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カロナールがない!でも・・・

新型コロナ感染が拡大したこととワクチン接種時の発熱対策として、比較的安全な解熱鎮痛剤であるカロナール(アセトアミノフェン)の消費が進んでいます。

ついに出荷調整という事態に入り、全国的に新規の入荷が難しくなっています。
出荷調整になるということは、薬局や医療機関に対して、過去の納入実績に応じて一定数しか納品されないということです。つまり、需要が増えたからといってその分取り寄せることができないわけです。

ということは、感染症を発症したり、なんらかの疼痛性疾患になってカロナールが必要な人が新たに発生しても、その人たちが使用できるカロナール(アセトアミノフェン)は無いということです。

カロナールだけが解熱鎮痛剤ではないので、ロキソニン(ロキソプロフェン)やセレコックス(セレコキシブ)などのNSAIDsと呼ばれるグループの解熱鎮痛剤へと需要がシフトしつつあります。これでなんとかなればいいのですが、このまま感染の勢いが治まらないとNSAIDsも供給不足になってしまう可能性がある、というのが最近の状況です。

こんな状況の中で、コロナは風邪に罹った際の漢方薬の使用が増えているようです。
最近ではドラッグストアでも漢方薬を取り揃えているところも増えましたので、一般の方で漢方薬を買っているかたもいらっしゃるでしょうし、漢方の使用経験があまりない医師のかたからの処方も増えているのではないかと推測されます。

さて、ここで怖いのはコロナや風邪のような感染症の発症初期において、不適切な漢方薬を使ってしまうと体調を大きく崩してしまう危険性があるということです。

特に注意しなければならないのが麻黄湯(まおうとう)という漢方薬です。
この漢方薬はインフルエンザに使用されるイメージが広まっていましたが、きちんとした使い分けが必要な漢方薬です。

麻黄湯を使用するべき状況は①感染の初期(発症から1、2日ていど)であること、②発熱、悪寒、体のふるえ、筋肉痛や関節痛などの症状があること、そして③発汗していないこと、です。

発汗していないことがとにかく大切です。

漢方の理論では、感染症になった際に、発汗を促すことで病邪を体外へと追いやるという考え方をします。麻黄湯は、いわば戦闘状態になってすべて閉門してしまっている肌に対して、病邪に抵抗する力を鼓舞すると同時に、開門して体外へと追いださせるように作用する薬です。

みなさまは熱を出したときにカロナールやロキソニンを内服したら、熱が下がるとともに大量に発汗した、という経験はないでしょうか?
それと似ていますね。

発汗すると病邪を追いだせるならそれでいいじゃないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、発汗しているときに麻黄湯を使ってしまうと、逆に発汗を止められなくなってしまうのです。発汗が止まらないと、体表面の気も漏れ出してしまいます。これではかえって病気と闘う力が無くなってしまいますし、人体の気そのものも失ってしまうことになるので危険というわけです。

麻黄湯は「解表剤(げひょうざい)」というグループの漢方薬です。
その名のとおり「(体)表を解(放)する」という作用を持っていますので、それを使うべきときというのは、表が閉じているときなわけで、その指標となるのが「発汗していないこと」なわけです。

また、麻黄湯は体力がある患者さんに使うべき薬です。体力がちゃんとある、またはきちんと高熱を出して体がガクガク震えるけれども食欲は意外と普段とおり、という患者さんに適している薬です。

麻黄湯を虚弱な方が利用してしまうと、発汗は止まらないわ、プソイドエフェドリンのせいで心臓はバクバクして苦しいわ、胃の調子は悪くなるわで、それはもう重篤な状態になりかねないのです。

コロナや風邪、インフルエンザなどに罹り、発症すぐの時点で発熱、悪寒、頭痛などの症状があるけれども汗は出ているという場合には桂枝湯(けいしとう)という漢方薬を選択すべきです。

しかし、これもまた桂枝湯は桂枝湯を使うべき人に使わなければなりません。
このように、漢方薬はウイルス性感染症に非常に有効な薬なのですが、きちんと見定めて選択しなければなりません。

解熱鎮痛剤が無いからと言って、むやみやたらに漢方薬を使用してしまうと取り返しのつかないことになってしまいかねません。どのような薬も、正しい使い方で使用する必要があります。


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