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”春うつ”には香蘇散

2024/4/10
春うららか、桜満開な今日この頃ですが
よくよく考えると春というのはけっこう過酷な季節です。
花々が咲き誇り、蝶が舞い、鳥はさえずりますが…皆、熾烈な生存競争を繰り広げている真っ最中です。

春が苦手な人も多くいらっしゃいます。
冬から春に切り替わるこの時期は、周期的に天候が変わります。
晴れたと思えば雨が降り、暖かくなってきたと思ったら春一番という強風が吹き荒れる…
気温の上がり下がりと気圧の変動が目まぐるしいのが春の特徴です。

コロコロと変化する環境には自律神経が揺さぶられてしまいます。
これでは「気」の流れを制御することで「気」を消耗してしまいます。
春は卒業や退職、異動や転居など社会生活上も変化をしてしまうタイミングであるため、ますます精神的にも消耗してしまいます。

そうこうしているうちになんだか眠れなくなり、食欲がなくなり、何をするにも意欲がなくなり…気が付いたら抑うつ状態になっているのが「春うつ」と呼ばれる状態です。

医学的にも、3月後半から4月前半にかけて周期的に抑うつ状態を発症することに対して「季節性うつ病」とか「周期的抑うつ」という病名があります。

「春うつ」にならないように、ぜひ予防策を講じておきたいものです。
まず規則正しい生活リズムを維持することが大切です。子供や学生であれば春休みの季節なので、つい生活リズムが乱れてしまいがちです。大人では歓送迎会でついつい夜更かししてしまいがちです。しかし、自律神経のバランスをキープするために、早寝早起きの生活リズムをできる限りキープすることが大切です。

食事ももちろん大事です。というか、春の行楽で甘いものばかり食べないように気を付けましょう。
春はイチゴや桜の風味の、色鮮やかなスイーツがたくさん登場します。スイーツばかり食べていると高血糖→インスリンの大量分泌→低血糖→コルチゾールやアドレナリンを分泌して血糖を回復させようとする…という負担を体にかけ、これによって自律神経を必要以上に揺さぶってしまうことになります。春のお出かけで暴飲暴食とならないように気を付けることも大切です。

「春うつ」に有効な漢方薬はあるのでしょうか?

私の個人的オススメは「香蘇散(こうそさん)」という漢方薬です。
香蘇散は紫蘇の葉を生薬として使用しています。紫蘇にはサッパリとした風味がありますが、気の流れをスムーズにしてくれる効果もあり、気分もサッパリスッキリする効果があります。

そのため、春うつで沈んでしまった気分をスッキリ前向きにしてくれることが多々あります。
頭重感やめまい感、胃腸の不調なども整えてくれる効果がありますので、春の自律神経の不調によく効いてくれます。

ぜひお試しください。


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SLEの症状に五苓散

2024/3/20
SLEは指定難病の一つであり、日本語名は「全身性エリテマトーデス」と言います。
英語ではsystemic lupus erythematosusであり、臨床では頭文字をとってSLEと略しています。SLEは特徴的な赤い発疹(紅斑)、発熱、全身倦怠感、関節炎、腎臓・肺・中枢神経などの内臓症状など全身のさまざまな臓器に多彩な症状を引き起こします。

原因は今のところ不明ですが自己免疫疾患の一種であり、全身に炎症が生じます。日本全国に約6~10万人程の患者さんがいると考えられています。有色人種に多い傾向ですが、日本では地域差はありません。男女比は1:9で圧倒的に女性に多い疾患です。月経中に症状が出現しやすいとされています。特に20-40歳代の女性に多いとされています。

紫外線、ウイルス感染、外傷、妊娠・出産、ある種の薬剤により悪化することが知られています。上述の通り、SLEでは自己免疫異常により全身的な炎症が起こり、これが内臓異常や血管障害が加わります。教科書的には、蝶形紅斑という特徴的な顔の発疹が有名なのですが、症状の軽重はひとそれぞれです。ループス腎炎、神経精神症状、心病変、肺病変、消化器病変、血液異常などは生命に関わる重要な障害になることがあります。

治療は主に副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤が使用されます。その他にも生物学的製剤なども近年では利用されています。SLEでは体中に血栓を作りやすい抗リン脂質抗体症候群を合併する場合があり、その場合にはアスピリンやワルファリンなどの抗凝固剤や抗血小板剤で血栓の予防治療をおこないます。

さて、SLEの諸症状に対して漢方薬も昔からよく利用されてきました。今回は当院で治療をされたある女性の症例をご紹介いたします。
その40代の女性はステロイドを少量使用しておりSLEはおおむねコントロールできている状態でした。しかし、顔を中心とした全身のむくみを密かに気にされておりました。

実はこの患者さんは、SLEの治療ではなく、胃の不調を訴えて受診された際に、SLEのせいで浮腫みが強いということも教えていただきました。そこで使用したのが胃苓湯(いれいとう)という漢方薬です。

