しばしばお問い合わせがあるのですが 「漢方薬でダイエットできるのか?」とのご質問をいただきます。結論から言いますと、漢方薬で10kgも20kgも体重が減ってBMI(ボディマスインデックス)が20くらいのスリムな身体になることは不可能だと思ってください。注)BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)(単位はkg/㎡となります) 体が痩せていくということは、ため込まれた脂肪や糖が分解、消費されている状況です。何日も食事にありつけなければ徐々に痩せていくことはイメージしやすいかと思います。あるいは激しい肉体労働や運動のため、エネルギー消費がとても増えているような状況もわかりやすいかと思います。一般的に、人間の身体は飢餓にそなえて栄養分をため込んでおくようにできていると言います。つまり痩せるよりも太りやすいということです。逆に、痩せていく状況は身体にとっては好ましくないことが多いのです。人類数万年の歴史のなかで、いつでもどこでも食べたいものが手に入る時代や社会はほとんどありませんでした。その時、その場所で得られるものを食べるしかなかったのです。飢餓ととなり合わせの歴史だったということです。漢方薬は、人間の自然治癒力あるいは「ちょうどよい健康状態へとバランスを保とうとする能力(ホメオスタシスと言います)」を利用しています。血糖値を下げるホルモンが「インスリン」の一種類しかなく、一方で血糖値を上げるホルモンが複数あることからもわかるように、人間の身体は飢餓に対して強く、生き延びられるような仕組みができています。したがって薬を使って「無理やりやせていく」という異常(病的)な状況においては、健全な身体であればブレーキをかけるでしょうし、漢方薬もそのような状況をわざと誘発させるようなものは、少なくともわれわれが診療で使用できる範囲には存在していません。ただし、漢方薬によって体内に蓄積した老廃物の排泄が進んだり、内臓機能が改善して身体を健康な状態へと戻そうとする力が強くなった場合には数kgの体重減少とともに血中コレステロール値が改善したり、高血圧が改善したり、便秘が改善したり、肌荒れがよくなったり…というダイエット+αの効果を発揮する場合があります。そのような漢方薬の代表が「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」です。市販薬としてたくさん売られているのでご存知のかたも多いと思いますし、すでに飲んでみたかたも多いのではないでしょうか?防風通聖散という漢方薬は「メタボな人向けの下剤」と考えるとイメージしやすいと思います。典型的には、汗をかきながら大盛ラーメンを食べている脂ぎった中年男性です。そのような人は、太鼓腹でお腹がパンパン、赤ら顔でいつも汗をかいており、高血圧で肩こりがあって便秘症…どうでしょうか?身近なお知り合いをイメージされたでしょうか?このような人の便通がよくなることで体重が数kg減ったり、血圧が正常化したり、コレステロール値が改善したり…ということが起こります。排便というのは重要な解毒反応であるという証拠ですね。そのような体質改善目的に処方されるのが防風通聖散です。ですから、防風通聖散が合わない方がこの漢方薬を内服すると減量効果がないばかりかお腹が痛くなって下痢をします。上記のイメージに合わない方で防風通聖散の内服をご希望される場合には、必ず漢方診療ができる医師にご相談ください。 いつの日も こころ楽しく すこやかに ⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩ 【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff Twitter ▶ @SukoyakaNaika Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック 公式LINEアカウント ▶ @sukoyakaclinic または https://lin.ee/EvFfL7C 👉LINEから受診予約やお問い合わせができます♪
BMI(ボディマスインデックス)が20くらいのスリムな身体になることは不可能だと思ってください。
注)BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)(単位はkg/㎡となります)