自治体から健康診断の通知が送られてくる季節になりました。健診ではさまざまな検査がありますが、ピロリ菌は日本において一つのトピックスだと思います。日本では「ピロリ菌は胃がんの原因」と思っている方も多いかもしれません。ピロリ菌(Helicobacter pylori)は胃の粘膜に潜って生息する常在菌の一種ですが、炎症を起こして胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発生させることがあるため、消化器内科医からは目の敵にされています。慢性的な胃の炎症は胃がんのリスクとなります。胃がんが発生しやすい下地を作ってしまうわけです。そのため、ピロリ菌が慢性胃炎を起こすと胃がんが発生しやすくなる、ということで「ピロリ菌は胃がんの原因」という誤解が広まってしまいました。正確には「ピロリ菌は胃がんのリスク」と考えられています。かつて白人諸国では胃がんが少ないのに対して日本人では胃がんが多かったことから疫学調査によってピロリ菌がリスク因子と同定されました。それ以来、ピロリ菌と胃がんが直結してしまったようです。実際、ピロリ菌の除菌によって胃がんの発生が減少するという研究もあるようですが、話はそれほど単純ではありません。白人圏と比較すると日本人ではピロリ菌に感染している人の割合が大きいのですが、有色人種内で比較した場合、日本よりもインドやアフリカの方がピロリ菌の感染率が高いのです。しかもインドやアフリカのピロリ菌は日本人のピロリ菌よりも病原性がとても強い菌なのです。にも関わらずインド人やアフリカ人では日本人よりも胃がんが少ないことは「インドの謎」や「アフリカの謎」と言われてきました。日本、インド、アフリカ諸国では気候も風土も社会環境も異なるので安直な比較はできませんけれども、しかし、日本のピロリ菌よりも病原性の強いピロリ菌に8割くらいの人口が感染しているインド、アフリカで胃がんが少ないのですから、ピロリ菌は胃がんの一要因であったとしてもそれほど大きな影響を持っているわけではないと考えられます。実際、ピロリ菌はさまざまな功罪を持っている存在です。一つにはピロリ菌は胃酸の量を減少させます。日本人は胃酸が少ない方の人種ですので、胃酸が減りすぎると消化不良を起こす可能性が高くなりますが、しかしもともとあまり肉を食べない文化圏なので胃酸が少なくても悪影響は少なかったと思われます。ピロリ菌を除菌すると胃酸の分泌量が増えるため逆流性食道炎を発症するリスクが高まることはよく知られている事実です。次にピロリ菌の存在は幼少期の免疫に影響を与えます。人間の免疫力は幼少期からさまざまな外的物質に触れていくことで鍛えられていきます。現代の日本人はあまりにも清潔すぎる環境に生きているため、免疫が十分に育まれません。ピロリ菌の存在は免疫力を育む重要な要因というわけです。日本人の場合、胃がんの最大のリスクは「食塩」であることがわかっています。ピロリ菌がいるとさらにリスクが高まるようです(うろ覚え)。日本人は世界的に見ても食塩の摂取量が多い国民ですし、化学的に合成した食塩(塩化ナトリウム:NaCl)は人体には刺激が強すぎるようです。たとえば90代や100歳の方々のほとんどはピロリ菌と共生していますが、胃がんはあまり発生していませんでした。むしろ戦後生まれ世代でピロリ菌の感染率が以前よりも減りつつあるにも関わらず胃がん(特に20代30代の若年)が増えてきていたのは、戦後の食塩の普及の影響が大きかったように感じます。食塩をやめてさまざまなミネラルが含まれている天然塩にすることで塩の摂取量を減らし、かつ十分な味わいを得ることができます。インドの場合には日常的にさまざまなスパイスを駆使した食生活を送っています。スパイスに利用されるハーブには多種多様な健康成分が含まれているものが多く、カレーのスパイスと漢方の生薬とは共通しているものがたくさんあります。ある意味でインド人(南アジアの人々)は毎日複数の漢方薬を飲みながら暮らしているようなものです。さて、人類は戦争を起こしますが、人類は戦争の原因だと言えるでしょうか?人類が戦争の原因だとしたら地球上から戦争をなくすには全人類を消滅させなければなりません。人類は戦争の要因かもしれませんが、その他の要因とのパワーバランスによって人類は永久に戦争を起こすことなく地球上で生きていくことができます。「要因」と「原因」とはこれほど異なる意味合いのある言葉です。いつの日も こころ楽しく すこやかに ⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩ 【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 ☆クリニックの日常風景やお知らせはこちらで☆ Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff ☆メッセージも受け付けています☆ Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック ☆ショップカードを作ってイベント参加しよう!☆ 公式LINEアカウント ▶ @sukoyakaclinic または https://lin.ee/EvFfL7C ♪LINEから受診予約やお問い合わせができます♪
