新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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花粉症 ~くしゃみ・鼻水~

秋の訪れとともに、花粉も飛び始めたようです。 
長年、花粉症に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
 
花粉症治療の第一選択は抗ヒスタミン剤だと思います。最近の製剤は眠気も生じにくいし、1日1回の内服で済む製剤も販売されておりとても便利ですね。
 
とはいえ、抗アレルギー剤が「効かない」という方や「体質改善して花粉症を治したい」と仰って受診される方もいらっしゃいます。

花粉症に使用する漢方薬として有名なのは「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」ではないでしょうか。
本来は喀痰や鼻水など水っぽいものが多い気管支炎や気管支喘息に対する処方ですが、「水っぽさ」に注目して花粉症に応用されるようになりました。
くしゃみ、鼻水の多い花粉症の方には有効だと思います。

小青竜湯には「麻黄(まおう)」という生薬が含まれています。
麻黄はエフェドリン作用のある生薬なので、鼻水を止めて気道を広げてくれる効果があります。また、覚醒効果もあるため「眠くならない花粉症薬」として漢方薬が好まれる理由でもあります。
しかし、麻黄含有剤は諸刃の剣であるとも言われます。
添付文書を読みますと、心疾患や高血圧のある方には使用注意とされています。エフェドリン作用の効果で、動悸が生じたり血圧が上がってしまい、もともとの持病である心疾患が悪化する可能性があるのです。

また、小青竜湯はどちらかと言えば体力のある人向けの処方ですので、小青竜湯が合わない方もいらっしゃいます。そのような方の場合、風邪や上気道炎の際にあまり熱が出ず、寒気が強く、水っぽい鼻水は多量に出る…といった傾向があります。そしてこういった方は基本的に胃腸も弱いのですが、胃腸が弱い人が麻黄含有剤を内服すると、余計に胃の調子が悪くなることがあります。 

心疾患のあるため小青竜湯が使いにくい方、胃腸が弱くて低体温で虚弱、それでいて水っぽい鼻水が多量に出るようなタイプの方の花粉症には「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)」を使用します。こちらも水っぽい感じのカゼや気管支炎、喘息に使用する漢方薬です。

小青竜湯と苓甘姜味辛夏仁湯はウラオモテの関係にあるなどと表現します。
実はメーカーさんもこの2つの漢方薬の使い分けを心得ていらっしゃいまして
小青竜湯は19番、苓甘姜味辛夏仁湯は119番という具合に、漢方製剤の番号でも裏と表を表現されています。 
漢方製剤には番号が振り分けられていますが、このような「含み」を持たせた番号というのもいろいろとあるので、そのうちブログにしたいと思っています。 

鼻水とくしゃみが主な症状の花粉症には小青竜湯や苓甘姜味辛夏仁湯が有効ですが、ほかにもさまざまな漢方薬が花粉症治療に応用されています。
特に目のかゆみの症状が強い場合には、小青竜湯よりも効果があるものがあります。

ごくまれですが、漢方薬を飲んでいるうちに花粉症が治ってしまう方もいらっしゃいます。
花粉症はファスティングやいわゆるデトックスで体内に蓄積した老廃物を排泄したり、自律神経や身体各臓器の機能を整えると治まってしまうこともあります。そのような場合でも食生活に気をつけていないと再燃するケースがあります。ですので、花粉症には生活習慣を改善することが一番効果的なのかもしれませんね。

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