新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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健康のこと、日常のことなどを発信しています。

女性のこんな不調をみかけたら

2024/11/7
何か月も不調が続いて…
夜な夜な寝汗をかいて…
体重が徐々に減っていって…
日に日に疲れがたまっていって…
ドキドキして夜、眠れなくなって…

さて、これは自律神経失調症でしょうか?それとも悪性腫瘍?
色々と心配になってしまう状況かもしれませんが…

これらの症状は、頻度が高いのに案外見落とされがちな疾患の症状です。

その疾患は…「バセドウ病(甲状腺機能亢進症)」です

甲状腺は新陳代謝をつかさどるホルモンを分泌している器官です。のどぼとけのすぐ下にあります。

一般論としては、甲状腺機能が低下してくると(甲状腺ホルモンが低下しすぎると)、新陳代謝が低下して冷え・浮腫み・低体温・易疲労感・抑うつなどの症状が生じるようになります。
逆に甲状腺機能が亢進すると(甲状腺ホルモンが増加しすぎると)、新陳代謝が過剰となり高体温・過活動・体重減少・動悸・不眠などの症状を生じるようになります。甲状腺機能亢進症は「元気になりすぎる」疾患なので教科書には「疲れを感じにくくなる」と書いてあったりするのですが、実は代謝が亢進しすぎた結果、後になってから疲れやすくなってしまうことがあります。

甲状腺疾患を有する人は特徴的な顔立ちになるのですが、女性の場合にはやせ型で目が大きく見える(実際には眼球が突出する)ので、いわゆる美人顔に近いものとなります。
喉元が腫れていると甲状腺疾患だと気が付きやすいものの、甲状腺疾患の患者さんの中には、ぱっと見では甲状腺が腫れていない人がけっこういるものです。

甲状腺疾患は若い女性にはけっこう多い疾患です。
血液検査でホルモン値を測定すれば容易に診断を付けることができます(厳密には色々と注意が必要なのですが)。
甲状腺エコーで腫れ具合を確認したり、甲状腺内に腫瘍性病変がないか確認することも重要です。

不定愁訴であるとか、心の病であるとか、自律神経失調症などと決めつけてしまう前に、ぜひ血液検査で確認してみてください。


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ベーチェット病に漢方

2024/10/9
指定難病の一つである「ベーチェット病」は
口内炎や陰部潰瘍が多発するとても厄介な難病です。

基本的には、自分の免疫システムが関与する全身の慢性的な炎症が病態なのですが、なぜ・どうしてベーチェット病が発症し、どうすれば根本的に治るのかは現在もまだ研究が続けられています。

眼にも症状が出現することがあり、最悪の場合は失明に至ります。
眼の前側の部分の炎症は虹彩毛様体炎、眼の後側の部分の炎症は網膜脈絡膜炎という形で症状が現れます。

皮膚の炎症を生じる場合もあり、結節性紅斑という皮膚病によく似た皮疹や、ニキビが多発したりします。

罹患されている方は日本で約2万人ていどであり、決して頻度の多い疾患ではないのですが、ビジュアル的にとても特徴的なので皮膚科や膠原病科の教科書や授業では必ず勉強することになります。

さて、温清飲(うんせいいん)という漢方薬がありまして、この漢方薬は黄連解毒湯(おうれんげどくとう)四物湯(しもつとう)を合体させた漢方薬なのですが、温清飲が効きやすい人というのは「口内炎や陰部潰瘍を繰り返し発症する人」なのです。まさしくベーチェット病!ということになるわけですが、実際に臨床研究でもベーチェット病に対する温清飲の有効性が確認されています。

ちなみに黄連解毒湯は抗炎症・抗菌作用に特化した漢方薬です。四物湯は身体の材料の補給のような漢方薬で、乾燥肌で色つやの悪い人や貧血、冷え症、しもやけになりやすい人に適した漢方薬です。この2つを合体させるとベーチェット病に効くのですから不思議ですね。

ベーチェット病はシルクロード周辺地域に発症者が多いことが知られています。最初に報告されたのは1930年代でした。トルコのベーチェット先生が報告したので「ベーチェット病」というわけです。