胃苓湯は平胃散という漢方薬と五苓散という漢方薬が合体したものです。平胃散は胃の不調による消化不良症状などに効能があります。五苓散は体内の水の偏りを是正する漢方薬であり、とても応用性の高い漢方薬です。

さて、今回の患者さんは胃苓湯を内服することで胃腸の調子が改善するとともにSLEによる浮腫みも解消しました。そしてしばらくして内服を終了され、通院することもなくなったのですが…しばらくしてから別の症状で受診されました。

今回の症状は、SLEによる浮腫みの再燃と、小柴胡湯という漢方薬を使用すべき諸症状でしたので、小柴胡湯と五苓散が合体した柴苓湯(さいれいとう)という漢方薬を使用しました(小柴胡湯についてはまた別の機会に解説します)。柴苓湯は膠原病や自己免疫性疾患、よくわからない難病などで利用されることの多い漢方薬という個人的な印象があります。小柴胡湯という漢方薬を使用しているのですが、小柴胡湯はステロイドの減薬サポート治療の中心的な漢方薬です。

さて、そんな柴苓湯を使用することで、今回も浮腫みはスッキリ解消し、諸症状もすっかり良くなっていきました。
今回の患者さんの例ではSLEによる浮腫という症状に対して五苓散という漢方薬がよく効きました。しかし、最初に使用した胃苓湯のように、患者さんのもともとの体質の弱点をケアする治療を組み合わせたこともSLEの症状を軽快させた一因だという手ごたえがあります。

標準的医学ではどうしても対症療法中心になってしまいます。しかし、漢方治療による体質改善によってSLEのような難病でも症状を軽減させることができます。難病に対する標準治療に行き詰った方は、漢方薬もお試しになってみてはいかがでしょうか?


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過活動膀胱に有効な漢方薬もあります

2024/3/2
急に強い尿意に襲われ、ガマンすることができずトイレに行ったものの、実際にはあまり尿が出ない…
それなのにまだ尿意や違和感が続いてしまう…

このような症状はもしかしたら過活動膀胱かもしれません。
さまざまな理由が関与していると言われますが、ストレスや自律神経の乱れが原因とされることも多く(西洋医学的に明確な異常を発見できず)、あれこれ薬を飲んでもなかなかスッキリしないことの多い疾患です。

日本では1000万人ほどの患者がいると言われています。実に10人に1人です。
正確な診断のためには泌尿器科を受診し、超音波検査などで膀胱の動きなどを客観的に評価する必要があります。
一般的な治療として抗コリン薬、β3刺激薬、ボツリヌストキシン注射などがありますが、無効な場合には漢方薬が使用されます。

当院を受診された60代女性。
泌尿器科へ通院中で、非神経因性過活動膀胱と診断されており、β3刺激薬を内服中でした。しかし、日中もトイレの回数が多く尿意を我慢できないため生活には大きな支障となっていました。

β3刺激薬が効いていないようなので内服を中止し、漢方医学的に診察した結果、八味地黄丸を処方しました。
さて、1年ほど内服された後、トイレ行く回数は減り、以前よりも排尿について気にならなくなっている、我慢できるようになっているとのことで治療効果を認めました。

八味地黄丸は膀胱や泌尿器系に関連したさまざまな症状に有効であり広く応用されている漢方薬です。胃に負担がかかりうる生薬構成なので、胃腸虚弱なかたにはあまりオススメできませんが、食後に内服するなどの工夫をすることで少量で継続利用できる場合もあります。
通信販売でもよく売られているのですが、本当にご自身に適しているか否かは漢方専門医にご相談いただければと思います。

6種複合免疫療法で髪の毛が生えた!

2024/2/17
6種複合免疫療法は6種類の免疫細胞を増殖させ、免疫製剤として点滴投与する治療法です。
現在ではガンに対する自由診療として提供されています。当院でも1年以上前から6種複合免疫療法をあつかっており、非常に多くの患者様にご利用いただいています。

6種複合免疫療法では患者さん自身の血液中の免疫細胞を約3週間かけて増殖させ、活性を高めた状態で点滴投与することでガンの退縮を試みるものです。西日本を中心に非常に多くの患者さんに利用されています。

さて、そんな6種複合免疫療法を当院で実施されていたある患者さんについて想定外の事態を経験しましたので、考察を含めてご報告したいと思います。
その患者様は中年以上のご年代の男性でした。がん治療が目的でしたので、治療開始までは一切話題に上がらなかったのですが、AGA(男性壮年性脱毛症)でした。担当医から余命宣告までされていたのですから、髪の毛なんて気にしている場合ではないですよね。

6種複合免疫療法について一通りご説明させていただき、ご同意いただいたため治療を開始しました。
数回の治療後…
なんと…

明らかに髪の毛が増えたのです。
正直、スカスカだった状態が完全にフサフサになりました。髪が伸びたわけではなく、髪の生え方からして20歳頃に髪が生えていたであろう全領域からきちんとした太い髪の毛がビッシリと生えそろっていたのです。

