今回は当院での日々の経験をもとにした直感的な内容です。
明確な医学的エビデンス(裏付け)のある内容ではありませんので、ご注意してお読みください。
当院では自費診療としてグルタチオンやα-リポ酸といったいわゆる抗酸化物質の点滴治療をおこなっています。
グルタチオンやα-リポ酸は保険診療としては極めて電停的な疾患にしか使用することができませんが、国内外の医学研究では多種多様な疾患の改善が期待できる成果が報告されています。
グルタチオン、α-リポ酸点滴をご提供し始めて最初に驚いたのは「点滴した翌日から体が軽くなって昔のように動けた」という感想を何人かのかたからいただいたことです。
疲れといえばにんにく点滴(ビタミンB群)が好まれますが、グルタチオンやαリポ酸のような抗酸化物質のほうが体に合うタイプのかたがいらっしゃるようです。
抗酸化物質治療は、その作用から考えても慢性的な炎症状態に対して有効性が高いと思われます。
慢性炎症というのは、家の中でボヤがずっとくすぶっているような状態です。なんとなくイメージできますか?
では、慢性的な炎症状態とは具体的にどのような疾患でしょうか?
最近の話題で言えば、新型コロナウイルス後遺症が挙げられます。
漢方診療の視点から診ていると、新型コロナウイルス感染症そのものが慢性炎症の性格を持っており、小柴胡湯という漢方薬を軸に治療が組み立てられます。そして後遺症対策として補中益気湯や人参養栄湯などの漢方薬がよく使用されますが、補中益気湯は小柴胡湯から派生した漢方薬であり、慢性的な炎症対策の漢方薬です。
というわけでコロナ後遺症は慢性炎症の性格を持っています。当院の経験では、コロナ後遺症のかたで抗酸化治療をされた方の一部には疲労感や倦怠感、嗅覚障害・味覚障害などの症状が軽減されたかたがいらっしゃいます。
今後、海外を含めて新型コロナウイルス感染症およびコロナ後遺症に対する抗酸化治療の有効性を研究した報告が多数上がってくることが期待されます。
尚、新型コロナ感染症および後遺症に対する不死化歯髄幹細胞培養上清療法の有効性を報告する医学論文が次々と報告されており、現在内容を確認中です。
他の慢性炎症の例としては、慢性疲労症候群があります。
慢性疲労症候群と診断される方の一部はウイルス感染が影響していると言われていますので、抗酸化治療には期待ができるかもしれません。
糖尿病にも慢性炎症という側面があると指摘されています。
事実、グルタチオンやαリポ酸の医学研究では、糖尿病の指標の改善や糖尿病性神経障害の症状改善が報告されています。
自己炎症性疾患と分類される疾患群もあります。
日本では「家族性地中海熱」という疾患が有名かもしれません。家族性地中海熱の治療はコルヒチンという抗炎症物質しかありませんので、抗酸化治療は有効かもしれません。
こうしてみていくとグルタチオンとαリポ酸を中心とした抗酸化物質はさまざまな疾患に有効である可能性が見えてきます。
慢性炎症状態の一つの指標としては、休んでも休んでも回復しない疲労感や倦怠感がわかりやすい症状です。
是非お試ししてみてはいかがでしょうか?