新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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カゼをひいたら喉にネギを巻きましょう【おばあちゃんの知恵袋】

カゼをひいたときには、焼いたネギをタオルで包み、のどに巻いてゆっくり休みましょう。

これはいわゆる「おばあちゃんの知恵袋」と言われるもので、生活の中から得られた成功経験や工夫のひとつです。
昔は24時間営業のコンビニもありませんし、夜間や休日においそれと病院に行くこともできませんでした。農村部などでは、身近にあるもの、手に入れられるものでどうやって健康を維持していくか、病気と向き合っていくかの知恵と工夫が大切でした。

かつての日本社会では、女性(母親)が家庭の運営を取り仕切っていましたので、日常生活で生じるさまざまな経験、トラブルシューティングの集積として「おばあちゃんの知恵袋」が生まれるのです。
「お母さん」が「おばあちゃん」になるころには日常生活のトラブルは「おばあちゃんに聞けばなんとかなる!」ということになっていたのです。

「おじいちゃんの知恵袋」は聞いたことがありませんので、父親(男性)はせっせと肉体労働をして、年をとったら女性よりも先にお迎えが来ていたことの反映でしょうか?

残念ながら、核家族化が進んだりコンビニや薬局も24時間営業になったりしたので、おばあちゃんの知恵袋は失われていったように思います。
近年みかけるさまざまな「生活のアイディア」などの多くは、かつてはおばあちゃんの知恵袋に入っていた生活常識の一つだったように思います。
こういった家庭レベルの文化や習慣が徐々に失われてしまっていることは大きなマイナスではないでしょうか?
今は何か調べものがあればスマホで検索すればそれで済んでしまいます。しかしその一方で無機質で人間味のない社会に向かっているような印象も受けます。

さて、ネギには抗菌成分や抗炎症成分が含まれているので、ネギを焼いて揮発する有効成分を吸引することで鼻、のど、上気道のカゼや炎症を鎮めることに役立ちます。もちろん、これは対症療法的な対応ではありますが、ネギには体を温める効果もありますし、ちょっとしたカゼくらいなら後はゆっくり寝ていれば人間の自力で治すことができました。

ネギを使った漢方薬というものも実はあります。
白通湯(はくつうとう)」というものです。これは保険製剤の「四逆散(しぎゃくさん)」の中の「甘草(かんぞう)」という生薬を「葱白(がいはく)」という生薬に替えたものです。葱白は新鮮なネギの根部に近い白い茎の部分です。辛味があって体を温め、内外・上下の気の流れを改善します。
白通湯は脾(消化器)と腎の気を助けるとともに、葱白で心脾腎の気を交通させることで強い虚寒性の下痢を治療します。冷えることで生じる下痢というものがあるのですね。

冷えによって生じる下痢の治療には、このほかにも「真武湯(しんぶとう)」や「啓脾湯(けいひとう)」などの漢方薬も使います。
意外と知らない方が多いのですが、エキス剤の100番としておなじみの「大建中湯(だいけんちゅうとう)」も腸の冷えによる下痢に使用します。

「大建中湯=手術後腸閉塞」のようなイメージが広まっていますが、本来は大腸が冷えて痙攣性の蠕動不良を生じたために痛みと下痢や便秘などの便通障害が生じているときの治療薬です。
漢方の本には「お腹を見ていると腸がムクムク動いているのが見える。まるでタコの足のようだ。」なんて面白い記述がありますが、時代を超えてとてもよくわかる優れた表現ではないでしょうか。

カゼの話をしていたのに下痢の話になってしまいました。
「カゼは万病のもと」と言います。お気を付けください。


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