新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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秋には「肺」を整えましょう

2025/9/7
季節の変わり目と「肺」の不調

9月に入り、夏の暑さが和らぐ一方で、朝晩の気温差や空気の乾燥を感じる方も多いのではないでしょうか?
東洋医学では、秋は「肺」の季節とされます。肺は呼吸をつかさどる臓器であると同時に、皮膚や粘膜の潤いとも深く関係しています。そのため、秋になると「咳が出やすい」「のどが乾燥して痛い」「皮膚がカサカサする」といった不調が現れやすいのです。

現代医学的にみても、秋口は空気の乾燥や花粉、気温の寒暖差によって呼吸器に負担がかかりやすく、喘息やアレルギー性鼻炎、慢性的な咳の悪化が見られます。こうした時期に呼吸器のケアを意識することは、健康維持にとても大切です。

秋の呼吸器トラブルとその原因

秋に多い呼吸器のトラブルには、次のようなものがあります。

・乾燥による咳や喉の痛み
空気の湿度が低下し、粘膜の防御機能が弱まることで、咳や喉の違和感が出やすくなります。

・気温差による喘息やアレルギーの悪化
昼夜の温度差が大きい時期は、自律神経のバランスが乱れ、呼吸器の症状を引き起こしやすくなります。

・季節性の花粉症
秋にはブタクサやヨモギなどの花粉が飛散し、鼻炎や咳を伴う症状が出る方も少なくありません。

漢方で考える「肺」と秋の養生

漢方医学では、秋は「肺」に対応する季節とされます。肺は「気」を取り入れて全身に巡らせるだけでなく、「津液(しんえき)」(=体の潤い)を行き渡らせる役割を持っています。
そのため、秋に肺が弱ると 乾燥・咳・肌荒れ といった症状が出やすくなります。

漢方では、この時期に「肺を潤す」「気を補う」ことが養生の基本になります。食養生では、梨・大根・れんこん・白きくらげ・豆腐など、潤いを補う白い食材が推奨されます。

秋におすすめの漢方薬

秋の呼吸器トラブルに対して、漢方にはさまざまな処方が使われます。ここでは代表的なものを紹介します。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)
空咳や喉の渇きが強い場合に用いられます。乾燥した肺を潤し、咳をやわらげる作用があります。

滋陰降火湯(じいんこうかとう)
のどの痛みやから咳が続くときに適します。体の潤いを補い、炎症を鎮める効果が期待されます。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
花粉症やアレルギー性鼻炎で、水っぽい鼻水や咳が出るときに用いられる代表的な処方です。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
夏の疲れが残っていて体力が落ちている人に。免疫力を高め、風邪をひきにくくします。

※いずれも保険診療で使用可能な漢方薬です。ただし体質や症状によって処方が異なるため、必ず医師に相談してください。

日常でできる呼吸器ケア

漢方薬に加えて、日常生活の中でできる呼吸器ケアも大切です。

・室内の加湿:乾燥対策に加湿器を活用する

・鼻呼吸を意識:口呼吸は乾燥や感染リスクを高めるため注意

・秋の旬の食材を摂る:梨やれんこんなど「肺を潤す食材」を積極的に

・適度な運動:呼吸を深め、全身の「気」の巡りを改善

まとめ

秋は、呼吸器の不調が出やすい季節です。東洋医学的には「肺を潤す」ことが養生の基本。乾燥による咳や喉の違和感、季節性のアレルギーでお困りの方は、漢方薬を取り入れたケアが役立つことがあります。

当クリニックでは、保険診療で処方できる漢方薬を中心に、患者さま一人ひとりの体質や症状に合わせた治療を行っています。
「咳が長引いている」「秋になると体調を崩しやすい」といったお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。


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#秋 #漢方 #呼吸器 #咳 #乾燥 #肺を潤す #秋バテ #花粉症 #新前橋 #群馬 

お盆の時期にオススメ漢方薬!

