漢方薬の名前はとてもユニークです。使用している生薬の頭文字を並べたものもあれば、竜や虎などの文字を使用したもの、効能や効果を意味するものなど、多種多様です。それも漢方薬の魅力かもしれませんね。同じような効能の漢方薬は、共通する名前を持っています。家族の苗字が同じであるのと似ています(もうじきそんな時代ではなくなるのかもしれませんが)。そんな漢方家族の中で、腹痛を改善する目的の漢方薬に「建中湯」の名前がつく漢方薬があります。そんな建中湯ファミリーの中で、大活躍している漢方薬が「小建中湯」と「大建中湯」です。名前だけ見ていると小建中湯=弱い(マイルド)、大建中湯=強い(ストロング)かのような印象を持ってしまうかもしれませんが…この2つの漢方薬はまったく別物です。小建中湯は桂枝湯という、インフルエンザや風邪の薬として有名な漢方薬がベースになっています。芍薬という生薬を増量することで筋肉の異常な緊張を緩め、腸管の異常な動きを緩和して痛みをとります。さらに膠飴という米から作った飴が入っているのですが、これが栄養補給と精神安定を兼ねています。小建中湯は、もともとお腹が弱くて腹痛・下痢になりやすい人に向いている漢方薬です。不思議なもので、お腹が弱くて栄養不足気味だと人間というものは神経過敏になりストレスに弱くなってしまいます。こういうところに膠飴が効いてきてストレス緩和効果を発揮するので、小建中湯はお腹の弱いお子さんの不登校に頻用されています。本当に不思議なのですが、学校に行けるようになるんです。一方、大建中湯は人参湯という朝鮮人参を軸として胃の冷えによる症状を改善する漢方薬から派生したような漢方薬です。大建中湯には蜀椒という山椒の一種が含まれているのですが、ピリッと辛い山椒のように末梢神経を痺れさせるような作用があります。蜀椒を摂取すると、大腸の神経がしびれて腸が一瞬麻痺したようになります。「そんなもの飲んで大丈夫なのか?」と思うかもしれませんが、大建中湯はお腹が冷えてしまって腸管が痙攣するような動きになってしまい、お腹が張って痛みがある人に使う漢方薬です。蜀椒で腸管の痙攣を止めて、張りや痛みを取るというわけです。大建中湯には乾燥させて効力を高めた「乾姜」という強力な生姜が含まれています。乾姜はお腹を強力に温めると同時に血行を改善します。冷えて痙攣した腸管の動きを蜀椒で止めて、乾姜で温めて血行を改善すると、腸管が正常な動きを取り戻します。こうして大建中湯は冷え切って張り、腹痛、下痢・便秘などの症状に対してとても良く効くのですが、この効能を応用してお腹の手術後の腸閉塞の症状緩和に対して標準的な治療として使われています。と、いうわけで小建中湯と大建中湯は似て非なる漢方薬なのです。大が小を兼ねないんですね。いつの日も こころ楽しく すこやかに⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】☆クリニックの日常風景やお知らせはこちらで☆Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff ☆チャンネル登録よろしくおねがいします☆YouTube ▶ https://www.youtube.com/channel/UCZ77mmHqYxWycSWBzpDRsxQ☆メッセージも受け付けています☆Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック☆ショップカードを作ってイベント参加しよう!☆公式LINEアカウント ▶ @sukoyakaclinic または https://lin.ee/EvFfL7C♪LINEから受診予約やお問い合わせができます♪
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