患者さんご自身もとても驚かれておりました。
もちろんAGAの治療薬であるフィナステリドやミノキシジルは使用していません(進行がんなのでそれどころではない)。

その後も、髪の毛は安定して生え続けていました…。

さて、AGA(男性壮年性脱毛症)は頭皮において5αリダクターゼという酵素の活性が高まり、頭皮における男性ホルモン(テストステロン)の濃度が高まることで髪の毛が抜けやすくなってしまう疾患です。治療としては5αリダクターゼの活性を落とすフィナステリド(内服薬)と、ミノキシジル(外用剤)が使用されます。フィナステリドは脱毛を予防する目的で、ミノキシジルは発毛を促進する目的で使用されています。

これがAGAの治療である、と言われているのですが、実はこれらはAGAの根本的な治療ではありません。
なぜならAGAにおいて、なぜ頭皮において5αリダクターゼの活性が上昇してしまうのか(その結果髪の毛が抜けやすくなってしまうのか)が判明していないからです。

AGAの本当の根治的治療とは、「頭皮において5αリダクターゼの活性が高まる理由」を解決することです。フィナステリドやミノキシジルは、本来は(西洋医学がお得意の)対症療法に過ぎないのです。

さてそこで、6種複合免疫療法によってAGAが完璧に完治した患者さんの事例から考えてみると…

6種複合免疫療法では6種類の免疫細胞を増幅・活性を高めて投与する治療方法ですので、細胞性免疫を強化している治療と言えます(免疫を担う細胞が主役の治療ということです)。
この治療によってAGAが治ったということは、とりあえず以下の2つの病態を推理できると思います。

①免疫細胞から放出されるサイトカインがAGAを治した。AGAでは免疫細胞が弱まることで、放出されるサイトカインの低下によって頭皮における5αリダクターゼの活性が高まってしまっている。

②免疫細胞そのものが頭皮において何らかの作用をしており、細胞性免疫が弱まることで5αリダクターゼの活性が高まってしまっている。

単純ですがこの①②の病態が推測できるでしょう。もちろん①と②が両立している可能性もあります。
それが6種複合免疫療法によって解決されると、AGAが治ったという現象が生じたのかもしれません。

つまりAGA(男性壮年性脱毛症)とは細胞性免疫の低下によって生じる1つの症状ではないかと思うのです。
これはあくまで私個人の推測ですから、今後、こういった側面でAGAの研究が進むことを待ちたいと思うのですが、こうやって病態をいろいろと考えてみると人体の不思議により一層関心が湧きますし、勉強意欲が湧いてきますね。

リウマチかな?と思ったら漢方を

2024/1/28
西洋医学では関節痛をきたす疾患のことをまとめて「リウマチ性疾患」と呼びます。西洋医学的には自己免疫性機序の関与した炎症を病態の中心として考えており、解熱鎮痛剤や免疫調整作用のある薬が使用されています。

ところで、リウマチという言葉は一般の間でも広く浸透しているように思いますが、「リウマチ」という響きは英語っぽくなく、やや聞きなれない不自然な言葉だと思いませんか?

リウマチという言葉の語源は紀元前4世紀に編纂されたヒポクラテスの書物に登場します。「病は体液の異常な流出(ギリシア語でflu、ラテン語でrheu)の結果である」と記述されています。有害な液体が流れでていきついた先で病気が生ずると考えられていました。これは体液理論なわけですが、リウマチという言葉は「病気」という言葉と同じような総称・俗称だったわけです。

その後、16世紀になり「リウマチ」という言葉が現在のリウマチ熱に対する病名として用いられるようになり、あれこれあって関節リウマチとい病名が誕生したようです。

紆余曲折を経たとはいえ、体液の異常から始まった概念が受け継がれてきているわけですので、病気の本質をとらえる感覚として体液(液体)の異常をとらえていたのだろうと思います。つまり浮腫んでいるとか、水っぽい感じをとらえていたのでしょう。

実は東洋医学では関節リウマチの病態を水毒の一種として捉えています。関節が浮腫んで腫れたり、手がこわばったりという症状は局所的な水の集積(水毒)と考えたわけです。

そのため、関節リウマチに使用する代表的な漢方薬として、桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)とか越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)などの薬は水のめぐりを改善する生薬で構成されていますし、膝変形性関節痛によく使用される防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)に至っては水の巡りを改善させることを目的に作られた漢方薬です。

このように古代の医学において洋の東西を問わず人体の病気(とくに関節痛)について、体液(水)の異常であるという共通認識をもっていたことは非常に興味深いと言えます。

水を巡らせて関節痛を治すという発想は西洋医学にはない発想ですし、漢方がさまざまな関節痛に有効な理由でもありますね。

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