新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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療養中にも使えるコロナ対策漢方!

2021/1/30
新型コロナウイルス感染症は収束の方向に向かいつつありますが、入院対応できる医療機関に限りがあるためPCR陽性判定となり自宅やホテルで療養されている方々の管理に問題が生じています。

無症状でPCR陽性のかたは、自宅やホテルでただただ待つだけになってしまうため大いに不安の募るところではないでしょうか。このような状態で何かできることはないのでしょうか?

漢方の聖典とされる「傷寒論(しょうかんろん)」は、主に急性期感染症の診断と治療について書かれています。感染症はむかしから人命を脅かす最大の脅威でしたが、漢方は現在に至るまで感染症と向き合ってきた医学とも言えます。

以前の記事と重複してしまいますが、近年の国際的に流行した感染症と漢方薬について復習しておきたいと思います。

2002年から2004年にかけて流行したSARSコロナウイルスに対しては板藍根(ばんらんこん)玉屛風散(ぎょくへいふうさん)が活用されました。板藍根は保険適用外の漢方薬ですが、トローチ状のエキス剤がありのど飴感覚で使いやすい生薬です。健康食品となりますが当院でも取り扱い中です。玉屛風散は黄耆(おうぎ)、防風(ぼうふう)、白朮(びゃくじゅつ)の三種類の生薬から構成されるシンプルな漢方薬です。この組み合わせ、保険診療でつかうエキス製剤にありそうでない組み合わせなのですが、保険外の漢方として小太郎製薬会社さんが販売しています。

2012年から2013年にかけて流行したMERSコロナウイルスに対しては銀翹散(ぎんぎょうさん)麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)が有効でした。銀翹散も保険適用外の漢方薬で、ドラッグストアでも売っています。喉の焼けつくような痛みと乾燥のあるノド風邪の特効薬です。当院でもお取り扱いしております。麻杏甘石湯は気管支炎や気管支喘息の咳や痰を治す薬です。

そして新型コロナウイルスに対して、中国では双黄連口服液(そうおうれんこうふくえき)とそのバリエーションの漢方薬が活用されました。双黄連は金銀花、黄芩(おうごん)、連翹(れんぎょう)という三種類の生薬から構成されているシンプルな漢方薬です。

金銀花は漢方でいうところの風熱(ふうねつ)という性質の病邪に対して効果があります。カゼのことを漢字で「風邪(ふうじゃ)」と書きますね。私たちが現代の感覚で「カゼ」として捉えている病気を引き起こす原因が「風邪(ふうじゃ)」と考えられていたわけです。同様に、熱をもった症状を引き起こす原因が「熱邪(ねつじゃ)」と考えられていました。先日SNSでもご紹介したように、金銀花エキスが含まれているのど飴がホームセンターや薬局で市販されています。黄芩は熱邪や湿邪に対抗する力があり、連翹は炎症をしずめ、排膿を促す効果があります。

この双黄連のバリエーションと考えられる漢方薬(中医薬)の金花清感(きんかせいかん)顆粒連花清瘟(れんかせいおん)カプセルが活用されたのですが、この2つの漢方薬を別の角度から見ると麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)という漢方薬のバリエーションとも考えることができます。つまり「双黄連+麻杏甘石湯」にさらにオプションが加えられたものと言えます。
例えるならば、ハンバーグ定食とエビフライ定食を合わせたハンバーグ+エビフライ定食に、さらにお好みでカニクリームコロッケやトンカツが追加されたセットメニューのようなものです。

なんだかとても脂っこい話になってしまっていますが、もう1つ、麻杏甘石湯から派生した漢方薬で、新型コロナの治療に威力を発揮したものがあります。

清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)というものです。こちらは日本の学会でも注目されており、インターネット上でも名前がすぐに挙がってくるのでご存知のかたも多いかもしれませんが、実に21種類もの生薬から構成されている漢方薬です。もはやミックスフライ定食を通り越して串揚げ食べ放題みたいなことになってしまっています。

