新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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寒くなってくると出番が増える漢方薬たち

漢方医学には「陰陽」という概念が存在します。
この世界のすべてを陰と陽の2つのグループに分けて考えるわけです。

「陰」のグループに分類されるものは冷たい、暗い、小さくなる、潤い、静か、柔らかい、月、女性などなどの性質です。
「陽」のグループに分類されるものは温かい、明るい、大きくなる、乾いている、動的、硬い、太陽、男性などなどの性質です。

こうして世界を二元性で解釈することで疾病や健康を理解・解決していたわけです。
そして、季節も陰陽で考えるわけです。日本には四季があるわけですけれども、なんとなくお分かりになるかもしれませんが「陽」の季節は夏です。そして「陰」の季節は冬です。では「春と秋は?」となるわけですが春秋は移行期間ということです。

秋は、夏から冬へと、暑い季節から寒い季節へと切り替わるわけで、陰気が強まり、陽気が衰える季節と考えます。これを踏まえた過ごし方をしないと秋冬に体調を崩しやすくなってしまいます。対策としてはわかりやすく、冷えないようにすればいいのです。

漢方で考えますと、体を温める漢方薬を使用していくことになります。
身体を温める薬は西洋薬には存在しない(と思われます)ので、こういうところが漢方薬が西洋医学よりも優れている点です。

身体を温める漢方薬は無数にあるわけですが、代表的なものをいくつかご紹介しますと

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
…しもやけの薬として有名です。動脈の血行を良くすることで、冷えによる腹痛や頭痛を改善します。

麻黄湯(まおうとう)
…コロナやインフルエンザなどの感染症の初期に悪寒、戦慄、関節痛などの症状が強い場合に使用されます。実際に臨床では使用する出番があまりないんです。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
…麻黄湯よりも使用する機会が多いように思います。もともと虚弱で冷え症な人が風邪をひいたりインフルエンザになった際に、たいして熱も出ず、なんとなく怠くて動く気にならない、そんなときに使用します。ご高齢者に使用することが多いです。のどがチクチク痛い風邪にも良く効くので、虚弱とか高齢者とか関係なく使用される場合もあります。

真武湯(しんぶとう)
…当ブログでもたびたび登場する真武湯。漢方的には腎が衰えて新陳代謝が低下している人のさまざまな症状に有効です。真武湯をうまく使えるようになると脱漢方初心者という印象です。

また、旬の食材を食べることで体調を季節に合わせて調整しやすくなります。秋に旬の食材と言えば、イモ・栗・かぼちゃでしょう。これらの食材には、体を温める作用があります。もちろん温かい料理として摂取したいものです。行楽地ではソフトクリームやパフェなどの冷たいスイーツが盛んに売られているのですが…漢方医としてはちょっと心配なのです。

自然に逆らわず、自然の恵みを享受しながら生活すれば、おのずと季節に適応した体作りができるというものです。

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