38℃を超えるような発熱があるのに、体が寒くてガタガタと震えてしまい、あちこちの筋肉や関節が痛い…
「これはもしかしてインフルエンザ?」と思ってしまう症状ですよね。
もちろんこの状況でさらに咳や痰が出て呼吸が荒く苦しければ呼吸器系の感染症でしょうから、まずインフルエンザを疑います。
現在は優秀な抗インフルエンザ薬があるのですが、2000年前にも当然インフルエンザはあったので漢方で治療していました。
インフルエンザに対する漢方薬といえば「麻黄湯(まおうとう)」が有名です。
麻黄湯を内服するべき状態は、上記の「発熱」「悪寒」「身体疼痛」に加えて、汗をかいておらず、手首のところで脈を触ってみると表面に近いところで強い脈を感じるような状態のときです。
麻黄湯の中心生薬である「麻黄」にはエフェドリン作用のある成分が含まれています。エフェドリンは交感神経を興奮させます。その結果、血圧があがったり脈が早くなったり、気道が広がったりします。
逆にエフェドリンのせいで興奮して眠れなくなったり、尿道が狭くなって尿が出づらくなったりすることがあります。また、心臓を刺激して働かせるため、心疾患がある方には非常に気をつけないといけない薬です。
麻黄湯という漢方薬のポイントは、麻黄と桂枝という生薬のはたらきで、皮膚の汗孔が開いて発汗するようになる点です。
麻黄湯を処方する状況は「汗をかいていない」状態でした。汗を出すようにすることで、病気の原因のエネルギー(漢方では「邪」と表現します)を体内から体外へと追いだせると考えていたのです。
かつて「汗かいてー汗かいてー」という風邪薬のCMがあったのですが、麻黄湯を使うようなカゼやインフルエンザのかたが発汗をし始めると治る方向に向かっていること物語っています。今になって納得してしまいました。
感染症を漢方で治療するうえで大切な点は、病気(感染症)の原因微生物がなんであれ、感染症として現れる人体の反応(症状)のパターンは決まっているということです。
ですので、インフルエンザだから麻黄湯を処方するのではなく「麻黄湯が適している状態だから麻黄湯を処方する」というのが漢方のやり方なのです。
結局は、身体が自力でバランスを取り戻そうとしている反応を助けてあげて、もとの健康な状態にしようと働きかけるのが漢方薬なのです。
漢方的な治療では「熱が高かったとしても寒くて震えているなら体を温める」ということをします。「寒く感じているのか熱く感じているのか」は漢方診療においてとても重要なことです。
今からおよそ100年前、世界的に流行した新型インフルエンザ(いわゆるスペイン風邪)のときには多くの方が亡くなりましたが、その理由の一つが「熱が高いのだから(寒いと感じていても)解熱するべきだ」という対応を西洋医がしたことにあると言われています。
当時の漢方医はもちろん漢方薬で対応し、葛根湯(かっこんとう)や小青竜湯(しょうせいりゅうとう)や香蘇散(こうそさん)などの基本的な漢方薬に生薬を加えてアレンジすることで対応していました。
煎じ薬であれば病人一人一人に合わせていくらでも微調整できてしまうあたりが漢方診療の強みであると思います。
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