ピロリ菌(Helicobacter pylori)は胃の粘膜に潜って生息する常在菌の一種ですが、炎症を起こして胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発生させることがあるため、消化器内科医からは目の敵にされています。
慢性的な胃の炎症は胃がんのリスクとなります。胃がんが発生しやすい下地を作ってしまうわけです。そのため、ピロリ菌が慢性胃炎を起こすと胃がんが発生しやすくなる、ということで「ピロリ菌は胃がんの原因」という誤解が広まってしまいました。
正確には「ピロリ菌は胃がんのリスク」と考えられています。
かつて白人諸国では胃がんが少ないのに対して日本人では胃がんが多かったことから疫学調査によってピロリ菌がリスク因子と同定されました。それ以来、ピロリ菌と胃がんが直結してしまったようです。実際、ピロリ菌の除菌によって胃がんの発生が減少するという研究もあるようですが、話はそれほど単純ではありません。
白人圏と比較すると日本人ではピロリ菌に感染している人の割合が大きいのですが、有色人種内で比較した場合、日本よりもインドやアフリカの方がピロリ菌の感染率が高いのです。しかもインドやアフリカのピロリ菌は日本人のピロリ菌よりも病原性がとても強い菌なのです。にも関わらずインド人やアフリカ人では日本人よりも胃がんが少ないことは「インドの謎」や「アフリカの謎」と言われてきました。
日本、インド、アフリカ諸国では気候も風土も社会環境も異なるので安直な比較はできませんけれども、しかし、日本のピロリ菌よりも病原性の強いピロリ菌に8割くらいの人口が感染しているインド、アフリカで胃がんが少ないのですから、ピロリ菌は胃がんの一要因であったとしてもそれほど大きな影響を持っているわけではないと考えられます。
実際、ピロリ菌はさまざまな功罪を持っている存在です。
一つにはピロリ菌は胃酸の量を減少させます。日本人は胃酸が少ない方の人種ですので、胃酸が減りすぎると消化不良を起こす可能性が高くなりますが、しかしもともとあまり肉を食べない文化圏なので胃酸が少なくても悪影響は少なかったと思われます。
ピロリ菌を除菌すると胃酸の分泌量が増えるため逆流性食道炎を発症するリスクが高まることはよく知られている事実です。
次にピロリ菌の存在は幼少期の免疫に影響を与えます。
人間の免疫力は幼少期からさまざまな外的物質に触れていくことで鍛えられていきます。現代の日本人はあまりにも清潔すぎる環境に生きているため、免疫が十分に育まれません。ピロリ菌の存在は免疫力を育む重要な要因というわけです。
日本人の場合、胃がんの最大のリスクは「食塩」であることがわかっています。
ピロリ菌がいるとさらにリスクが高まるようです(うろ覚え)。
日本人は世界的に見ても食塩の摂取量が多い国民ですし、化学的に合成した食塩(塩化ナトリウム:NaCl)は人体には刺激が強すぎるようです。
たとえば90代や100歳の方々のほとんどはピロリ菌と共生していますが、胃がんはあまり発生していませんでした。むしろ戦後生まれ世代でピロリ菌の感染率が以前よりも減りつつあるにも関わらず胃がん(特に20代30代の若年)が増えてきていたのは、戦後の食塩の普及の影響が大きかったように感じます。食塩をやめてさまざまなミネラルが含まれている天然塩にすることで塩の摂取量を減らし、かつ十分な味わいを得ることができます。
インドの場合には日常的にさまざまなスパイスを駆使した食生活を送っています。スパイスに利用されるハーブには多種多様な健康成分が含まれているものが多く、カレーのスパイスと漢方の生薬とは共通しているものがたくさんあります。ある意味でインド人(南アジアの人々)は毎日複数の漢方薬を飲みながら暮らしているようなものです。
さて、人類は戦争を起こしますが、人類は戦争の原因だと言えるでしょうか?
人類が戦争の原因だとしたら地球上から戦争をなくすには全人類を消滅させなければなりません。
人類は戦争の要因かもしれませんが、その他の要因とのパワーバランスによって人類は永久に戦争を起こすことなく地球上で生きていくことができます。
「要因」と「原因」とはこれほど異なる意味合いのある言葉です。
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