疲れ果てているはずなのに目がさえてしまって眠れない
2020/12/28「なかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「熟睡した感じがしない」などなど、
不眠症や睡眠障害の悩みも人それぞれ、千差万別です。
西洋医学的には抗不安剤や睡眠導入剤からはじまって、それでも十分に効果が得られなければ抗精神病薬や鎮静剤にまで手を出すことになりかねません。西洋薬の副作用もさることながら「あれば安心」という精神的な依存が形成されてしまうと、いつまでも薬をやめることができなくなってしまいます。
漢方薬のなかにも不眠症や睡眠障害の治療に使用されるものがいくつかあります。
漢方薬に使用される生薬のなかで、眠りを誘発する催眠効果がもっともあるのは「酸棗仁(さんそうにん)」という生薬です。
そして漢方薬における不眠症治療の基本的な薬といえば「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」です。
実はこの漢方薬、「よく効いた!」という実感を処方する方(医者)も処方された方(患者さん)もあまり感じることがないお薬です。
この漢方薬が効かないという意味ではなくて、自然界に存在している植物のなかで、西洋薬の睡眠導入剤なみに人を眠らせる効果がある植物があるとしたら、それは麻薬とか劇物の類になっているのではないかと思います。
ということで、酸棗仁湯もきちんと効果があります。
当院にいらっしゃったある患者さんは、お父様が不眠に対して酸棗仁湯を内服されており「これは効くぞ」と勧められて当院を受診されました。
ご希望通り酸棗仁湯を処方いたしまして、ちゃんと効いているとのことです。
もしかしたら酸棗仁湯が効きやすい体質の方と、そうでない方がいらっしゃるのかもしれません。
このあたりは遺伝的な検索を含めて研究したら面白そうですね。
このあたりは遺伝的な検索を含めて研究したら面白そうですね。
酸棗仁湯を使用するポイントとしては「体は疲れ果てているのに、かえって気がたかぶって目が冴えてしまって眠れない」という状況です。
私などは当直明けなどでこういう状況をしばしば経験していますが、皆さまはいかがでしょうか?
専門書など見てみますと、このような状況について「肝胆(かんたん)の血(けつ)が虚しているため心(しん)に虚火(きょか)が生じて心の安定が損なわれる」などといった内容の説明が書いてあります。
漢方における五臓六腑の肝(かん)と心(しん)とは、解剖学的にいう肝臓・心臓とは異なりますので注意が必要です。
もちろん、肝臓・心臓のことも含まれているのですが、それだけに止まりません。漢方では感情や精神をコントロールしている機能の中枢も肝・心にそれぞれあると考えています(両者の役割は異なるのですが、その辺の話は別の機会にいたします)。
酸棗仁湯の場合、肉体的な疲労によって肝・心が精神や感情を安定化させる機能が失われてしまったために、夜寝ようと思っても精神を鎮めて眠りモードに入ることができなくなった状況です。
また、酸棗仁湯は「不眠」だけに使う薬ではありません。
実は「過眠(寝すぎてしまう)」や睡眠・覚醒のリズムの異常にも効果があると言います。
実は「過眠(寝すぎてしまう)」や睡眠・覚醒のリズムの異常にも効果があると言います。
つまり「眠れないものは眠れるように」「寝すぎてしまうものは適切な睡眠時間で目が覚めるように」そして「寝たり起きたりの時間が乱れているものは安定したリズムになるように」と調整してくれる効果があると言います。
このようにアクセルとブレーキをうまく踏んでちょうどいいバランスのところに落ち着かせてくれるのが漢方薬の効果の優れたところです。
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