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地味にイタイ😢「しもやけ」の治療は漢方で

2021/11/27
寒くなってくると手足の指先にできる「しもやけ」。
「しもやけ」は末梢血管が寒冷刺激によって収縮してしまい、血流が悪化することで生じます。「しもやけ」状態では手足の指先や耳たぶが赤紫色に腫れ、かゆみや痛みを生じます。

医学的には「しもやけ」は「凍瘡(とうそう)」と言いますが、これとよく似た言葉に「凍傷(とうしょう)」というものがあります。

しもやけ(凍瘡)も凍傷も寒冷刺激によって末梢血管が収縮してしまい、血流障害が生じることで発症するという点で共通しています。
両者の違いとして、しもやけ(凍瘡)は氷点下よりも高い気温で発症し、凍傷は氷点下の気温で発症するとイメージしておくとよいでしょう。

しもやけ(凍瘡)は皮膚の発赤、腫脹、疼痛、かゆみを認める皮膚の虚血性炎症状態です。
いっぽう凍傷の場合には皮膚組織が凍ってしまい、結果として血流障害から壊死にまで至ってしまいます。凍傷が発生するような状況では体温(深部体温)そのものが低下していることが多くありますので、凍瘡よりもいろいろと重大な状態です。

さて「しもやけ(凍瘡)」の治療は西洋医学が苦手である一方、漢方が得意とするところです。漢方では「瘀血(おけつ)」の状態と考えて血流改善効果のある漢方薬を頻用します。

代表的なものは桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)という漢方薬です。
この漢方薬は非常に応用範囲の広い漢方薬であり、月経困難や月経不順、過多月経、肩こり、冷え症、頭痛、痔、打撲などに使用する漢方薬ですが、末梢循環の血流を改善するため凍瘡にも効果がちゃんとあります。
また、桂枝茯苓丸にヨクイニンを加えるとニキビの治療薬なのですが、ヨクイニンが皮膚表面に近いところの浮腫や炎症に効果があるため、凍瘡の治療にも向いている漢方薬です。

凍瘡は冷えによって発症する症状ですが、桂枝茯苓丸は体をあたためる効果があまりない漢方薬です。

そこで、もともと冷え症の人の凍瘡の場合には、身体を温める効果を持ちつつ血流を改善させる漢方薬として「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」を使用します。
この漢方薬は寒冷刺激によって誘発されるさまざまな部位の痛みに対して使用することが中心的な使用方法ですが、凍瘡にもきちんと効果があります。この漢方薬を使用している患者さんのほとんどは、名前が長いので「38番」という番号名で呼びます(この漢方薬に限った話ではありませんが…)。

一応説明しますと、「四逆湯(しぎゃくとう)」という漢方薬があり、ここに当帰(とうき)を加えた当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)があり、さらに呉茱萸(ごしゅゆ)と生姜(しょうきょう)が加わって当帰四逆加呉茱萸生姜湯になりました。
このように名前を分析していくだけで効能・効果があるていどわかる漢方薬もあるのです。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯と桂枝茯苓丸を併用することもありますが、たいていの場合はどちらか片方の漢方薬で十分に症状は軽減されます。シーズンインしたら凍瘡ができてしまう前から飲み始めることでさらに症状を抑えることができます。

凍傷になってしまった場合には西洋医学的なアプローチの方が有効ではないかと思います。漢方は補助として体を温めるような漢方薬を使用するとよいのではないでしょうか。

なお、「しもやけ」と似たような皮膚症状を生じるものに「レイノー症状」というものがあります。
こちらも寒冷刺激により生じることが多いのですが、レイノー症状の場合には最初は皮膚が白くなり、その後から赤紫色になるというパターンを認めます。レイノー症状は膠原病の症状である場合もあるため、放置せずに精査しておくほうが無難でしょう。


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百叩きの刑のあとにオススメ!

