新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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タコ🐙なの?魚(うお)🐟なの?

2021/7/26
体の一部に物理的な刺激が慢性的に反復して加えられることによって生じる皮膚の病変…
と言われても何のことかわからないかもしれませんが、

「タコ」と「ウオノメ」のことです。
好発部位にちがいはありますが、どちらも機序としては同じでありよく似た皮膚病変です。
角質が異常に肥厚してしまい、場合によっては痛みを伴います。

タコの医学的な正式名称は胼胝(べんち)。
ウオノメの正式名称は鶏眼(けいがん)です。

魚の眼であろうと鶏の眼であろうとどちらでもいいのではないかと思ってしまうのですが、きっと喧々諤々(けんけんがくがく)な議論の末にニワトリが魚に勝ったのでしょう。

さて、タコとウオノメはよく似た皮膚病変ですが、見分け方はご存じでしょうか?

やや赤黒かったりしてぬめぬめしていて足が8本あって…

ということではなく

タコでは角質の肥厚が皮膚の外側に向かって進んでいきます。
一方、ウオノメでは角質の肥厚が皮膚の内側に向かって進んでいきます。

どちらも中心部分に芯のような角質の栓(核)があるのですが、タコは外用剤で柔らかくして剃刀などで削っていくと簡単にきれいになります。
しかしウオノメでは栓が内側に向かってもぐりこんでいるため、削っても削っても核を取り除かないとまた再発してしまいます。

ウオノメの核を除去するのがまた大変で、気を付けないと周囲の正常かつ敏感な皮膚を傷つけてしまい治療に苦痛が伴ってしまいます。

タコやウオノメに対する外用剤治療ではサリチル酸絆創膏が使用されます。タコやウオノメができる場所は絆創膏を貼ってもズレやすい場所なのですが、なるべく長い時間ズレないように貼っておくことで角質を柔らかくすることができます。

もちろん、定期的に剥がして手や足をきちんと洗って清潔を保つようにしてください。

また、そもそもの原因である物理的刺激を回避することも重要です。
足にできたウオノメは靴や歩き方が原因になっていることがほとんどですので、靴を買い替えたり歩き方を見直しましょう。

昔はペンダコと言ってペンや鉛筆などをよく使う人の指にタコができたものですが、今や小学生がパッド型デバイスで勉強する時代にもなりました。ペンダコなんて絶滅危惧種のまさしく「幻のタコ」になってしまったのかもしれませんね。

以前は100円のカミソリで自分で削ったりもしていましたが、最近ではタコやウオノメに対応している電動ピーラーが通販番組でも販売されるようになりました。
もしかしたらそういうもので十分キレイにできてしまうのかもしれません。

時代の移り変わりとともに疾患も治療方法も変わっていくものです。

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寝ても寝ても寝たりない…体が重くて動かせない…そんな「ダルおも」には

2021/7/12
梅雨から夏にかけては高温多湿で不快な季節です。
実は非常に過ごしづらい気候なので、夏に体調を崩すというかたも多くいらっしゃいます。

自宅や職場、お店などの冷房が強すぎるため、冷え症の人にとっては冬よりも過ごしにくい状況になってしまっています。
暑くて汗が出て不快に感じたとしても、夏は夏らしく暑さを感じて汗がちゃんと出る程度の温度・環境調整をすることが重要です。

全館空調などにより一年中一定の環境で過ごすことはとても快適かもしれませんが、四季の気候を感じて季節の変化に適応していくことで身体機能が高められるというものです。

最近になって急に体が重く感じ、だるくて仕方がないなんてことはありませんでしょうか?

いわゆる「ダルおも」ですね。

寝ても寝ても疲れがとれなくてもっと寝ていたい。
手足がむくんでだるくて重い。
立ち上がると頭がくらくらして動悸がする。
なんだか食欲もなくて消化不良で下をしている。
夏なのに寒くてしかたがない。

こんな症状でお悩みの場合には、夏バテというよりも水の巡りの異常が原因かもしれません。

水の巡りの異常は新陳代謝の低下で起きています。
この季節は口にするものも冷たいものばかりですので、胃腸が冷えてしまいがちです。
そうすると余計に新陳代謝が低下してしまいます。

外気温が高いからと言って冷たいものばかり飲んだり食べたりすることで体調の悪化に拍車がかかります。

冷房がガンガンに利いた店内で、キンキンに冷えた飲み物を飲み、冷たい麺類などを大食いする…

数回くらいは平気かもしれませんが、そんな生活をしているとそのうち夏バテになってしまいます。
もともと丈夫なひとなら夏バテ程度で済みますが、もともと虚弱であったり冷え症のひとがそんなことをしていたら一気に新陳代謝が低下してしまいます。