2025/8/10
本日より夏休みをいただいております。ありがとうございます。

今回は、お盆の時期の健康管理を東洋医学的視点で書き記してみたいと思います。

お盆の時期と体調管理 ― 漢方で整える夏のからだ

お盆の時期は、親戚との集まりやお墓参り、帰省などで慌ただしく過ごされる方が多いですね。移動や気温差、食生活の乱れから、体調を崩しやすい時期でもあります。
特に近年は猛暑が長引き、冷房の効いた室内と外の暑さを行き来することで、体に大きな負担がかかります。
そんなお盆の時期の不調に役立つ「保険診療で使える漢方薬」についてご紹介いたします。

1. 暑さ負けやだるさに
夏の暑さで食欲が落ちたり、だるさが続くときは、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」がおすすめです。疲れやすく、胃腸が弱っている方の“気”を補い、全身のエネルギーを底上げしてくれます。冷たい飲み物や食べ物のとり過ぎで胃が冷えてしまったときにも向いています。

夏負けというと「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」を思いつく人もいるかもしれません。補中益気湯との違いは、清暑益気湯では脱水対策として体を潤すことを目的としている、という点があります。

でも現代では夏バテで脱水になっている人よりも、冷たい物を飲みすぎてしまっている人の方が多いように思います。

2. 胃腸トラブルに
お盆はごちそうや甘い物を食べる機会が増えます。そんなときに起こりやすいのが、胃もたれや下痢。「六君子湯(りっくんしとう)」は胃腸の働きを整え、食欲を回復させます。冷房で体が冷えたことによる腹部の違和感や、食べ過ぎ飲み過ぎによる消化不良にも効果的です。

3. むくみや水分代謝の乱れに
暑い中での水分補給は欠かせませんが、摂りすぎや代謝の低下で“水”が体にたまり、むくみやだるさの原因になることもあります。「五苓散(ごれいさん)」は体内の水分バランスを整え、余分な水分を排出します。屋外での活動時、熱中症予防の一環としても活用される処方です。

4. 冷房による冷えや肩こりに
室内外の温度差で体が冷えると、血流が悪くなり肩こりや頭痛が起こることがあります。「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は血の巡りを改善し、冷えによる不調や慢性的な肩こりを和らげます。特に手足の冷えや顔色のくすみが気になる方に適しています。

5. 睡眠の質の低下に
お盆は生活リズムが乱れやすく、寝苦しさから不眠や浅い眠りが続くこともあります。「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」は心身を落ち着け、自然な眠りへ導きます。緊張や興奮で眠れない方にも効果が期待できます。

お盆の時期は、楽しい時間と同時に体への負担も大きい時期です。
漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶことで、夏特有の不調をやさしく整えてくれます。今回ご紹介した漢方薬は、すべて保険診療で処方可能な薬ですので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。暑さに負けず、元気にお盆を過ごしましょう。


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7月1日は半夏生

2025/7/1
7月1日は「半夏生(はんげしょう)」という季節の節目です。これは、雑節のひとつで、夏至から数えて11日目頃にあたります。農家にとっては田植えの締めくくりの時期であり、自然のリズムとともに生活していた昔の人々にとって大切な目印でした。

半夏生の「半夏」は漢方薬の生薬です。
和名はカラスビシャク。サトイモ科の塊茎です。まさしく半夏生の頃によく生じてきます。作用としては制吐作用、鎮咳去痰作用、鎮静作用などがあります。
数多くの漢方薬に組み込まれていますが、とりすぎると嘔気を生じることがありやや有毒性とされています。

通常ならこの時期は梅雨が続き、気温と湿度がともに高くなります。
漢方では、このような「湿邪(しつじゃ)」が体に入り込むことで、さまざまな不調を引き起こすと考えます。特に胃腸(脾胃)の働きが弱りやすく、食欲不振、胃もたれ、倦怠感、むくみ、頭重感などの症状が現れる方が増えてきます。

こうした季節には湿気を払い、胃腸の働きを助ける食材や生活習慣を取り入れることで、体調を崩すことを防ぐことができます。
たとえば、はと麦、とうもろこしのひげ茶、小豆、生姜、紫蘇などの利水・健脾作用を持つ食材は、湿を外に出し、消化機能を整えるのに役立ちます。また、冷たい飲食を避け、温かいお粥やスープを摂ることも、脾胃の負担軽減に効果的です。

さらに、軽い散歩やゆったりとした入浴で汗をかき、体内の湿を外へ出すのも良い養生法です。ただし、過度な運動や冷房の当たりすぎには注意が必要です。

「半夏生」は単なる暦の名前ではなく、自然と身体のバランスを見つめ直すきっかけとなる時期です。日々の生活に少しだけ漢方の知恵を取り入れ、自分の体と丁寧に向き合ってみてはいかがでしょうか。

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出会いと別れの春にはピクニックがよい⁉

2025/3/26
卒業や異動、退職そして出会いや就職、新生活など
出会いと別れの季節が春ですね

しかし!

