あまり喜ばしいことではないですが、「コロナうつ」という言葉もだいぶ一般化してきたように思います。 世間の風潮としても、思うように外出できないため、運動不足にもなるしストレスも溜まる… 長引く自粛生活は少しずつ心身をむしばんでいきます。 当院を受診される方のお話を伺っていると「コロナが始まってから…」と話される方が多くいらっしゃいます。 新型コロナウイルスは確かに私たちの生活に大きな変化をもたらしました。もしかしたら今感じている心身の不調は「コロナうつ」の一部なのかもしれません。 漢方においては、ストレスが溜まると気のめぐりが悪くなってしまい「気鬱(きうつ)」や「気滞(きたい)」という状態を招くと考えます。 漢方では人体を気がめぐっていると考えます。まるで電化製品の中を電気が流れているようなイメージです。 「気鬱(きうつ)」「気滞(きたい)」ではその「気」のめぐりが、どこか一点に留まってしまうのですね。 「気滞」の症状として有名なものが「喉がつまる感じがする」「飲み込みづらい」「喉になにか引っかかっている感じがする」というものです。 これらの症状をみたら何も考えずに 「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」を処方したくなってしまいます。半夏厚朴湯は気滞治療の代表的な処方薬です。チャクラの話をすると、のどのところは第5チャクラの位置で、コミュニケーションに関するチャクラなんだそうです。チャクラも漢方における「気」と似たようなものですから、のどの症状は第5チャクラの不調であり、おそらく「言いたいことも言えずにガマンしているストレス」が喉の症状として現れてくるのではないかと思います。以前、ある患者さんにこの話をしたところ、その場で少し考えて「あっ!」という顔をしたと思ったら「そっか!わかりました。もう大丈夫です!」と言って帰っていかれた方がいました。何か思い当たる節があり、それがわかって解決できたそうです。 また、気滞の状態にさらにストレスがかかっている状況や胸腹部に炎症が生じているような状況で、肋骨周りが固くなっている場合があります。 このような場合には小柴胡湯(しょうさいことう)と半夏厚朴湯を合わせた柴朴湯(さいぼくとう)という漢方薬を処方したりします。小柴胡湯が肋骨まわりの炎症を治めてくれます。 「喉になにか引っかかっている」ことを漢方の古典では「梅核気(ばいかくき)」と表現しています。梅干しのタネが喉に引っかかってしまっているという表現なのですね。 西洋医学的な分析によると、精神的な要因でのどの周囲の筋肉が硬直気味になってしまうことを「何かはさまっている」という風に自覚するようです。東洋医学のある有名な先生の書籍には、半夏厚朴湯は「硬い印象のひと」に向いているという記述がありました。なるほど、心も喉も硬くなってしまうタイプのひとがいらっしゃるんでしょうね。当院にいらっしゃった方の中で、印象的な梅核気の症状を訴えた方は「ビタミン剤を飲むときだけ喉にひっかかって上手く飲み込めない」と話しておられました。とても興味深い症状ですね。もちろん(?)半夏厚朴湯を処方し、その症状は改善されました。ある本を読んでいたときに「梅核気は香蘇散(こうそさん)で治す」ということが書いてあって驚いたことがあります。香蘇散はカゼで気うつになっているときに使うのが典型的です。軽いうつ症状にも効果があります。しかし、梅核気といえば半夏厚朴湯という認識だったので、この時はとても驚きました。香蘇散を使う状況はどちらかと言えばみぞおちが気持ち悪いことが多いのです。しかし、香蘇散も半夏厚朴湯も気うつ(気滞)の治療薬ですから、のどの症状ばかりでなく全身的なことを考えて適切に使いたいものです。古典を読んでいると、漢方医学が作られていった時代や社会、文化的背景を知ることができます。 2000年も前に、身近な植物や鉱物を上手く組み合わせることで心身のバランスを治療してきた漢方医学…。 気血水(きけつすい)理論や陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)などの理論や思想的背景が正しいかどうかは別として、完成度がとても高い医学体系であると思います。 いつの日も こころ楽しく すこやかに ⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩ 【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff Twitter ▶ @SukoyakaNaika Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック LINE ▶ sukoyakaclinic または https://line.me/ti/p/7m5HhKojPR 👉LINEから受診予約やお問い合わせができます♪
「気鬱(きうつ)」や「気滞(きたい)」という状態を招くと考えます。
「喉がつまる感じがする」「飲み込みづらい」「喉になにか引っかかっている感じがする」というものです。
とても興味深い症状ですね。もちろん(?)半夏厚朴湯を処方し、その症状は改善されました。