新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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ブログ

健康のこと、日常のことなどを発信しています。

7月1日は半夏生

2025/7/1
7月1日は「半夏生(はんげしょう)」という季節の節目です。これは、雑節のひとつで、夏至から数えて11日目頃にあたります。農家にとっては田植えの締めくくりの時期であり、自然のリズムとともに生活していた昔の人々にとって大切な目印でした。

半夏生の「半夏」は漢方薬の生薬です。
和名はカラスビシャク。サトイモ科の塊茎です。まさしく半夏生の頃によく生じてきます。作用としては制吐作用、鎮咳去痰作用、鎮静作用などがあります。
数多くの漢方薬に組み込まれていますが、とりすぎると嘔気を生じることがありやや有毒性とされています。

通常ならこの時期は梅雨が続き、気温と湿度がともに高くなります。
漢方では、このような「湿邪(しつじゃ)」が体に入り込むことで、さまざまな不調を引き起こすと考えます。特に胃腸(脾胃)の働きが弱りやすく、食欲不振、胃もたれ、倦怠感、むくみ、頭重感などの症状が現れる方が増えてきます。

こうした季節には湿気を払い、胃腸の働きを助ける食材や生活習慣を取り入れることで、体調を崩すことを防ぐことができます。
たとえば、はと麦、とうもろこしのひげ茶、小豆、生姜、紫蘇などの利水・健脾作用を持つ食材は、湿を外に出し、消化機能を整えるのに役立ちます。また、冷たい飲食を避け、温かいお粥やスープを摂ることも、脾胃の負担軽減に効果的です。

さらに、軽い散歩やゆったりとした入浴で汗をかき、体内の湿を外へ出すのも良い養生法です。ただし、過度な運動や冷房の当たりすぎには注意が必要です。

「半夏生」は単なる暦の名前ではなく、自然と身体のバランスを見つめ直すきっかけとなる時期です。日々の生活に少しだけ漢方の知恵を取り入れ、自分の体と丁寧に向き合ってみてはいかがでしょうか。

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日本東洋医学会学術総会参加報告

2025/6/8
6月7日(土)は臨時休診とさせていただき、日本東洋医学会定期学術総会に参加してきました。

今回は、一般演題(循環器②)にて、高血圧症に対する駆瘀血剤の演題発表をいたしました。非常にご高名な先生からもご意見を賜りまして身の引き締まる思いをいたしました。

シンポジウム(学会の目玉企画)や教育講演、その他一般演題などなど時間の許す限り聴講し、たくさんの知見を得ることができました。

また、ランチョンセミナーでは赤外光を用いた星状神経節ブロック治療について第一線の先生の治療経験を学ばせていただきました。星状神経節ブロック治療は自律神経失調症をはじめ200以上の疾病に対して有効であるとのことでした。赤外光を用いた治療ですと当院ではVieLight(ヴィーライト)を採用しておりますが、実は両者の源流は同じ海外の著名な医師であることを知ることができました。

企業展示ブースでも皆さまにご提案する価値のある健康食品や医療器具の情報を収集して参りましたので、今後当院での商品展開にご期待ください。

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プラークが消えた!

2025/5/27
「コレステロールが高いと血管にこびりついて動脈硬化になってしまいますよ」
こんな説明を受けたことはありますか?

動脈硬化は動脈の血管壁が石灰化してしまう状態です。本来柔らかく伸び縮みするのが血管ですが、石灰化してしまうと伸び縮みしなくなってしまいます。体中の血管が硬くなってしまうと、血行が悪くなったり血圧が上がったりしてしまいます。
この石灰化(動脈硬化)の成因として、血管壁が傷ついたところにコレステロールがこびりつき、プラークというヘドロの山のようなものが出来上がってしまいます。血管のあちこちでプラークが形成されると血流が悪くなってしまい、これが脳梗塞や心筋梗塞の一因ということになります。

さて、動脈硬化はできあがってしまうと元に戻すことはできません。それどころか、プラークですら「元に戻らない」というのが現在の一般的な見解です。
しかし、実際には食生活や投薬によってプラークは消滅することがあります。プラークのチェックには頸動脈エコーがわかりやすく、健康診断や人間ドックなどでもよく実施されています。保険診療でも頸動脈エコーを実施することは可能です。

ある女性が健康診断で「コレステロール高め」「頸動脈プラーク数mm」と診断されたため当院を受診されました。
LDLコレステロールはやや高めですが200mg/dl以下、中性脂肪は基準値内に収まっている状況でした。こんな時、当院では食生活の改善とビタミンE製剤の内服を第一におこないます。

ビタミンEは抗酸化作用の強い脂溶性ビタミンであり、血液中のコレステロール等の脂肪酸が活性酸素によって過酸化脂質になるのを防いでくれます。高脂血症や高コレステロール血症、動脈硬化などに保険適応がきちんとあります。もちろん食事でせっせとビタミンEを摂取するのもアリです。

中性脂肪も高値であれば、酸化ストレス対策としてオメガ3脂肪酸も当院では併用しています。オメガ3脂肪酸もサプリメントでよく売られていますが、青魚や亜麻仁油、えごま油などの食品からもきちんと摂取することができます。

さて、今回の女性の患者さんですが、ビタミンEを半年ほど内服したところで偶然にも頸動脈エコー検査を受けるタイミングがあり、検査したところ頸動脈のプラークは消えてしまっていたそうです。
主治医からは「プラークは消えない。進行しないように予防するしかない。」と説明されていたそうで、ご自身もプラークが消えるとは思っていなかったため大変驚いていらっしゃいました。確かに、小さいプラークだったので消えやすかったのだと思います。それでも食生活を積極的に見直して努力されたことも、大変意義のある努力でした。

