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頭痛に胃薬を③

2020/9/23
今回は「頭痛には胃薬を」第3弾です。 
そういえばかき氷を食べて頭がキーンと痛くなる…
あれはまさしく胃の冷えに由来する頭痛なので、事前に胃を温める漢方薬を内服しておくと予防できそうな気がしますね。 

さて効果・効能に「頭痛」がある漢方薬を挙げると

五苓散、呉茱萸湯、半夏白朮天麻湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、苓桂朮甘湯、釣藤散、五積散、桂枝人参湯、川芎茶調散

あたりでしょうか。 
これまでにご紹介した漢方薬もいくつかありますね。
 

五苓散半夏白朮天麻湯苓桂朮甘湯は「水を動かす」ところに力点があります。 
これらの漢方薬を処方する人にはめまいがあることも多いです。どちらも水の巡りの問題なのですね。 

呉茱萸湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯五積散は「冷え」の対策を重視した処方です。 
呉茱萸湯はひどい片頭痛で嘔気がする人に処方するイメージです。当帰四逆加呉茱萸生姜湯には呉茱萸が含まれていますが、こちらは冷えによる諸症状に出番が多い処方です。五積散(ごしゃくさん)はちょっと特殊で、使い方がわかりにくい部分があります。クーラー風邪に使うことが多いと思います。ちなみに当院の患者様には今シーズンの処方はありませんでした。 

釣藤散動脈硬化に関連した高血圧や頭痛などの症状を目標に使用しますが、胃腸虚弱がポイントです。
やっぱり胃薬の要素が入っているのですね。

川芎茶調散は「頭痛で始まるカゼ」の薬です。
でもカゼをひいたときには頭痛が出ることは多いですよね?
実際、カゼやインフルエンザなどの急性熱性疾患に使用する漢方薬には、症状として頭痛が含まれているものもたくさんあります。例えば麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、柴胡桂枝湯などなど。

そして最後に桂枝人参湯
頭痛を治療する胃薬です。こちらは胃腸が弱い人の冷えに関する下痢や頭痛を目安に処方します。
 

こうして見てみると、漢方診療における「頭痛」の要点として「冷え」と「胃腸虚弱」と「水の動き」が重要であることに気が付きます。 
漢方では、生まれ持った生命エネルギーと、食事を通して後天的に獲得する生命エネルギーの2種類のエネルギーを軸に考えます。生来のエネルギーには限りがありますが、食事からは必要な分のエネルギーを補充できるので、後者のエネルギーがとても重要になります。 
胃腸が弱い人というのは、後天的にエネルギーを獲得することが不利なので病気にもなりやすく、漢方でも胃腸を元気にすることが重視されています。
 

頭痛についても同じです。
食事からのエネルギーを十分に獲得できないと、体温を高めることができないので冷えに弱くなります。そうすると内臓機能の低下や血行不良を生じるため、血液循環が悪くなれば水の巡りも必然的に悪くなる、ということです。 
これまでにご紹介した漢方薬は胃腸を元気にして冷えに強くなり血行や水の巡りをよくすることで様々な症状を改善しよう…という狙いをもって設計されているものが多いですので「頭痛には胃薬を」という、西洋医学だけしか知らないとチンプンカンプンな話になるのですね。 


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頭痛に胃薬を②

2020/9/23
こんにちは! 
8月も末となり、朝晩に吹く風はだいぶ秋めいてきましたね。
何よりも日の出が遅く、日の入りが早くなりました。
昼間はアブラゼミの合唱が聴こえますが、日が傾き始めるとヒグラシの寂しげなメロディが響き渡ります。 
1日毎に秋の訪れを楽しむことができる今日この頃です。
 

今回は「頭痛には胃薬を」第2弾です。 
西洋医学的な診療でも漢方的な診療でも
とりあえずこの対応をしておけば無難
というものがあります。
 
前回の話で言えば、頭痛を主訴にいらっしゃった患者さんに対して「呉茱萸湯+五苓散」を処方すればたいていの患者さんの症状緩和をすることができます。(病名処方と怒られてしまいそうですが) 
今回登場した五苓散は体内で余っている余計な水を動かす漢方薬です。わかりやすく言えば浮腫みの薬です。
でもそれだけではありません。胃腸炎にも使うし熱中症にも使うし、そして天候に影響されるような頭痛にも処方します。 
漢方の聖典『傷寒論』には五苓散について「霍乱、頭痛、発熱、身疼痛、熱多く水を飲まんと欲す者は五苓散」と記されており、水を動かすことが頭痛の治療に重要であることがわかりますね。
 

実は「頭痛には胃薬を」第一弾でご紹介した六君子湯も、胃に溜まった水を動かす作用がありました。 
逆に言うと、「水を動かす作用をもった胃薬」は頭痛の治療に応用が利きます。
そしてこのような薬は往々にして「めまい」に処方されることの多い薬でもあります。 
例えば、めまいに対する漢方薬の中で“効かない”として悪名高いのが「半夏白朮天麻湯」です。
漢方マニュアル本には「めまい」の項目で必ず登場するこの漢方薬ですが、実際にめまいの患者さんに処方しても効果を出せないことがしばしば…
その理由は半夏白朮天麻湯が「胃薬である」からです。というか、半夏白朮天麻湯で治せる「めまい」というのは「もともと胃腸が弱くて消化器に水が溜まっている人に生じるめまい」だからなのです。 

