2020年の10月は例年にくらべて圧倒的に日照時間が短かったようです。 晴れの日が続くようになり、いよいよ花粉が飛び出すのではないでしょうか?「花粉症」は西洋医学が完治させることのできない(または極めて苦手な)病気のひとつです。現代では、本当に多くの方々が花粉症の諸症状に悩まされています。 最近では減感作療法が再注目されていますが、専門医の適切な管理下での治療が必要です。花粉症の治療はもちろん漢方薬でもできますが、すでにご自分に合った西洋薬をみつけていて、毎シーズン利用されている方も多いと思います。今回は抗アレルギー薬の副作用などの側面に注目してまとめましたので、お薬選びのさいにお役立ていただければと思います。 注)今回、お薬の名前は「商品名(一般名)」という形で記載しています。花粉症に対して使用される一般的な抗アレルギー薬は、ヒスタミンという物質のはたらきを抑制する「抗ヒスタミン剤」です。 まず、一番大きい問題が「眠気」ではないでしょうか。抗ヒスタミン薬最大のデメリットといえば眠気でした。自動車の運転を控えるようにと添付文書に書いてあるお薬もあります。副作用に「眠気」の記載がなく、自動車運転の注意記載がない薬といえば「デザレックス(デスロラタジン)」と「ビラノア(ビラスチン)」です。デザレックスはクラリチン(ロラタジン)という以前からあるお薬をバージョンアップさせたものです。「ポララミン(d-クロルフェニラミンマレイン酸)」という薬も眠気の記載はないのですが、その他に重篤な副作用の記載も多く個人的にはあまり使うことのないお薬です。風邪による鼻水などの症状を抑えるために処方されることがあるかもしれません。また、ご高齢のかたは肝臓や腎臓の能力が低下しているためその点も注意です。慎重投与などあれこれ気にしなくても比較的安心・安全なのは「アレグラ(フェキソフェナジン塩酸塩)」です。市販薬として大々的にCMを流している理由も頷けますね。実はこちらも自動車運転の注意記載はないのですが、副作用には眠気が記載されているので、個人差が大きいのではないかと思います。 そのほかに腎機能が低下していても比較的安全なお薬は「エバステル(エバスチン)」「アレジオン(エピナスチン塩酸塩)」「オキサトミド(オキサトミド)」あたりです。また、肝機能が低下していても比較的安全なものは「ゼスラチン(メキタジン)」「タリオン(ベポタスチンベシル酸塩)」や「ビラスチン」です。このように記載してみると「アレグラ(フェキソフェナジン塩酸塩)」が無難な薬なわけですが、内服回数が1日2回であるところが一歩遅れを取るでしょうか。最近では「アレジオン(エピナスチン塩酸塩)」「エバステル(エバスチン)」「ジルテック(セチリジン塩酸塩)」「ザイザル(レボセチリジン塩酸塩)」「デザレックス(デスロラタジン)」「ビラノア(ビラスチン)」などなど、1日1回の内服で済む製品も多数開発されているため、多少の眠気があっても支障のない方や基礎疾患のない若い方などはこちらを選ぶのではないかと思います。あとは薬価(お値段)の話になるでしょうか?1日に内服するぶんの薬価で比べると、薬価が低い(=安い)方からザジテン(48.8)<エバステル5mg(60.80)<デザレックス(62.40)<ルパフィン(65.40)<ビラノア(72.50)<クラリチン(73.00)<ジルテック(73.50)という具合になります。()内は薬価の数字ですので、実際に窓口で支払う金額ではありません。薬価はジェネリック医薬品になるとまた変わってきますので、お薬を選ぶ際には医療機関や薬局にてご相談ください。こうして書き表してみると、抗ヒスタミン剤の数の多さに驚かされます。必ずしも良いことではありませんが、市場が大きいということなのでしょうね。飲み薬だけで効果が不十分な場合には点鼻薬や点眼薬も併用することになります。さらに効果が不十分であればサイトカイン(細胞間の連絡物質)を抑える薬やステロイド剤を併用していくことになるのですが…できればそうなる前になんとかしたいものですね。花粉症に対する漢方薬の治療については別の記事がありますので、そちらも参考にしてください。https://shinmaebashi-sukoyaka.com/blog/50.htmlhttps://shinmaebashi-sukoyaka.com/blog/52.htmlいつの日も こころ楽しく すこやかに⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff Twitter ▶ @SukoyakaNaika Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック LINE ▶ sukoyakaclinic または https://line.me/ti/p/7m5HhKojPR 👉LINEから受診予約やお問い合わせができます♪
副作用に「眠気」の記載がなく、自動車運転の注意記載がない薬といえば「デザレックス(デスロラタジン)」と「ビラノア(ビラスチン)」です。デザレックスはクラリチン(ロラタジン)という以前からあるお薬をバージョンアップさせたものです。
また、肝機能が低下していても比較的安全なものは「ゼスラチン(メキタジン)」「タリオン(ベポタスチンベシル酸塩)」や「ビラスチン」です。
1日に内服するぶんの薬価で比べると、薬価が低い(=安い)方から
ザジテン(48.8)<エバステル5mg(60.80)<デザレックス(62.40)<ルパフィン(65.40)<ビラノア(72.50)<クラリチン(73.00)<ジルテック(73.50)
という具合になります。()内は薬価の数字ですので、実際に窓口で支払う金額ではありません。薬価はジェネリック医薬品になるとまた変わってきますので、お薬を選ぶ際には医療機関や薬局にてご相談ください。