しかし、どうやらヒポクラテスの書物のなかにもベーチェット病らしき疾患についての記載があるようなのでかなり大昔から存在する疾患なのかもしれないです。大昔の中国でも、当然ベーチェット病の人はいたのでしょうし、当時の医師たちが苦心して治療法を開発した…それが温清飲なのかもしれませんね。

ベーチェット病は真の病態も根本的な治療法も確立されていない難病ですが、漢方医学的視点から研究していくともしかしたら新たな病態や画期的な治療法がみつかるかもしれません。まぁそういうことを妄想したりして我々医師は研究に打ち込んでみたりするのです。


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リポC飲み始めて貧血が改善した!

2024/9/13
夏前から当院でもお取り扱いを始めた「リポソーマルビタミンC」
ビタミンCを脂質二重膜で包んだことで吸収率を飛躍的に高めたサプリメントです。
リポソーマルビタミンC(商品名Lypo-C)を服用し続けることで、25gの高濃度ビタミンC点滴を継続的に実施しているのと同じ血中濃度が達成されます。実はこれ、とてつもなく画期的なことなのです。

当院ではビタミンCとビタミンDがセットになったLypoC+Dを販売しています。
現代人はとにかく日光に当たらなすぎるので、ビタミンDが不足気味です。特に女性は骨粗鬆症対策なども含めてビタミンDが重要ですので、当院では敢えてLypoC+Dのみ販売しています。

さて、そんなLypoC+Dのご利用者様から嬉しいお声が届きました。
その方は鉄欠乏性貧血でお悩みだったのですが、これまで市販のヘム鉄サプリだけでは十分に改善しなかった貧血が、LypoC+Dを飲み始めてから健常者レベルまで改善したとご報告いただきました!

保険診療ではフェロミアやフェルム、フェログラデュメットなどの経口鉄製剤がありますが、どれも胃に刺激性があり吐き気などの副作用を起こしがちです。しかも非ヘム鉄なのでもしかしたら効果的ではないのかもしれません。保険診療でも鉄剤の吸収率を高めるためにビタミンCを一緒に内服する場合があるのですが、それでも改善しない方もたくさんいらっしゃいます。

今回のご利用者様は、胃腸虚弱のため保険製剤の鉄剤を利用できず、ヘム鉄サプリメントをご使用されていました。それでも健康診断などでは高度の貧血を指摘されており、貯蔵鉄(フェリチン)は測定限界以下のことも…
それが、LypoC+Dを飲み始めて2か月ほどで正常域まで改善されたのですから驚きものです。
リポソーマルビタミンCはこれまでのビタミンCサプリメントとは別格かもしれません。

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寝ていて夜中に脚が攣るのは…

2024/8/28
ツムラの68番!
と言えば、漢方薬の名前は覚えていない人でも知っている“こむら返り”の薬ですね。

ツムラの68番は芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方薬です。
芍薬と甘草という2種類の生薬で作られています。非常に即効性のある漢方薬なので、こむら返りが起きたらすぐに内服するとたちどころに症状が治まります。

芍薬甘草湯はこむら返りに限定された薬ではなく、横紋筋であれ平滑筋であれ、筋肉の異常な収縮を鎮める漢方薬です。
例えば胃痙攣にも使用しますし、しゃっくりに効く場合もあります。使い方を理解すればとても有能な漢方薬です。
そのため、漢方専門医でなくとも臨床的にはとてもよく使用されています。

さて、芍薬甘草湯は確かにこむら返りに効くのですが、発作が起きた時に使用する薬ですので、そもそもこむら返りが起こらないようにする予防的な効果は持っていません。毎日毎晩のようにこむら返りを起こしては芍薬甘草湯を内服する…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方は是非とも「なぜ夜中に脚が攣ってしまうのか?」という問いに向き合っていただきたいと思います。

実は、常習的なこむら返りに対する根治的治療として、駆瘀血剤に分類される漢方薬が使用されます。桂枝茯苓丸とか通導散とか。
つまり、こむら返りの多くに瘀血という末梢血流障害という病態が関与していることが推察されます。

