土用は秋の始まりです
2022/7/237月23日は土用の丑の日。
土用とはなんでしょうか?
陰陽五行思想においては、移り行く季節も5つに分類できるわけです。日本における「四季」との違いは「移行期」を1つの季節として数えていることです。つまり土用とは「季節の移行期間」というわけで、本日、土用の丑の日は秋が始まりつつあることを意味しています。
「大暑」も過ぎましたので、実はこれから徐々に涼しくなっていくのですよね…
群馬の夏はいつでも酷暑ですが、ふとした風の涼しさであるとか、雨上がり後の朝露であるとか…
「陽」の中に「陰」を見出すのもまた漢方的な発想でしょうか。
さて、土用の丑の日に「ウナギを食べて精力をつける!」というのも良いですが…
秋、そして冬の対策はまさに土用に始まっていると言っても過言ではありません。
あまり消化の悪いものや油っこいもの、キンキンに冷えたものを食べるのではなく、消化が良くてほどほどに温かく、さっぱりしたものを食べましょう。
個人的なオススメは中華粥です。日本のおかゆでももちろん良いです。あるいはおにぎりを食べるとしたら少し冷ましてから食べるようにしましょう。アツアツのごはんというのも胃に負担をかけるため、秋冬の胃腸疲れの遠因になります。
生野菜サラダも良いかもしれませんが、おひたしにしたりポタージュが良いでしょう。
昔は冷蔵庫がありませんでしたので、食材を冷やすといっても冷たい地下水(井戸水や川の水)で冷やすのが限界でした。それでも十分冷たかったのですが、現代は冷蔵庫のおかげで食べる直前までキンキンに冷やされてしまっています。
冷えすぎたサラダも胃を冷やしてしまい秋冬の不調の原因となります。ダイエットのためにグリーンスムージーばかり飲んでいると、体調を崩してしまう人がいるのはそういった理由です。
当たり前すぎるせいか誰も言わないことなのですが、人間の健康には絶対的な法則があります。
「なにごともほどほど。バランスこそがすべて。」というわけです。
さて、夏の胃腸疲れには清暑益気湯(せいしょえっきとう)という漢方薬をよく使います。
名前からは暑さ対策の漢方薬であることがわかりますね。暑気あたりに適応があり、夏の暑さに負けてヘロヘロ、汗もたくさんかいて脱水気味という状態に適しています。もともとは補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という漢方薬から派生しています。補中益気湯は慢性疾患や肉体疲労で体力が低下し、胃腸が弱っているときに使用する漢方薬です。
清暑益気湯の他にも、胃の不調に対して使用される定番の六君子湯(りっくんしとう)や人参湯(にんじんとう)なども夏のあいだから使用しておきたい補脾・補気薬です。
文字通り「備えあれば患いなし」です。
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