新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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理解されにくい手足の「ほてり」のお悩み

手や足が異様に熱をもって不快な感じがする…
「ほてり」は見た目でわかりにくく、他人からはなかなか理解してもらえないつらい症状のひとつです。
冷えるのも問題ですが、かと言って熱をもってしまうことも問題です。

漢字では「火照り」と書くことからも、火で炙られているかのような不快さが伝わってきますね。

「ほてり」は何をするにしても気になってしまうのですが、特に夜になって寝ようとすると手や足の熱さが気になって眠れなくなってしまいます。不眠症として受診される方の中にも、不眠の原因がほてりである方が一定数いらっしゃいます。

「ほてり」の悩みはご本人にとっては深刻ですが、「ほてり」を感じていない人からは理解を得にくい症状であり、人知れず悩んでいるかたも多いのではないかと思います。

東洋医学では手足のほてりの原因となる熱そのものが増えている病態や、熱を調節する力の不足と捉えることが多いようです。

手や足のほてりに対する代表的な漢方薬が三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)です。
これは熱を制御する力の不足をカバーする薬です。
この漢方薬の説明を探してみると、陰とか津液(しんえき)という言葉が登場すると思うのですが、これらの言葉は中国医学と日本の漢方ではやや意味するところと使いかたに違いがあるのでそれを知らずに読んでいると混乱を招くかもしれません。

さて、三物黄芩湯はその名の通り地黄(じおう)・黄芩(おうごん)・苦参(くじん)の3つの生薬でできています。
すべて体の熱を冷ます効果の生薬です。

もともとは産褥熱に対して使われていた漢方薬ですが、現在では体にこもった熱や潤い不足で生じる皮膚のかゆみや更年期症状、自律神経の不調、不眠症などにも使用されます。

トリコモナス膣炎や白癬菌による陰部のかゆみにも使用されるようです。
手足の「ほてり」という症状を見ていてはまったく思いつかない応用の仕方ですね。

その他に手足のほてりに使用する漢方薬に温経湯(うんけいとう)という漢方薬があります。
「経を温める」という字なわけですが、経とは気や血(けつ)の通り道のことです。
手足がほてるのに血流を温めてはまったくの逆効果だろう、と思われるかもしれません。
漢方薬の解説書には、温経湯は唇が乾き手足がほてるひとの月経困難や更年期症状、湿疹やしもやけ、頭痛や腰痛に使用すると記載されています。

温経湯は漢方薬の勉強にとても役立つ漢方薬のひとつです。
気を巡らせるために温める生薬のグループ、血を巡らせるために補充する生薬のグループ、痛みをとる生薬、そして潤いをもたせるグループの生薬で構成されています。
それぞれの生薬が協同して作用することで体内のバランスを調整しながら効果を発揮しています。
この点は西洋薬をあれこれ組み合わせて使用することとは全くの別次元の薬理作用が現れており、西洋薬よりも漢方薬が優れている側面であるように思います。

長い年月をかけて先人たちが試行錯誤を続けてくれた結果として温経湯という一つの形に到達したのだと思います。
伝統を受け継いでいくことや先人たちの知恵や経験を大切にすることで現代の私たちがより漢方および人体の仕組みや健康と病気について理解しやすくなるのです。

本当にありがたいことです。


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