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その消毒が、あなたの命とりになるかも!?

「新型コロナウイルス」という言葉が世の中に到着しておよそ2年が経過しました。
この2年でそこかしこに手指消毒用のアルコールが設置されるようになりました。みなさんも今まで以上に手指消毒の頻度が増えたのではないでしょうか?

しかし、行き過ぎた手指消毒はかえって健康をそこなうリスクとなります。

頻回の手指消毒や手洗いは、皮膚の角質や皮脂を過剰に落としてしまいます。これでは真冬に裸で外に出るようなものです。しかもアルコールによって皮膚も少しずつダメージを受けてしまいます。アトピー性皮膚炎や主婦湿疹のかたには苦痛でしかないことでしょう。

さらに、皮脂や角質とともに常在菌まで排除されてしまいます。皮脂が過剰に失われてしまった状態では、残っていた皮膚の常在菌も繁殖することができません。
皮膚の常在菌は多種多様であり、それぞれが互いにけん制し合って均衡状態を保つことで外部からの病原微生物の侵入を防いでくれています。そんな常在菌が頻回の手指消毒で除菌されてしまい、そして弱ったまま繁殖ができなくなってしまいます。

そのような「皮膚の空白地帯」に病原性細菌やウイルスが付着すると、皮膚のバリア機能も弱ってしまっているためたやすく侵入を許してしまいます。これでは元も子もないどころか、かえって事態を悪化させてしまいます。

自然や医学の世界では「何事もバランスが重要」という絶対的な法則があります。何事もほどほどが大切です。

ところでみなさんは、手指消毒用アルコール製品が「除菌率99%」であることに疑問を感じたことはありませんか?

消毒用アルコールや除菌製品では除去することができない細菌がいるためです。
代表的なものがクロストリジウム属の細菌です。

クロストリジウム属の細菌は、食中毒の原因になったり、偽膜性腸炎という危険な疾患の原因となりうるグループの細菌です。

これは非常に危険…と感じるかもしれませんが、クロストリジウム属は酸素に弱い細菌ですので、通常の環境では過剰に心配する必要はないでしょう。
ただ、さきほども述べたように「何事もバランスが重要」です。手指や生活環境を過剰に消毒・除菌することで本来形成されているべきの常在菌叢が破壊され、クロストリジウム属だけが取り残されてしまえば、クロストリジウム属に繁殖のチャンスを与えることになると同時に、病原性微生物の侵入を許すことにもなります。

あまり過剰に除菌することで皮膚の常在菌や環境中の細菌が消毒に対して耐性を獲得する可能性は否定できません。というか、医学常識としてはそのようなことは起こるはずはないと思われるものの、結局「スーパー耐性菌が発生した!」と後になって騒ぐのが今までのパターンですので、ほんのわずかの可能性も警戒せざるを得ません。

最近のなんでもかんでも消毒・除菌する習慣は、結果として期待とは真逆の結果を招くことになるかもしれません。
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