2021/11/7
もしもあなたが百叩きの刑にあったらオススメの漢方薬があります!
…と、言っても現代にはそんな刑罰はありませんが。

今と違って昔は「百叩き」という刑罰が実際に存在しました。
徳川吉宗が復活させたことで有名なようです。

罪を犯した人物をムチなどで100回ひっぱたくのです。
100回に限定されず、50回などの場合もあったようですが、要するに罪の重さに比例して叩かれる回数が多くなったということです。

想像しただけでも残酷で恐ろしい刑罰ですよね。
それほどの重罪を犯したのですから、それは罪人の自業自得なのかもしれません。
罪の重さを痛みで実感しろということでしょうか。

しかし、そんな罪人のための漢方薬が存在するのです。

通導散(つうどうさん)という漢方薬です。

これは体表面を中心とした血の巡りの悪さを解消する漢方薬であり、本当に、百叩きの刑にあった人を救うために開発された漢方薬です。
打撲や捻挫による内出血に使用するのが本来の使用目標ですが、このほかにも月経痛や腰痛、頭痛、肩こりなどにも効果があります。

また、赤ら顔で肥満体質のひとの体質改善にも応用されています。
ある意味でダイエット漢方のひとつです。
血の巡りの悪さは新陳代謝の悪さであったり、デトックスがスムーズにおこなわれない原因となっていたりするので、あれこれやってみても効果がない場合には使ってみるといいかもしれません。

いろいろ書きましたが、東洋医学でいう「瘀血(おけつ)」の関与するさまざまな症状に有効なので使い方を覚えると非常に便利な漢方薬です。

ところで、百叩きの刑にあうような罪人のための漢方薬など、なぜわざわざ作る必要があったのでしょうか?
(医師の倫理という観点からは罪人であろうと善人であろうと目の前の患者を真摯に治療することは当然のことですが。)

ムチで100回も叩かれたらそれはもうひどい打撲と内出血になるわけで、体にはかなりのダメージが与えられてしまいます。多くの罪人がその痛みにもだえ苦しみながら死んでいったのかもしれません。
その人の罪は百叩きの刑が実行されたことで相殺となったわけですから、百叩きの刑の副反応によって死んでしまったら、死刑と同じようなものです。
さすがにそれではいたたまれないとのことで生み出されたのかもしれませんね。
あるいはそんな罪人の正体は、お上に楯突いたりした町民や義人だったのかもしれません。

今も昔も、権力は暴走するものですし、罪を裁くのが人間である以上、恣意的な刑罰であるとか、法が正しく執行されないことというのは常にあるものです。
百叩きの刑はなんとも残酷で野蛮な刑罰ではありますが、現代にも「死刑」が存在するのですから、あまり過去の制度のことを悪く言うことはできないかもしれません。

百叩きの刑とよく似た話で、イエス・キリストの有名なエピソードがあります。

娼婦に石を投げて集団暴行している人々を諫めるエピソードですね。
2000年前から娼婦は罪深い職業とされていますが、だからと言って石を投げつけるような暴力をふるってよいものでしょうか?
人間はとかく罪を犯したり何か失敗をした他人に対して批判や暴力を(特に集団になると)ふるってしまうものです。
しかしイエス・キリストは「この中で罪のないものから石を投げなさい」と言う訳です。
人々はハッとして自らの行為を恥じてそそくさと逃げていくわけです。
普遍的な価値をもつ金言ですね。

人間は生まれてこの方、何一つ嘘をついたことがないとか、悪さをしたことがない人間などいないものです。
では、罪を裁くということができる資格を有する人間など存在するのでしょうか?
当然、そんな存在はいないわけです。
ですから法に携わる裁判官、弁護士、警察や検察には極めて高い知性、判断力、中立性、責任、モラルなどが要求されるのです。

さて、昨今のコロナ禍では「マスク警察」とか、「自粛警察」という言葉が生まれました。
コロナ感染者に対する差別やいじめまで起きていたようです。
しかし、
他人を裁くことができるのは、一切の罪のないものだけです。
感染症への恐れに囚われて他者に対して攻撃性を持つのは病的な精神状態ではないでしょうか。
「病は気から」という言葉のとおり、心身のバランスを保つことが何よりの健康です。


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