新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック

舌が白くなった!ねばねばして気持ち悪い!

最近は舌の美しさに関心のある人が増えているようです。
舌ミガキというものも市販されているようですね。

漢方外来ではときどき「舌が白くなった」という症状で受診されるかたがいらっしゃいます。

実際には舌そのものが白くなったのではなく、舌苔(ぜったい)が白くなっている状態です。舌苔があることは正常なことなのですが、それが正常よりも白く分厚くなっているのです。

こんな状態では多くのひとが「口が苦い」とか「口がねばねばする」という感覚も覚えるようです。

西洋医学的にどう表現・診断するべきかちょっと思いつかないのですが、漢方ではどのような状態か察しがつきます。

漢方では舌苔の診察もおこないます。

白く分厚くなった舌苔はストレスがかかっているときや体表よりもやや深いレベルに炎症が生じている状態(少陽病)です。

漢方ではこういう舌苔のときには柴胡(さいこ)という生薬を中心とした漢方薬を使用することが常套手段です。

基本となる薬は小柴胡湯(しょうさいことう)という漢方薬で、非常に応用の利く漢方薬です。柴胡〇〇湯という名前の漢方薬は小柴胡湯の親戚ですし、ほかの漢方薬とセットとして確立した柴朴湯(小柴胡湯と半夏厚朴湯)や柴苓湯(小柴胡湯と五苓散)などの漢方薬もあります。

これらの漢方薬は「柴胡剤(さいこざい)」と呼ばれ、日本ではとてもたくさん使われている漢方薬のグループです。

鑑別しなければならないのは口腔カンジダ症でしょう。
口腔カンジダ症になるということは口腔内の細菌叢がだいぶ乱れている、あるいは体の免疫力が低下している状態です。何かもっと重大な疾患がどこかにある可能性を考えなければなりません。

尚、カンジダ菌はカビの一種ですが、口から食道の範囲の常在菌ですので存在そのものはあまり心配しなくてよいと思います。
(ときどき常在菌であるカンジダ菌を必死に治療する先生を見かけることもあるのですが…)

小柴胡湯はかつて慢性肝炎に対して濫用されたことがありました。
その結果、間質性肺炎という重大な副作用が数多く発生し、一時期、漢方薬はだいぶ批判をされました。

悪く言うつもりはありませんが、このような事態が発生してしまったのは漢方薬に精通していない医師が小柴胡湯をむやみやたらに使用したからです。

小柴胡湯を慢性肝炎に使うことはできますが、それは小柴胡湯が効くと考えられる状態の患者さんに対してだけです。慢性肝炎という診断のついた患者さん全員に小柴胡湯を使用することは、小柴胡湯の使い方としては間違っているのです。このような処方の仕方を病名投与といいます。
漢方薬の性質は理解していないけれど保険病名が合っているので処方をしてしまうのです。

漢方薬といえど間違った使い方をすれば重篤な副作用を誘発してしまう可能性が高くなります。

漢方薬は一般薬に比べて「自然で安全」というイメージを抱いているかたがたくさんいらっしゃいます。
その考えは間違いではありませんが、人間の体に作用するなんらかの薬効成分が含まれているわけですから、なんらかの副作用が生じる可能性があることだけは覚えておいていただければと思います。 

良くも悪くも、漢方薬は「その道のプロ」が処方することで効果を発揮します。
一度、漢方で治療して失敗しても、別の漢方医のところで治療したらうまくいったということも日常的にあります。

上記の通り、漢方薬には基本形から派生した類縁処方薬のグループが存在します。
ほんの少しの生薬の足し引きで、その人に効くかどうか、副作用が出るかどうかが変わってくるのです。

漢方薬がオーダーメイド医療として進化・発展してきた証拠なのでしょうね。


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