当院では漢方薬を主体に保険診療をおこなっています。
保険診療で使用する漢方薬はエキス剤(インスタントコーヒーのようなイメージ)がほとんどですが、ご希望の方には漢方本来の煎じ薬(ドリップコーヒーのようなイメージ)を処方いたします。処方箋を発行いたしますので、対応可能な薬局でお薬をもらってください。
コロナやインフルエンザなどの感染症の患者様、応急対応が必要な患者様などの場合には院内にある漢方薬でご対応する場合もございますが、種類が限られていますのですべての症状にご対応できるわけではありません。
一般的な薬剤(いわゆる西洋薬)もあつかっております。漢方薬が苦手なかた、一般薬のみで治療をご希望のかたはご遠慮なくお申し出ください。漢方薬と一般薬それぞれの長所をうまく利用し、高い治療効果を引き出せるよう日々努力しております。
漢方薬は2000年以上前から中国や日本などの東アジアにおいて地域や社会に合わせて活用されてきました。
昔は漢方医学しかなかったわけですので、漢方診療は現代医学のほぼすべての専門領域・ジャンルに対応しております。外科・内科に限らず、婦人科、皮膚科、小児科、心療内科などの患者様も多くいらっしゃっております。
★一歩上をいく「生薬原末漢方薬」★
当院の診療は漢方エキス剤のおかげで成り立っていると言っても過言ではありません。エキス剤開発のおかげで、日本中の多くの人が自分に必要な漢方薬を利用することができる恩恵を受けています。
しかし!エキス剤はいわばインスタントコーヒーのようなもの。漢方本来の効果は生薬をグツグツ煮だした煎じ薬でこそ発揮されるものです。ですが、煎じ薬を煮出すと時間もかかるし、家中に漢方薬の臭いが充満するし、出来上がった煎じ薬を飲むのもなかなか大変です。
「エキス剤よりも高い効果を求めたい!」「でも煎じ薬を利用するのはちょっと大変…」
そんな皆様の悩みにお応えするために開発されたのが「生薬原末漢方薬」です。
生薬原末漢方薬は生薬を機械で粉末状に細かく粉砕します。こうすることで、以下の2通りの利用方法が可能になります。
①振り出し法
…粉末にした生薬は有効成分の抽出効率が高まります。そのため、従来のようにグツグツ煮詰めるのではなく、お湯と一緒にボトルに入れてシャカシャカ振ることで煎じ薬に近い湯液を短時間で作ることができます。
②直接内服
…粉末状にした生薬をカプセルに詰めることで直接内服することが可能になります。煎じ薬よりもさらに高い効果が期待できる方法ですが、1日分の内服量がかなり多くなりますし、副作用や瞑眩反応(めんげんはんのう)に注意が必要です。
※生薬原末漢方薬による診療(漢方煎じ薬外来)は予約料のかかる予約診療でのご対応となります。わからないことがあればお気軽にご質問ください。
「漢方煎じ薬外来」は月曜から金曜の12:00からの1枠です。選定療養制度による予約診療です。予約料は初診6000円、再診3000円です。予約料のほかに診察費とお薬代がかかります(どちらも保険が利きます)。
どうすれば漢方で皆様のお役に立つことができるか一生懸命考えさせていただきますので、まずはご相談ください。