人間ドックや健康診断に対して批判的な意見もよく見かけます。
しかし、自身の健康状態を定期的にチェックすることは社会生活を送るうえで大切なリスクヘッジです。
おそらく問題となるのは、健康診断の結果を適切に解釈し、また、異常や問題があった場合には適切な対処(日常生活の修正)をすることが難しいという点だろうと思います。

現代の医学(西洋医学)では、目標となる数値の改善が治療の目的となってしまい、そのための薬物治療が直線的に診療報酬と直結していることが問題なのではないかと思います。医師の側からするとせっせと患者指導をしても骨折り損のくたびれ儲けになってしまうのです。
そこを解決するために管理栄養士に生活指導をしてもらうことで加算が付く場合もありますが、それがまたスズメの涙になってしまっているので国家資格を取ったにも関わらず管理栄養士さんは不遇を強いられています。

こういった視点が厚労省にあればいいのですが🌀


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寝ながらお経を唱えている…

2025/4/29
レム睡眠行動障害という疾病があります。
レム睡眠という浅い眠りの状態のときに、大声を出して暴れたり、寝床から起き上がって食事をしたり、トイレに行ったりするのですが当の本人はまったく覚えていないというものです。行動と夢の内容が一致していることが特徴のようですが、詳細は精神科専門医の先生のブログなどご確認いただければと思います。

今回は50代の方から「家族にお経を唱えていてうるさいから止めてもらえと言われた」というご相談を受けました。

さて、「寝ながらお経を唱えている」というのは単なる寝言の範疇を超えてレム睡眠行動障害のように思えるのですがどうなのでしょうか?

悪霊に取りつかれている、というようなことではないのですが、毎夜毎夜寝ながらお経を唱えているとしたら相当なストレスなのだろうなぁと思うわけです。

そこで、(その他もろもろ問診や診察をした結果として)抑肝散(よくかんさん)という漢方薬を処方しました。その日からお経を唱えなくなったそうです♪

抑肝散は、漢方としては肝気の高ぶりを抑える漢方薬です。肝気とは交感神経だと思っていただくとわかりやすく、つまり抑肝散は交感神経の緊張を緩和する薬だということになります。

睡眠は交感神経が鎮まり、副交感神経が十分に優位になることで、いわゆる質の良い睡眠となります。今回、抑肝散で”寝ながらお経”が改善したことから、レム睡眠行動障害はレム睡眠期において交感神経がやや強いことで生じる可能性があると考えられます。

漢方薬には自律神経のバランスを適正化する作用をもつものが多くありますので、その人の状況によって適切な漢方薬を使用することでレム睡眠行動障害を改善できると考えています。しかし、当院での治療経験として漢方薬でも向精神薬でもどうにもならず、精神科病院にお任せした患者様もいらっしゃいます。

漢方薬で精神科領域の疾患を治療するときに思うのは、漢方薬は良くも悪くもバランスを取りながら効かせる薬なので、効果不足を感じる場合も多々あるということです。
非常に否定的な意見も多くありますが、時と場合によっては向精神薬を適切に使用して強制介入しなければどうにもならない状況があるというのも率直な感想です。ただ、そういう時にすぐに受診できる精神科医院や病院がないという医療供給側の問題もあるのですが。。。


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桜にまつわる漢方薬⁉

2025/4/10
日本各地で桜が満開となっています。
今回は桜にまつわる漢方薬の話をご紹介いたします。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」という漢方薬があります。
炎症を伴う皮膚疾患であれば何にでも使用できるくらいバランスが良い漢方薬です。

この漢方薬は、出典の違いから桜皮(おうひ=ヤマザクラの樹皮)配合と樸樕(ぼくそく=クヌギの樹皮)配合のものがあり、製薬会社によって実は生薬構成が異なっています。

桜皮エキスにはエストロゲン産生を促進する成分があることが確認されています。エストロゲンは女性ホルモンです。このため、皮膚表面においてエストロゲンが増えたほうが良い状況では桜皮を使っている十味敗毒湯のほうが有利に思えます。

私個人としては、女性の皮膚疾患では桜皮を含有する十味敗毒湯を選択することが多いです。

では樸樕を使用している十味敗毒湯には使い道がないのでしょうか?

男性の壮年性脱毛症(AGA)では、頭皮における悪玉テストステロンの活性が高まることで脱毛が促進されてしまうことが病態であると考えられています。ふつうのテストステロンを悪玉テストステロンに変換してしまう酵素が「5αリダクターゼ」という酵素で、この酵素には2つの型があります。

樸樕はAGAにおいて特に重要なⅠ型5αリダクターゼを阻害する働きがあります。
対して桜皮はⅠ型とⅡ型の両方を阻害する働きがあります。

そのため、余計なお世話ではあるのですがAGA傾向の男性の場合には樸樕を使用している十味敗毒湯を意識して選択しています。

樸樕は十味敗毒湯以外の漢方薬にも含まれています。
その1つが治打撲一方(じだぼくいっぽう)という漢方薬です。

AGAの治療を漢方薬だけで行うのはかなりの難題なのですが、男性の脱毛症のご相談をいただいた場合で、瘀血の兆候が目立つ患者様の場合には個人的には治打撲一方を駆瘀血剤(抹消血流改善)として使用しています。

桜皮と樸樕は漢方の古典には登場しない生薬なので、上記のように近年の成分分析の結果に基づいた使い分けをしています。

漢方薬の生薬1つにも数十種類の薬理成分が入っています。それらを丹念に細かく解析していき、主要な生薬の分析が出そろったところでビッグデータ解析をおこなうことで、漢方薬の新しい使い方や適応疾患が見つかっていくのではないかと期待に胸を膨らませている毎日です。


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