清肺排毒湯を日本の漢方エキス剤で完全に再現することはできませんが、複数の漢方薬を組み合わせることで似たような構成をつくることはできます。さながら一流レストランの再現レシピみたいなものです。2通りの方法があって、1つは大青竜湯+小柴胡湯+五苓散+射干麻黄湯+橘皮枳実生姜湯というものです。けっこう大盛りです。

もう1つは麻杏甘石湯+胃苓湯+小柴胡湯加桔梗石膏というものです。こちらの方がシンプルですね。こじゃれたカフェのランチ定食風です。

個人的にはここに銀翹散や板藍根を追加してみたいです。板藍根も銀翹散も「のどの腫れ・痛み・熱感」に効果的ですし、コロナウイルスに対する実績があるので効果を期待できます。特に銀翹散には金銀花と連翹の2つが含まれているので、新型コロナにも一定の有効性があると考えられます。定食だけだと野菜不足なのでサラダを追加するイメージでしょうか。

無症状で自宅やホテル療養中にこれらすべての漢方薬を内服する必要は当然ありません。ですが何もせずただ時間が過ぎるのを待つというのはストレスが大きいものです。免疫力を高めたり、発症を抑えるという目的で漢方薬を少量ずつ内服してみるという方法も考えられます。もしもなんらかの症状や体調の変化があるのならば、漢方薬がお役に立てるかもしれません。

漢方治療は、病名という先入観をもつことなく患者さん一人一人の状態を細やかに診察して漢方薬や生薬を調整しなければなりません。今回ご紹介したようなセットメニューは処方決定の目安として活用できるのではないかと思います。

自宅療養漢方についてご相談される方はお気軽にお問い合わせください。


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「眠くならない」のが花粉症治療の主流になってきました

2021/1/28
今年も花粉が飛びはじめるようになりました。
外出自粛ムードとはいえ、換気のために窓を開けることもあるため花粉症の症状があらわれ始めた方もいらっしゃるようです。

花粉症の薬といえば「眠くなる!」というのが当初の悩みのタネでした。
しかし、製薬メーカーさんの努力により「眠くなりにくい!」薬が開発されるようになり…
今では主要な薬は「眠くなりにくい」という点ではほぼ横並びとなっています。そのなかでも「クラリチン」「デザレックス」「ビラノア」といった、薬剤情報提供書に「自動車運転の注意記載がない」ものは頭ひとつ抜けている印象ではあります。眠気に関しても、花粉症に対する効果に関してもそれほど極端な差はなくなってきています。

かつて、眠くならない花粉症治療といえば漢方薬でした。
花粉症漢方として有名なものは「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」です。こちらはくしゃみ、鼻水が主症状の花粉症に用います。小青竜湯が合うのはもともと水っぽい体質の人です。
一方で目のかゆみが強いかたには「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」を使用します。目のまわりなどに熱がこもるタイプに合うお薬です。

小青竜湯も越婢加朮湯も「麻黄(まおう)」という生薬を含んでいます。解熱・利尿・発汗作用がある生薬なのですが、エフェドリンという成分が含まれています。エフェドリンが含まれているおかげで眠くならない花粉症治療薬となるのですが、使用を控えたほうがいい場合もあります。

心臓系の病気があるひと、不眠症のひと、胃がよわいひと、プロスポーツ選手などです。エフェドリンによって心疾患が悪化したり、交感神経のスイッチが入ってドキドキして眠れなかったり、胃の調子が悪くなったり、ドーピングでひっかかったりします。

小青竜湯も越婢加朮湯も漢方でいう実証(じつしょう)の人向けの薬です。要するに体力が十分にある人に向いている薬です。エフェドリンによってエンジンをかけるというか、馬力を引き出すような方向に作用するのでもともと虚弱な人には向いていない漢方薬なのです。

では虚弱なひとはどうするかというと、「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)」という漢方薬を使用します。
これは「小青竜湯の裏処方」と言われる漢方薬で、水っぽい虚弱な体質で、小青竜湯を飲むと体調が悪くなる(なりそう)な人向きの薬です。

