新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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感染が治ったあとも咳が出る

寒さとともに乾燥の季節がやってきました。

秋~冬になると喘息などの呼吸器疾患が悪化しやすくなります。これは、冷たい空気や乾燥した空気が気道を刺激し、気管支の痙攣や狭窄が生じるため、咳が出たり呼吸がしにくくなるためです。

実はカゼやインフルエンザ、コロナなどのウイルス性呼吸器感染症が治ったあとにも気道が過敏な状態が続き、これと同じような状態になることが知られています。感染症は治ったはずなのに何カ月も咳が出て苦しくなる状態を「感染後咳嗽」などと言います。ひと昔前までは「気のせい」で片づけられていたのですが、最近になり疾患の概念として確立したようです。

感染後咳嗽(または遷延性咳嗽)は西洋医学が苦手とする症状の1つです。
西洋医学としては咳止め、去痰剤、気道拡張剤くらいしか治療方法がなく、いずれも対症療法に過ぎないためです。さらに付け足すと、西洋薬の多くが体を「渇く」方向へ導いてしまうため、薬の効果が切れると症状は余計に悪化してしまう場合があります。それでも回復力が十分にある人の場合には、症状を抑えて時間を稼ぐことで身体が自力で元の状態に戻してくれるのです。

一方、漢方では昔から結核などの長患いや病後の虚労・衰弱など、病気によって消耗してしまった状態から回復するための治療薬がさまざまあります。コロナ後遺症の治療にも漢方薬が活用されています。とはいえやはりお一人お一人の体質と病態を考慮したうえで薬を選ばなければなりません。

感染後咳嗽でもっとも処方数が多いとすれば麦門冬湯(ばくもんどうとう)ではないかと思います。
麦門冬湯には「漢方のネブライザー」という異名があります。つまり、麦門冬湯を服用することで(気道を含めて)身体に潤いをもたらすことで咳を止めてくれるのです。
麦門冬湯が効きやすいのは「口やのどの渇きがあり、冷たい空気や乾いた空気によって発作的に咳が出て、しかも咳が出始めるとしばらく続いて吐きそうになったり顔が真っ赤になったりする」ような咳です。基本的に乾いた咳であり、痰はほとんどありません。やや長文ですがイメージしやすいでしょうか?

こういう状態は感染後咳嗽に多いのですが、さらに麦門冬湯をうまく使うポイントは「胃腸が弱っているかどうか」を確認することにあります。「ふだんよりやや食欲がない」とかその程度でよいので、胃腸が弱っていることを確認することで麦門冬湯を効果的に使用することができます。コロナのような重い感染症であったり、結核のような長患いの後には胃腸が弱っていることが多くあります。胃腸が弱っていると食事をしてそこからエネルギーを作り出すことがうまくできなくなるのと同時に、身体に潤いをもたらす津液(しんえき)の生産も衰えてしまいます。

そうすると、肺に潤いが供給されなくなるため熱がこもり、その反映として喉や口の乾燥感という症状が現れます。肺は呼吸によって大気を吸い込みますが、同じように口から肺へと気が流れ込みます。しかし、肺に熱がこもっていると肺に降りてきた気が押し返されて逆流します。こうして乾いた咳やしゃっくりなどの症状が現れます。

この状態を治すのが麦門冬湯です。
面白いことに麦門冬湯という漢方薬には咳止めとしての生薬は1種類しか含まれていないのに、胃腸を丈夫にするための生薬は4種類も含まれています。こんなところからも、漢方と西洋医学とでは病気や症状をどう捉えてどのように治そうかという姿勢のちがいがわかりますね。


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