漢方薬の使用に際して、このような「もともと〇〇な人」という部分が実はとても重要なのですが、病名漢方やマニュアル漢方ではこの部分が欠落してしまっています。
そのため「漢方は効きが悪い」とか「効く人と効かない人がいる」という誤解を生じてしまっているのです。 
半夏白朮天麻湯もそのような不遇な漢方薬の一つです。
上述したように、半夏白朮天麻湯はもともと胃腸が弱くて水が溜まっているような人に生じためまいや頭痛に対して処方する薬です。
この前提条件を理解していれば応用範囲は広く、高血圧症動脈硬化メニエール病などにも応用されます。 

漢方薬が人体のバランス全体を調整していくことで治療効果を発揮するよう設計された高度な治療薬であることがよくわかりますね。 

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夏の胃腸疲れにご注意を

2020/8/18
まだまだ猛暑日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?
お盆も過ぎると日の出は遅く、日の入りは早くなってきたことを実感しますね。
特に朝晩の風はヒヤッと感じることもあり、着実に秋が近づいていることがわかります。
旧暦では処暑といって、夏の暑さもピークを超えて過ごしやすくなってくる時期です。
海ではクラゲが発生するようになり、海遊びにも注意が必要です。

猛暑日だからといって冷たいものばかりを飲食していませんか?
冷たいものばかりを摂取していると、胃腸のはたらきが低下して夏バテの原因となります。
胃腸の冷え → 蠕動不良 → 消化不良 → 下痢 → 栄養吸収不良 → 体力低下、易疲労 → 食欲不振
という悪循環にはまってしまうと、秋から冬にかけて体調を崩しやすくなってしまいます。
実は、夏の終わりから秋口にかけて患う風邪のことを夏風邪と本来は言います。
夏の暑い日でも温かいものを食べて胃腸の機能をしっかり保つことが健康の秘訣です♪

冷たい食事であっても、食材を工夫することで体の機能を高めることもできます。
例えばとろろ芋。そばにかけたり、ご飯にかけたり…
つるっとした食感なので少し食欲が落ちたときにも食べやすいですね。
山芋や自然薯などは消化器の機能を高める効果もあるとされます。
昔ながらの生活の知恵を活用して猛暑を乗り切りましょう!

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頭痛に胃薬を

2020/9/23
大雨の梅雨だった7月から、8月になったとたんに真夏日となりました。
気候の急激な変化のせいか、頭痛を主訴に来院される方が増えて参りました。

あちこちの病院で検査・治療を受けてもいっこうに良くならないという方がたくさんいらっしゃいます。
「鎮痛剤をいくら飲んでも痛みが変わらない…」
これでは生活の質(QOL)が大きく損なわれてしまいます。

東洋医学では、西洋医学とは異なる考え方に基づいて体のシステム全体の連動を考えながら診断・治療をおこないます。
時にはそれが西洋医学しか知らない医師からも胡散臭いと思われてしまいます。
今回のお話もそんなケース。

漢方診療をされているお医者さんに
「片頭痛に対する代表的な漢方薬は?」
と尋ねれば、答えは十中八九
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」ではないかと思います。
では、呉茱萸湯は片頭痛のための漢方薬なのでしょうか?

答えは「No」。
呉茱萸湯はどちらかと言えば「胃を温める薬」です。
実は、頭痛に対して鎮痛剤を内服ばかりしていると、漢方的には「内臓の冷え」を起こします。
内臓が冷えて頭痛が生じる」漢方ではそのような病態を想定するのです。
したがって「内臓の冷えから生じる頭痛」に対しては「内臓を温める」という治療が正解となるのです。
西洋医学だけの診療では、この発想と治療をすることはできません。

実際の症例をご紹介します。
子育て世代の女性。以前からの「痛み止めを飲んでも効かない頭痛」を主訴に受診されました。
漢方医学的な問診、診察をいたしまして、「六君子湯(りっくんしとう)」を処方いたしました。
ふつうは「胃がもたれる」「食欲不振」などの症状に対して処方される漢方薬です。
こちらの方は「飲み始めて3日目から頭痛がなくなった。」とのことで奏功いたしまして、
その後も頭痛は生じていないとのことです。
「胃腸の不調 → 気や水の巡りの悪化 → 頭痛」という病態でした。

漢方診療をしていると、人体の深遠さに驚かされることばかりです。
頭痛でお悩みの方、ぜひ漢方もお試しください。

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ニキビには清上防風湯

2020/8/8
こんにちは!

今日はスタッフのInstagramの投稿にもあった「清上防風湯」をピックアップします。
思春期の男女にとって「ニキビ」はまさしくQOLを左右する重大問題ですね。
ニキビ治療にはなんと言っても食事の見直しが大切です!
ファストフードやインスタント食品、スナック類やジュースばかり摂取していませんか?
東洋医学では体内にたまった毒素や老廃物が皮膚から発疹として排出されると考えています。
ニキビの治療にはまずは食生活の見直しから始めてくださいね。

生活習慣の改善だけでニキビが治らない場合には薬物治療も必要かと思います。
たしかに抗生物質やステロイド剤は強力で効果が高いかもしれません。
ですが、副作用もあるし抗生物質の濫用は体内の常在細菌叢を弱め、免疫力の低下の原因になります。
そんな時こそ漢方薬の出番です!

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」は上半身(主に顔)の皮膚疾患用に開発された漢方薬です。
もちろん、ニキビ以外のさまざまな皮膚疾患に応用が利きますよ。是非ご相談ください♪

スタッフの皆さんのInstagram「sukoyakastaff」もチェックしてくださいね♪

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