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6種複合免疫療法で髪の毛が生えた!

2024/2/17
6種複合免疫療法は6種類の免疫細胞を増殖させ、免疫製剤として点滴投与する治療法です。
現在ではガンに対する自由診療として提供されています。当院でも1年以上前から6種複合免疫療法をあつかっており、非常に多くの患者様にご利用いただいています。

6種複合免疫療法では患者さん自身の血液中の免疫細胞を約3週間かけて増殖させ、活性を高めた状態で点滴投与することでガンの退縮を試みるものです。西日本を中心に非常に多くの患者さんに利用されています。

さて、そんな6種複合免疫療法を当院で実施されていたある患者さんについて想定外の事態を経験しましたので、考察を含めてご報告したいと思います。
その患者様は中年以上のご年代の男性でした。がん治療が目的でしたので、治療開始までは一切話題に上がらなかったのですが、AGA(男性壮年性脱毛症)でした。担当医から余命宣告までされていたのですから、髪の毛なんて気にしている場合ではないですよね。

6種複合免疫療法について一通りご説明させていただき、ご同意いただいたため治療を開始しました。
数回の治療後…
なんと…

明らかに髪の毛が増えたのです。
正直、スカスカだった状態が完全にフサフサになりました。髪が伸びたわけではなく、髪の生え方からして20歳頃に髪が生えていたであろう全領域からきちんとした太い髪の毛がビッシリと生えそろっていたのです。

患者さんご自身もとても驚かれておりました。
もちろんAGAの治療薬であるフィナステリドやミノキシジルは使用していません(進行がんなのでそれどころではない)。

その後も、髪の毛は安定して生え続けていました…。

さて、AGA(男性壮年性脱毛症)は頭皮において5αリダクターゼという酵素の活性が高まり、頭皮における男性ホルモン(テストステロン)の濃度が高まることで髪の毛が抜けやすくなってしまう疾患です。治療としては5αリダクターゼの活性を落とすフィナステリド(内服薬)と、ミノキシジル(外用剤)が使用されます。フィナステリドは脱毛を予防する目的で、ミノキシジルは発毛を促進する目的で使用されています。

これがAGAの治療である、と言われているのですが、実はこれらはAGAの根本的な治療ではありません。
なぜならAGAにおいて、なぜ頭皮において5αリダクターゼの活性が上昇してしまうのか(その結果髪の毛が抜けやすくなってしまうのか)が判明していないからです。

AGAの本当の根治的治療とは、「頭皮において5αリダクターゼの活性が高まる理由」を解決することです。フィナステリドやミノキシジルは、本来は(西洋医学がお得意の)対症療法に過ぎないのです。

さてそこで、6種複合免疫療法によってAGAが完璧に完治した患者さんの事例から考えてみると…

6種複合免疫療法では6種類の免疫細胞を増幅・活性を高めて投与する治療方法ですので、細胞性免疫を強化している治療と言えます(免疫を担う細胞が主役の治療ということです)。
この治療によってAGAが治ったということは、とりあえず以下の2つの病態を推理できると思います。

①免疫細胞から放出されるサイトカインがAGAを治した。AGAでは免疫細胞が弱まることで、放出されるサイトカインの低下によって頭皮における5αリダクターゼの活性が高まってしまっている。

②免疫細胞そのものが頭皮において何らかの作用をしており、細胞性免疫が弱まることで5αリダクターゼの活性が高まってしまっている。

単純ですがこの①②の病態が推測できるでしょう。もちろん①と②が両立している可能性もあります。
それが6種複合免疫療法によって解決されると、AGAが治ったという現象が生じたのかもしれません。

つまりAGA(男性壮年性脱毛症)とは細胞性免疫の低下によって生じる1つの症状ではないかと思うのです。
これはあくまで私個人の推測ですから、今後、こういった側面でAGAの研究が進むことを待ちたいと思うのですが、こうやって病態をいろいろと考えてみると人体の不思議により一層関心が湧きますし、勉強意欲が湧いてきますね。

リトリール療法とアンズのはなし

2021/5/11
かつてアメリカを中心に「リトリール」という代替医療が一世を風靡したことがあります。
リトリールは杏子(あんず)のタネから抽出した成分であり、その成分であるアミグダリンは癌の特効薬としてビタミンB17の異名を取りました。

現在でもリトリールは癌に対する代替医療として利用されていますが、当然ながら大変な批判を浴び、主流医療からは排除されています。

私が調べた範囲では統計的な治療成績を見つけることはできませんでしたが、現在でもリトリール療法は続けられており、リトリール療法によるガンの寛解例も報告されてはいるため、効く人には効くのだろうと思います。

その話とはまったく別の筋の話なのですが、中国医学(中医学)の先生の漢方薬解説書を読んでいたところリトリールの効果を裏付ける内容を見つけました。

漢方薬で使用する生薬にも杏子の仲間が存在しますが、その中でも苦杏仁という生薬についての解説です。

苦杏仁にはアミグダリンという化学成分が3~4%含まれています。これが加水分解されると、ごく少量の青酸が発生します。微量の青酸は呼吸中枢を軽度抑制するため、咳や喘息を鎮める効果をもたらします(かつてサスペンスドラマではよく使用されましたね)。

また、苦杏仁を加水分解するとベンズアルデヒドも生じます。ベンズアルデヒドは胃のタンパク分解酵素を抑制するため、胃潰瘍に対する治療効果を発揮します。

さて、アミグダリンとベンズアルデヒドが登場しました。この両者も基礎実験では抗がん作用が確認されています。ラットに癌細胞を接種し、アミグダリンを投与した実験(癌の基礎研究では一般的な実験です)ではアミグダリンを投与されたラットの生存期間の延長が認められました(通常、すべてのラットが死亡するまで観察されるため、生存期間の延長で評価されます)。また、同様の実験でマウスに苦杏仁を自由に摂食させた場合でも癌細胞の成長を抑制し、生存期間が延長することが確認されました。

(このように基礎実験のレベルでガンに対する素晴らしい治療効果をもたらす物質は非常にたくさんあります。しかし、創薬段階にまで至る化学物質はほとんどありません。基礎実験と人体における効果とのあいだには非常に大きな隔たりがあるのです。)

癌細胞では、青酸を解毒するローダナーゼという酵素活性が正常細胞よりも少ないため苦杏仁が抗癌効果を発揮するのだと言います。

このように、リトリール(ビタミンB17)の抗がん作用がまったく別のところで証明されたわけではあるのですが、しかし苦杏仁の多量摂取はやはり青酸中毒を起こすため勧められることではありません。中医学の先生のあいだでも意見が分かれているようです。

ただ、これらの知見は抗癌剤開発研究にとって重要なインスピレーションをもたらすのではないかと思われますし、日頃から杏子類を適量摂取することで(杏仁豆腐など)、体内における癌の発生や進展を抑制できるのかもしれません。希望的観測に過ぎませんが。

しかし、日本の漢方でもこのような生薬研究が進むことが期待されますね。

現代はビッグデータの時代ですから、生薬に含まれる何十もの化学成分の相乗効果や相互作用などを多元的に解析できると漢方薬の真の効果や新たな使い道が発見できるように思います。

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