瘀血に対処するだけでこむら返りを抑制できる場合もありますが、個人的な経験ではさらにもう一工夫することが多いです。
特殊なことをするわけではなく、体を温める作用がある漢方薬を使用するのです。

夜中のこむら返りは、1日負荷がかかった腓腹筋の血流とリンパ流が停滞し、さらに気温の低下(あるいは冷房による冷え)によって末梢循環障害に拍車がかかることで筋肉が凝りやすくなってしまっているのではないかと感じています。
漢方薬としては当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)という漢方薬を個人的には多用しています。
この漢方薬は”しもやけ”や冷えによる頭痛、腰痛、腹痛などの疼痛に対して使用する漢方薬ですが、要するに身体を温めつつ末梢血液循環を改善してくれる漢方薬です。漢方の作用を理解すれば応用の幅も広がるというわけです。

また、最近では夜に装着するストッキングも市販されているようなのでそういったものを使用するのも良いかもしれません。


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残暑お見舞い申し上げます

2024/8/16
気が付いたらお盆が過ぎてしまいました。

今年はお盆に台風がやって来ましたが、低気圧の影響をうける方にとってはいい迷惑だったのではないでしょうか?
東洋医学における「水毒」という体質の方の診察をしているといろいろなお話を聞くことができて大変興味深いです。水毒の方は体内で水の偏り(偏在)を生じている体質の方です。体内の水も気圧の影響を受けて膨らんだり縮んだりするので(PV=一定というやつです)、台風のせいで体調を崩したりされます。
興味深い点は、台風が発生したときに不調になる方と、台風がある程度の位置にあるときに不調になる方と、台風が通り過ぎるときに不調になる方と…人によってそれぞれ不調になるときの台風の位置が異なるのです。もしかするとこの研究をすると何か面白い発見があるかもしれませんね。

水毒体質のかたの治療には五苓散(ごれいさん)という漢方薬を使用するのが常套手段です。五苓散の優れているところは、余分な水は尿として体外に捨てる一方で、不足しているところには水を分配して水の偏在を是正し、しかも内服し続けていても脱水症を起こすことはないという点です。ああなんて素晴らしい漢方薬なんでしょう。ノーリスクハイリターンではありませんか。

で…多くの場合において五苓散で問題が解決するのですが、時には五苓散だけでは効果が不十分ということがあります。

例えば「五苓散は二日酔い予防に効果的である」とご存知の方が多いのですが、実際に飲酒前後に内服してもあまり効果を得られないという方もいらっしゃいます。そういった方には茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)という漢方薬をご紹介しています。

茵蔯五苓散は、五苓散に茵蔯蒿(いんちんこう)という生薬が追加されているものですが、茵蔯蒿が肝機能を高めることでアルコールの分解(解毒?)を早めてくれる場合があります。体質的に合う方であれば、五苓散よりも茵蔯五苓散の方が二日酔い対策に効果的です。

また、今年のように異常に暑い夏には冷たい飲み物をがぶ飲みしてしまい、胃腸が冷えて消化不良で下痢になってしまう方も多いのではないかと思います。そういった方に対して六君子湯や人参湯、大建中湯などのスター級漢方薬を使用しても症状が改善されない場合があるのですが、胃苓湯(いれいとう)という漢方薬を使用すると症状がみるみる改善される場合があります。

胃苓湯は平胃散(へいいさん)という漢方薬と五苓散を合体させた漢方薬ですが、胃腸機能の低下による消化不良と水毒から生じる下痢には効果的です。保険診療上の適応病名が微妙に限定的なのでやや使いづらい印象がありますが、副作用が出にくく優秀な漢方薬です。

まだまだ暑さは続きます。日本の夏は暑さと湿気が合体した「湿熱」という環境病態を起こします。保険診療で使用する漢方薬は、湿熱の治療に適したものがそれほど多くないため、治療がうまくいかないことが多々あります。病気にならないよう、体調管理に気を付けることが重要だなと、夏が来るたびに毎年思っているような気がします。


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