春鬱という言葉もあるように、春は精神的に不安定になりやすい季節です。
それもそのはずで周期的に低気圧と高気圧がやってきて、寒かったり暖かかったり、晴れたり雨が降ったりと、気候が安定しないからです。

人体は極端に暑いのも極端に寒いのも苦手ですが、一定の環境にはいずれ適応できてしまうものです。しかしコロコロと変化が続く環境というのはどうしても慣れ切らない…揺さぶられ続けるのです。人間の生理的な機能を自動制御しているのが自律神経ですが、コロコロ変わり続ける気候というのは、車で言えばアクセルとブレーキをしょっちゅう操作し続けているような状況であり自律神経に負担がかかってしまうのです。

日本の場合、3月の春先には社会生活の大きな変化を迎えることが多いため心身ともに嫌でもバランスが崩れてしまうものです。

漢方において、自律神経のコントロールに相当するのが五臓六腑理論でいうところの「肝」に相当します。
肝の主な作用は蔵血(ぞうけつ)であり、気血水理論でいう血(けつ)を溜め、流れをコントロールします。五臓理論は人間の生理現象や生命活動を5つに分類したものであり、気血水理論とはそういった生理現象や生命活動を引き起こしているエネルギーというか資源というかそういったものです。

さて、そんな「肝」を労わるには規則正しい生活リズムで、食事は刺激の少ないもので腹八分目にして…と、当たり前の生活を送るのが基本ですが、実は重要なのは肺と胃腸です。

というのも、血(けつ)は食事をして十分に「気」を取り込み、そして食物から得た「気」から「血」が生成されるからです。食物から得た「気」には体に不要な気(濁気)も混ざっています。食事から得た清濁混ざった「気」の原料と、呼吸によって取り込んだ空気中の「清気」とを混ぜて正気と濁気が作られます。濁気は呼気として捨てられ、正気は肺の機能によって全身に拡散されます。

長々しいことを書いてしまいましたが、よく食べ、よく呼吸をすることで「気」から「血」が作られ、そして肝が養われることで自律神経が安定します。

花粉症でつらい方も多いかもしれませんが、春は自然豊かなところに出かけて目いっぱい深呼吸するとよいでしょう。まさしくピクニックに適した季節ですね


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喘息ってやっぱり心身症なんだなと感じた話

2025/1/26
「ストレスでお腹が痛くなる」
「忙しくて目が回る」
「勉強のしすぎで熱がでる」

こういう言い回しを聞いたことはありませんか?
これらはいずれも精神的なストレスであるとか、感情的な問題などが身体的不調・症状を引き起こしている状態であり、心身症と言われる状態です。

心身症というのは、発生や病状に精神的・社会的要因が大きく関与している身体的疾病を意味しています。

「そんなこと言ったら大概の病気にはストレスが関係しているだろう?」と思われたかもしれません。

そのとおりです。

心理社会的要因が関与して発症したり悪化するのが心身症の定義なので、とても多くの疾患が心身症に分類されます。
例えば高血圧、胃潰瘍、不眠症、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、月経不順・月経困難症、更年期障害、片頭痛、メニエール病、動悸(期外収縮)などなどなど…

本当に多くの疾病が心身症の側面を持っています。
今回は喘息の話です。

40代の女性の患者さんが不眠の訴えで受診されました。
お話を伺いますと仕事上のストレスが大きく、日々イライラしているとのこと。寝ている時にも歯ぎしりをしているそうです。月経異常や更年期の症状は認めなかったので、イライラを抑えて気持ち良く眠っていただけるように抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)という漢方薬を処方しました。

この漢方薬がよく効きまして、2回目の受診時にはスッキリ眠れるようになったとご報告いただきました。

それと同時に、気管支喘息の咳がピタッと止まったともご報告いただきました。気管支喘息については標準的治療を受けていたものの、咳がなかなか治まらずにおりました。抑肝散加陳皮半夏を内服するようになってから咳が治まったので、標準的治療についても減薬できているようでした。

今まで喘息の治療として抑肝散加陳皮半夏を使用したことがなかったので驚きましたが、よくよく考えれば肝気鬱結(かんきうっけつ)という交感神経が緊張した状態を鎮める漢方薬です。交感神経の緊張が緩めば、確かに喘息の咳が軽減されても不思議ではありません。

こういうところで、ある疾病が心身症の側面を持っていることに気づかされますし、ある患者さんの診療をするときに一つの疾病、特定の症状のことだけ考えるのではなく、すべての疾病や不調が有機的につながっていることを意識した全人的診療が必要である(というかそうしなければ治療として欠落がある)ことを考えさせられますね。

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