今回は「頭痛には胃薬を」第3弾です。 そういえばかき氷を食べて頭がキーンと痛くなる…あれはまさしく胃の冷えに由来する頭痛なので、事前に胃を温める漢方薬を内服しておくと予防できそうな気がしますね。 さて効果・効能に「頭痛」がある漢方薬を挙げると五苓散、呉茱萸湯、半夏白朮天麻湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、苓桂朮甘湯、釣藤散、五積散、桂枝人参湯、川芎茶調散あたりでしょうか。 これまでにご紹介した漢方薬もいくつかありますね。 五苓散や半夏白朮天麻湯、苓桂朮甘湯は「水を動かす」ところに力点があります。 これらの漢方薬を処方する人にはめまいがあることも多いです。どちらも水の巡りの問題なのですね。 呉茱萸湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯、五積散は「冷え」の対策を重視した処方です。 呉茱萸湯はひどい片頭痛で嘔気がする人に処方するイメージです。当帰四逆加呉茱萸生姜湯には呉茱萸が含まれていますが、こちらは冷えによる諸症状に出番が多い処方です。五積散(ごしゃくさん)はちょっと特殊で、使い方がわかりにくい部分があります。クーラー風邪に使うことが多いと思います。ちなみに当院の患者様には今シーズンの処方はありませんでした。 釣藤散は動脈硬化に関連した高血圧や頭痛などの症状を目標に使用しますが、胃腸虚弱がポイントです。やっぱり胃薬の要素が入っているのですね。川芎茶調散は「頭痛で始まるカゼ」の薬です。でもカゼをひいたときには頭痛が出ることは多いですよね?実際、カゼやインフルエンザなどの急性熱性疾患に使用する漢方薬には、症状として頭痛が含まれているものもたくさんあります。例えば麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、柴胡桂枝湯などなど。そして最後に桂枝人参湯。頭痛を治療する胃薬です。こちらは胃腸が弱い人の冷えに関する下痢や頭痛を目安に処方します。 こうして見てみると、漢方診療における「頭痛」の要点として「冷え」と「胃腸虚弱」と「水の動き」が重要であることに気が付きます。 漢方では、生まれ持った生命エネルギーと、食事を通して後天的に獲得する生命エネルギーの2種類のエネルギーを軸に考えます。生来のエネルギーには限りがありますが、食事からは必要な分のエネルギーを補充できるので、後者のエネルギーがとても重要になります。 胃腸が弱い人というのは、後天的にエネルギーを獲得することが不利なので病気にもなりやすく、漢方でも胃腸を元気にすることが重視されています。 頭痛についても同じです。食事からのエネルギーを十分に獲得できないと、体温を高めることができないので冷えに弱くなります。そうすると内臓機能の低下や血行不良を生じるため、血液循環が悪くなれば水の巡りも必然的に悪くなる、ということです。 これまでにご紹介した漢方薬は胃腸を元気にして冷えに強くなり血行や水の巡りをよくすることで様々な症状を改善しよう…という狙いをもって設計されているものが多いですので「頭痛には胃薬を」という、西洋医学だけしか知らないとチンプンカンプンな話になるのですね。 いつの日も こころ楽しく すこやかに ⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩ 【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff Twitter ▶ @SukoyakaNaika Facebook ▶ 「新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック」で検索👆 LINE ▶ sukoyakaclinic または https://line.me/ti/p/7m5HhKojPR ☆LINEから受診予約やお問い合わせができます☆
あれはまさしく胃の冷えに由来する頭痛なので、事前に胃を温める漢方薬を内服しておくと予防できそうな気がしますね。
五苓散、呉茱萸湯、半夏白朮天麻湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、苓桂朮甘湯、釣藤散、五積散、桂枝人参湯、川芎茶調散
あたりでしょうか。
実際、カゼやインフルエンザなどの急性熱性疾患に使用する漢方薬には、症状として頭痛が含まれているものもたくさんあります。例えば麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、柴胡桂枝湯などなど。