小青竜湯のエキス剤番号が19番で、苓甘姜味辛夏仁湯の番号は119番という具合に、製薬会社さんの遊び心が伺えます。

漢方治療で花粉症が治ってしまうこともあるかもしれませんが、花粉症は免疫システムの過敏症ともとらえることができます。過敏となった免疫システムを正常に戻すためには生活習慣(とくに食生活)の改善に取り組んでいただくことがとても重要です。


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ウサギのようなコロコロ便、便秘症、手や足のほてり、乾燥肌

2021/9/8
便秘は健康にとって重大な悪影響をもたらします。

「便秘」と一口に言っても、何日間も排便がないのも便秘ですし、毎日排便はあっても「スッキリしない」「出きっていない」感じがあるのも便秘です。 
大腸に便が長時間停滞していると、いわゆる悪玉菌の活動が優位になっていってしまいます。その結果、おなかが張るとかオナラがたくさん出るというような症状にとどまらず、動脈硬化や糖尿病、肩こりや腰痛など全身的なさまざまな症状の要因となるのです。
もちろん、お肌の状態と便通に関連があることは美容業界では以前から知られていることですよね。

便秘の解消は健康づくりの土台としてとても重要なことなのですが、あれこれ薬を使ってみても良くならなかった…という方も多いのではないでしょうか?
私も外科医ですので便秘に悩まれている患者さんとはたいへん多く接してきました。そして西洋薬をあれこれ使っても効果がなく改善できなかった経験がたくさんあります。
そんなときに漢方の便秘薬で劇的に便秘が改善する経験がなんどか続いたことから漢方薬に興味をもつようになりました。

便秘の原因は人それぞれですが、基本的には運動不足や食物繊維の不足などの生活習慣がとても重要です。
冷え症というのも、腸の動きが悪くなるので問題です。お年寄りの場合には全身的な筋肉のおとろえや運動不足、そして体の水分の減少のためますます便秘が悪化してしまいやすくなります。

便秘症の方で、ウサギやヤギやヒツジのような(奈良のシカのような?)コロコロした便が出る場合には便が大腸内に滞在している時間が長く、しかも腸に潤いがないために便が乾燥してしまっている可能性があります。

漢方的には「血虚(けっきょ)」の便秘と考えられるものです。
どちらかと言えばご高齢の方や女性に多い印象です。血虚が肉体的な消耗や不足のことですから当然と言えば当然かもしれません。見分けるポイントとしてわかりやすいのは「肌がカサカサである」というものです。

そんな血虚によるコロコロ便タイプの便秘症には「潤腸湯(じゅんちょうとう)」という漢方薬が本命の薬となります。

「腸に潤いを与える」というわかりやすいネーミングではないでしょうか? 

この主要な効果を発揮している生薬が「麻子仁(ましにん)」という麻のタネです。七味唐辛子なんかにも入っています。
実は「麻子仁丸(ましにんがん)」という便秘薬もあって、こちらも麻子仁を中心とした漢方薬なのですが、潤腸湯のほうがさらに乾燥や衰えが進んでいる人向きの漢方薬です。 
西洋薬にはこのような角度から便秘にアプローチするものがないため、西洋薬で改善しない便秘症のかたでも希望を捨ててはいけません。
また、便通が良くなることで、血糖値が安定したり体重が数kg減ったりというオマケの効果が得られることもあります。

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腸内フローラ(腸内細菌叢)をご存知ですか?

