こんにちは!
朝晩は半袖で過ごしていると寒く感じるようになりましたね。
今回は花粉症②です。
前回は鼻水やくしゃみが主症状の花粉症に対する漢方治療の話でした。今回は「目」の症状が主体の花粉症治療です。
花粉症で苦しんでいる方々は、花粉の時期になると目がかゆくてかゆくて仕方がない、取り出して水洗いしてしまいたいなんておっしゃいます。
それほどまでに大変不快な症状だということですね。
花粉症による目の熱感、かゆみ、流涙には、小青竜湯ももちろん効果があります。
アレルギー性結膜炎は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)の保険適応にもなっています。
しかし、小青竜湯ではちょっと効果が不十分…という方もいらっしゃいます。
そのような場合には越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を使うことが多いです。
越婢加朮湯は「石膏」という生薬が入っていて、これが清熱作用を発揮します。そのため、炎症による熱感を伴う症状が強い場合には石膏含有薬の方が効果を発揮する印象があります。
越婢加朮湯は本来、腎炎やネフローゼ、脚気、関節リウマチなどで体がむくんで汗も多量に出る病態を治療する漢方薬です。
また、瞼にできる翼状贅片の治療に使うことも専門家であれば知っています。
そんなこともあり、眼の充血や眼瞼のむくみと炎症の治療に応用されています。
苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)は別として、花粉症に使用する代表的な漢方薬である小青竜湯や越婢加朮湯、それに葛根湯(かっこんとう)などの漢方薬に共通するのは「麻黄」という生薬です。
前回は触れませんでしたが、「麻黄(まおう)」には抗ヒスタミン作用があります。
しかし、そればかりではなくエフェドリン作用もあるため西洋薬と違って眠くなりません。
このように考えていると、今度は麻黄を含有していない苓甘姜味辛夏仁湯で花粉症が治まることが不思議に思えてきますね。
西洋医学では「花粉症」「アレルギー性鼻炎」とひとくくりにして診断してしまいますが、花粉に対するアレルギー反応の出方が人それぞれ異なるのでしょうし、きっと「花粉症」の中にも異なる病態がいくつも混ざっているのだろうと思います。
漢方薬は、一つの生薬の中にも複数の薬効成分が含まれていますし、さらに複数の生薬を組み合わせることで人体全体のバランスをうまく調整するよう設計されています。
現代のように成分分析が存在しない時代にこれほどまでに絶妙なバランス感覚で漢方薬が生み出されてきたのですから、先人の知恵と努力には感服する以外ありません。
2000年かけて出来上がった漢方の道は果てしなく遠くどこまでも続くようです。
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