫反応テストをおこないます。
① 免疫反応テスト(皮内注射)
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② ワクチン本体接種3回 …皮内5か所に注射(接種間隔は2週間前後が目安です)
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③ 免疫反応テスト(皮内注射)
全治療期間は6週間です。原則として1コースのみの治療法です。
自家がんワクチンは肝臓がん、脳腫瘍(悪性神経膠芽腫)において有効性を示すエビデンスが確立されています。その他に乳がん、原発性腹膜漿液性癌、線維性組織球腫でも有効例が確認されています。
国内では筑波大学、京都大学、大阪大学などの国内有数の研究機関により精力的な臨床研究が進められています。
治療費用 1コース 1,500,000 円(税込)※
※上記の他に、自費診療料や自費検査費用、治療毎に手技料がかかります。また、ワクチンを作成した時点で治療費用が発生しますので、ワクチン接種を中断された場合でも上記費用のご請求となりますので、ご注意ください。
<自家がんワクチンの対象となる方>
・がん病巣を手術によって切除されている
・2cm×2cm程度の腫瘍サンプルを入手できる
・重度の内臓機能障害がなく、一定以上の予後が見込まれている
・免疫抑制薬を使用中であったり、免疫不全状態ではない
●自家がんワクチン療法は、再発予防だけでなく、再発・転移病巣を有する場合でも治療可能です。
~院長からメッセージ~
現在、公的保険で受けられるがん治療のほとんどが体に侵襲的な、ダメージを与える治療です。
がんの治療・予防において免疫がいかに重要であるかは安保徹先生が長年にわたり主張しておられましたが、本庶佑先生の発見した免疫チェックポイント阻害剤(PD-L1)によって改めて認識されることとなりました。しかし、抗癌剤や放射線治療では免疫細胞にまでダメージを与えてしまうため、かえってがんを治す能力を弱めてしまうと考えられます。患者様のなかには、抗癌剤によって体力を消耗し、治療を続けるどころか日常生活の質まで低下してしまう方もいらっしゃいます。このような矛盾した戦略では仮に抗癌剤によって生存期間を延長したとしても、それ以上に失うものが大きいように感じる方も多いのではないでしょうか?
このようながん治療の現状において、身体的負担をできる限り軽減し、自分自身の免疫力を温存してがんを治していくための選択肢は無いものか…そう探し求めるなかで出会ったのが「自家がんワクチン療法」です。
がんに対する免疫療法はさかんに研究されており、有効な治療方法がいくつか確立されてきています。自家がんワクチン療法では、自分自身のがん組織をワクチンに作り変え、皮下組織にいる樹状細胞に投与することで再学習させます。樹状細胞から体の各免疫細胞にがん組織の情報が伝えられ、免疫細胞が働きはじめるという仕組みです。実際にターゲットとなるがん組織由来のがん特異的タンパク質を利用しているので、より実践的なワクチン療法であると考えられます。
手術で切除したがん組織があれば可能な治療です。他の治療とも組み合わせて同時進行することが可能な点も魅力の一つです。身体を傷つけない治療として、ぜひ選択肢の一つにどうぞ。
注)自家がんワクチン療法の株式会社セルメディシンのHPもご覧ください(https://cell-medicine.com/)