2021/1/23
近年、体の表面や体内に生息している細菌たち(常在菌)が人間の健康に大きな影響を与えていることがわかりつつあります。 
人間のからだは、小さな小さな細胞たちが役割分担と協力をすることでひとつの大きな「人間」という存在を作り上げることで成り立っています。その数は30兆とも60兆とも言われていますが、腸内細菌の数はその10倍(400兆!)以上と言われています。

高度に複雑な人体を作っている人間の細胞の「遺伝子」の数は「2万数千個」であることが判明しています。
この「2万数千」という数は多いと思われるでしょうか?
驚くべきことに、そのあたりに生えている雑草やネズミなどの小動物とほとんど同じか場合によっては少ない数なのです。

人間は、決して多いとは言い切れない数の「遺伝子」とその産物である「タンパク質」をうまく活用することで非常に高度な生命現象をコントロールしているのですが、人間は腸内細菌のはたらきも自分の生命現象のために活用していることがわかってきました。

腸内細菌が産生するビタミンというものもありますし、人間には消化が難しい食べ物を腸内細菌によって処理してもらう、ということもあります。 
ほかの見かたをすれば人間の10倍も多く存在する腸内細菌のもつ「遺伝子」も利用していると考えることもできます。外部発注と表現するとわかりやすいでしょうか?
腸内細菌にとっては、自分たちの生存に必要なエサを人間が供給してくれて、しかも比較的安定した住居(腸内)を提供してくれているのでギブアンドテイクとも言えますね。 

さて、そんな腸内細菌のことを「草むら」とか「お花畑」という意味合いを込めて「フローラ(叢)」と呼ばれています。
この発想はおそらく実験室で各種の腸内細菌を分離・培養しているシャーレ(小皿)にできた細菌によるコロニー(集合体)がまるで色とりどりの花畑のように見えることに由来しているのではないかと個人的には思っています。

そして「腸内フローラ」と人間の健康とのあいだに非常に深い関係があることが近年の研究で徐々にわかってきており、さまざまな分野で研究が進んでいます。
がん、糖尿病、脂肪肝、炎症性腸疾患さらには自閉症や発達障害などなど、研究はまだはじまったばかりではありますが腸内細菌との関連は明らかになってきているのです。

腸内細菌叢は生まれたときに母親からもらうものや生育環境の中で少しずつその人なりのバランスが形成されていきます。
ご存知のとおり食生活がもっとも重要ですが、いろいろな細菌とふれあって育つことも重要です。
そのため、腸内細菌叢を鍛えるのであれば、子供には野山を走り回らせておくのが良い方法であると言えるでしょう。
これはあながちバカにできない話で、製薬会社が新しい抗生物質を開発するために人間があまり立ち入っていない山奥の土を持って帰って研究したりしているのですから、自然に触れて育つことは腸内フローラだけでなく肌に住んでいる常在菌叢の発達にもとても有効だと思われます。

いろいろな細菌が体内に入ってきて、そこで腸内細菌たちと熾烈な生存競争が繰り広げられていくなかでその人の腸内フローラが形成されていくのです。
そのため、最近の風潮のようにやたらめったらなんでも除菌してしまうのは考えものです。

生活空間の除菌商品にはどれも「99%除菌」と書いてあります。
なぜ「100%」ではないのでしょうか?
それは、100%除菌するような危険な薬剤は生活空間では使いにくいからです。そして大きな問題があります。
99%の菌が除菌されたら、残った1%の菌はどうなるでしょうか?

当然、繁殖します。そしてその1%の菌には通常の除菌商品は効かないので、やればやるほど増え続けることになります。
この1%の菌が実は危険な病原性をもつ細菌の仲間であることはあまり知られていません。
そう考えると「なにごともバランス」という自然界の法則に逆らってはいけないのだとわかりますね。

さて、腸内細菌叢の健康状態をしることができる検査が「腸内フローラ検査」です。
ご自分の腸内細菌の種類、バランスを知ることができ、健康に有利な腸内細菌叢をつくりあげるための食事のアドバイスもわかります。
検査のさいには、当院から検査キットをお渡しいたします。
大腸がん検診の検便と同じように「ご自宅で」「ご自身で」便の採取をしていただき、検査機関へ郵送していただきます。1ヵ月ほど後に検査結果が郵送で送られてきます。 
今はまだ自費診療の検査ですが、いつか保険診療になってくれるといいですね!

