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喘息ってやっぱり心身症なんだなと感じた話

2025/1/26
「ストレスでお腹が痛くなる」
「忙しくて目が回る」
「勉強のしすぎで熱がでる」

こういう言い回しを聞いたことはありませんか?
これらはいずれも精神的なストレスであるとか、感情的な問題などが身体的不調・症状を引き起こしている状態であり、心身症と言われる状態です。

心身症というのは、発生や病状に精神的・社会的要因が大きく関与している身体的疾病を意味しています。

「そんなこと言ったら大概の病気にはストレスが関係しているだろう?」と思われたかもしれません。

そのとおりです。

心理社会的要因が関与して発症したり悪化するのが心身症の定義なので、とても多くの疾患が心身症に分類されます。
例えば高血圧、胃潰瘍、不眠症、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、月経不順・月経困難症、更年期障害、片頭痛、メニエール病、動悸(期外収縮)などなどなど…

本当に多くの疾病が心身症の側面を持っています。
今回は喘息の話です。

40代の女性の患者さんが不眠の訴えで受診されました。
お話を伺いますと仕事上のストレスが大きく、日々イライラしているとのこと。寝ている時にも歯ぎしりをしているそうです。月経異常や更年期の症状は認めなかったので、イライラを抑えて気持ち良く眠っていただけるように抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)という漢方薬を処方しました。

この漢方薬がよく効きまして、2回目の受診時にはスッキリ眠れるようになったとご報告いただきました。

それと同時に、気管支喘息の咳がピタッと止まったともご報告いただきました。気管支喘息については標準的治療を受けていたものの、咳がなかなか治まらずにおりました。抑肝散加陳皮半夏を内服するようになってから咳が治まったので、標準的治療についても減薬できているようでした。

今まで喘息の治療として抑肝散加陳皮半夏を使用したことがなかったので驚きましたが、よくよく考えれば肝気鬱結(かんきうっけつ)という交感神経が緊張した状態を鎮める漢方薬です。交感神経の緊張が緩めば、確かに喘息の咳が軽減されても不思議ではありません。

こういうところで、ある疾病が心身症の側面を持っていることに気づかされますし、ある患者さんの診療をするときに一つの疾病、特定の症状のことだけ考えるのではなく、すべての疾病や不調が有機的につながっていることを意識した全人的診療が必要である(というかそうしなければ治療として欠落がある)ことを考えさせられますね。

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1/3と1/4の診療の印象

2025/1/5
明けましておめでとうございます。

早速ですが、新年2日間の診療をしてみての、最近の状況についてご報告いたします。

まず、インフルエンザの感染力が強いようです。「数十年ぶりにインフルエンザになった」という方が多数おられます。
もちろん、「ワクチン接種したけど感染した」という方も多数おられます。ワクチンはあくまでも感染予防のサポートにすぎません。日頃の生活態度、健康管理、そして漢方薬の予防的服用により流行病から身を守っていただきたいと思います。

さて、抗インフルエンザウイルス薬の流通状況なのですが、タミフル(オセルタミビル)が品薄になりつつあるようです。ゾフルーザは1日1回だけ内服すればよい薬なのですが、耐性が報告されていますので個人的にはオススメしていません。吸入薬としてイナビルがあります。イナビルに関してはこのブログを書いている時点では供給不足の話は聞いていませんので、なんとか入手できるかもしれません。

尚、漢方薬に関しては十分入手できる状況です。抗ウイルス薬よりも漢方薬の方がすみやかに症状を改善するという報告もありますので、個人的にはインフルエンザやコロナのような感染症には漢方薬の使用をオススメしています。

インフルエンザは潜伏期間1~2週間と言われていますが、同居しているご家族が発症した場合にはより短期間での発症もありえます。そろそろインフルエンザB型も出現してきていますので、そういう意味ではインフルエンザの流行も収束し始めていると考えられるかもしれません。

コロナ(COVID-19)も相変わらずですが一時期に比べれば感染している方は少ないようです。
前橋医療センター(休日診療所)では抗コロナウイルス薬としてゾコーバを常備しています…が、薬代だけで15000円くらいするので…個人的には使用するのに躊躇しています。コロナにも漢方薬の使用は有用であると考えていますので、当院を受診された際にはご相談ください。

前橋医療センター(休日診療所)には連日朝から行列ができています。ほとんどが発熱患者様なので、恐ろしい事態になっています。待合室でも椅子が十分に足りなくなっている瞬間があります。診察まで数時間お待ちいただく場合がありますし、診察後も薬のお渡しまでまた数時間かかる場合があります。我々医師、看護師、薬剤師、技師など精一杯それぞれすべき仕事をやっていますが、どうにも手に負えないくらいの状況になっています。

尚、前橋医療センターや休日当番医は、あくまで「応急処置的な対応」をするのが役割です。必ずしもご希望通りの検査や処方対応ができない場合がありますがご容赦ください。

また、咳止め、去痰剤なども全国的に供給不足となっています。当院の院内在庫も底をついたままです。薬局に院外処方箋をお持ちいただき、ご相談くださいますようお願いいたします。

しかしながら、メジコンやカルボシステインなどの薬剤は一般向け製品としてドラッグストアでふつうに販売されています。必要とされる方は恐縮ですがご購入いただくことをオススメいたします。


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