「腰痛」は誰もが一度は経験する悩みのひとつではないでしょうか。
ぎっくり腰から圧迫骨折による腰痛まで、腰の痛みの原因は千差万別です。西洋医学的には鎮痛剤、コルセットなどの装具、リハビリテーションが治療の選択肢となりますが「レントゲンでは異常がない」ために漫然と鎮痛剤が処方されたり、いつまでも痛みが解決されずにいたり…ということもしばしば経験します。
東洋医学では、痛みの原因は「何らかの理由で経絡の気がきちんと巡らないこと」と考えます。
その大きな原因の一つは「冷え」です。そのためお風呂や温泉で温めたり、お灸で温めたりする治療が腰痛には効果的です。
逆に、貼ると気持ちいいからと言って冷たい湿布を四六時中貼っているといつまで経っても腰痛は良くならないでしょう。
冷えにより悪化する腰から下の痛みによく使用される漢方薬に「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」があります。
腰痛だけではなく、脚の痛みや坐骨神経痛にもよく使用されます。
「名は体を表す」ということで名前から構成生薬がわかります。茯苓、乾姜、白朮、甘草の4種類の生薬からできています。(こういった漢方薬はしばしば登場すると思いますが、漢方薬の名称の違いは、その漢方薬が誕生した時代の違いだと思っておいていただければいいと思います。)
この漢方薬は冷えを温め、水の巡りを改善させることを目的としています。処方する際に重視するポイントは「腰から下の冷え」です。冷えて水がたまってしまって経絡の気の巡りが悪くなってしまうのですね。
腰痛や神経痛のほかにも冷えによる諸症状に対して効果があります。たとえば頻尿や夜尿症(おねしょ)などです。
さらに応用として、足腰が冷えやすい環境(職場や学校など)にいるにも関わらずトイレに行くことを我慢してしまうために膀胱炎を繰り返してしまうような方に対して予防的につかうこともあります。
この漢方薬が登場する古典「金匱要略(きんきようりゃく)」の条文はとても印象的です。
「腰中冷え、水中に坐すが如し(腰から下だけ冷水に浸かっているように冷える)」とか「腹重きこと五千銭を帯ぶるが如き(腰に大量の銭をぶらさげているように重い)」ということで、腰から下がとにかく冷えていて重だるいという状態をわかりやすく表現しています。
漢方の聖典である「傷寒論」や「金匱要略」などの古典は漢文ですので堅苦しい文体で読みにくいことも多々ありますが、こうして随所に「わかりやすく教えよう」というセンスやユーモアが光るところに単なる医学書を超えた存在感があります。
漢方は医者の観察力や感覚、直感などフル動員することで成長していくことができる医療です。西洋医学的に数値を測定して診断基準に照らして診断や治療をするものではありません。
だからこそ難解であり胡散臭いとさえ思われてしまうわけですが、その難解な部分、個人差が大きくでてしまう感覚的な部分を後世までわかりやすく伝えようという先達の心意気がありがたいと同時に人間としての懐の深さを感じさせます。
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