腸内フローラを短期間で劇的に変化させる方法は今のところありません。
日々の食生活やプレバイオティクス、プロバイオティクスなどの方法で6か月~1年かけて少しずつ変化させていくことになります。
便秘や下痢、お腹が張る、オナラが多いなどの消化器症状がある場合には整腸剤なども利用できると思います。
当院では自由診療外来において食事療法・食事指導もおこなっておりますので、ぜひ併せてご活用ください。


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更年期の治療とむずむず脚症候群の話

2021/1/21
むずむず脚症候群は、じっとしたときや横になった際に下肢を中心にさまざまな不快な症状が生じる原因不明の疾病です。
英語ではrestless syndrome(休みのない脚、絶え間ない脚)というわかりやすい名前がついています。
名前の通り「むずむず」するほかに「チクチク」した痛みや火照る感じ、虫が這うような不快感などなど症状の表現は多彩ですが、共通することはとにかく不快な症状が続いて止めることができないということです。また、そのせいで不眠症になってしまうこともあります。

現時点で明確な原因がわかっておらず、発症のきっかけも人それぞれです。
治療方法として確立されたものはありませんが、脳内の神経伝達物質を調整する薬の効果が確認されています。しかし、こういった薬はパーキンソン症候群やてんかんなどに使用される薬であり、副作用もあるため管理の難しさが難点です。

漢方で治療する場合には病名や診断に囚われずに、患者さんお一人お一人の諸症状と診察所見(これらをまとめて「証(しょう)」と言います)に基づいて治療薬を決めます。
私の過去の治療経験をレポートいたします。
ある女性がホットフラッシュ(急に生じるのぼせ)と疲れやすさなどの更年期症状で受診されました。数年前から体のあちこちが筋肉痛のように痛くなり、精査したものの原因を特定できなかったとのことです。

漢方的な診察をいたしまして、もともとの体質として血虚と水滞(肉体的な消耗や不足と水分分布のかたより)があり、更年期のため瘀血(微小な血行循環のわるさ)があると考えました。
市販薬のような構成になってしまいましたが「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」と「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」という漢方薬を併用して治療を開始いたしました。当初は「むずむず脚症候群の治療は更年期症状がコントロールできるようになったら考えよう」と思っていました。

2週間後に再診でいらっしゃったときには更年期症状に若干の改善が認められました。それとともに「この2週間、むずむず脚症候群の症状は起きていない」とお話されておりました。

これだけでは半信半疑だったのですが、さらに1ヵ月後に来院された際には脚がつることもなく、むずむず脚症候群の症状を感じることもなくなったとのことでした。更年期症状についても、冷えを感じることもなくなり、ホットフラッシュも軽減され、発汗やのぼせにより生活に支障がでることもなくなっていました。

もともとの体質や更年期症状の治療だけに集中していたのですが、むずむず脚症候群についても治療開始当初から改善を認めました。
これは予想外のことでしたのでとても驚きました。血虚や瘀血は肉体的な物質の不足や、微小な血行循環の問題であると考えらえています。今回ご紹介したケースの場合では当帰芍薬散と桂枝茯苓丸のどちらがむずむず脚症候群に対して効果があったのかはわかりません。もしかしたら両方でうまく働いてくれて効果が出たのかもしれません。

考察すべき点は、むずむず脚症候群が漢方でいうところの「血(けつ)」の関与している病態の可能性がある(そういうむずむず脚症候群がある)ということだろうと思います。
血虚(けっきょの関与が強ければ「こむら返りしやすい」とか乾燥肌、爪がわれやすい、目の疲れ、顔色などの血色がわるい、不安感、髪が抜けやすいなどの症状がポイントです。
瘀血(おけつであればクマができやすい、シミが多い、肩こり、舌の裏の静脈が怒張している、クモの巣のような血管拡張がある、痔などの症状がポイントです。  
また、水滞(すいたい)の場合には浮腫みやすい、低気圧がくると体調が崩れる、手足が常に湿っている、舌が全体的に白っぽくて腫れぼったいなどの症状がポイントです。

こういうところから病態の解明ができるととても面白いですね。

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