そんな時に使用する漢方薬が「真武湯(しんぶとう)」という漢方薬です。

以前にもご紹介したことがありますが、真武湯は新陳代謝が低下し、身体が冷えて水がたまってしまうことで生じる諸症状に効果があります。

附子(ぶし)という体を強力に温める生薬が入っているので、夏にはあまり使わないイメージの漢方薬だったのですが、最近当院に「ダル重」でいらっしゃる患者さんが多く、しばしば処方しています。

真武湯の効きどころは胃腸ではなく腎という機能です。
漢方における腎とは、生まれもった生命エネルギーのようなニュアンスをもつ機能です。

実際には泌尿器や生殖器の機能が含まれ、老化現象に関係する諸症状も腎に関係があるとされています。

腎を例えるときには「生まれもったバッテリー」という表現をよく使います。
バッテリーの出力が落ちてしまうために電源が落ちてしまうイメージは「ダルおも」にピッタリではないでしょうか?

「ダルおも」になると本当に何をやるにもやろうという気力が出てこなくなります。
気力以前に体が動かなくなってしまい、寝るくらいしかできません。
まさしくスイッチが切れたように寝てしまうのです。

そうなってしまう前に真武湯で治療を始めたいものですが、環境調整のほうが重要である点はお忘れなく。

…そういえば、昔のコント番組で加藤茶さんが人気のハゲオヤジのキャラをよく演じていましたね。
今、改めて観てみると上下とも綿の白の肌着にラクダ色の腹巻を装着しています。
これは昭和の定番スタイルでした。

夏で薄着になってもお腹や腎臓まわりは冷やさないようにするのが生活の知恵だったわけです。

しばらく前から若い女性を中心にへそ出しファッションが流行っていますし、妊婦さんでもへそを出していたりお腹が冷えてしまうような薄着でアイスクリームを食べていたりします。

生活の知恵というものを大切にしたいものです。


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【開業一年】ありがとうございます!【Anniversary】

2021/7/3
7月3日は当院の開業一周年記念日です!

あっという間の一年でしたが、若輩者の私を信頼して多くのかたに当院を訪れていただいたこと、誠に感謝申し上げます。

思えば一年前の7月3日は良く晴れた日でした。
開業初日の来院者数は11名だったことを覚えております。
その時の患者さんのなかには今でも当院に通院していただいている方もおられます。
本当にありがとうございます。

新型コロナの蔓延状態での開業でした。
漢方の醍醐味の一つは感染症の治療なのですが、インフルエンザが流行しなかったこともありカゼや上気道炎の治療をする機会はあまりありませんでした。

その一方で、当初わたくしが想定していなかった疾患やお悩みでお越しくださる患者さんも大変多くいらっしゃいました。
文字通り頭を抱えながらの診療でしたので「こいつ大丈夫か?」と思われたかたも多くいらっしゃったことと思います。誠に申し訳ございません。
今まで以上に勉強の一年でした。そしてこれからも勉強の日々は続くことになるでしょう。

漢方薬で体調が良くなったかたもいらっしゃるし、良くならなかったかたもいらっしゃいます。
当院の漢方治療で症状が改善しなかったかたにお願いしたいのは、これで漢方薬に見切りをつけずに、是非ほかの漢方医のもとで治療を受けていただきたいということです。

診る者が変われば見立ても変わる場合がございます。
そして漢方は他のどの診療科よりも経験がものを言う診療科です。

漢方は専門領域のないオールジャンルの診療科です。
現代的に言うと総合診療科という表現になりますが、あちらは西洋医学の診療科です。

漢方は、漢方の他にやりようのなかった時代から連綿と受け継がれてきた医療体系です。
そのため、漢方で対応できうる疾病にはすべて対応してきました。
もちろんできることもできないこともたくさんあります。

でも「なんとかやってみましょう」と言えることが漢方の強みであり良さではないかと思います。
それは2000年以上の時間をかけて多くの漢方医たちが研究と経験を積み重ねてきてくれたおかげなのです。そして、2000年以上の時間をかけて多くの人々が漢方を利用してきてくれたおかげなのです。

漢方には思想があり、伝統があり、歴史があります。
遠い昔のご先祖様たちの苦しみや悩みが今の私たちを救ってくれているのです。
この素晴らしい医学が人類の宝としてこの先何千年も続いていくよう、今日も明日も感謝の気持ちとともに診療にあたっていきたいと、改めて思ったanniversaryでした。

本日受診していただいた方は単純計算で1日あたり54名となりました。
誠にありがとうございました。
とはいえ、私の未熟さ故に多くのかたに大変長い時間お待たせさせてしまっております。
これからも日々努力を続けて参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。


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