新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

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健康のこと、日常のことなどを発信しています。

5月5日は夏の始まり

2022/5/5
5月5日は端午(たんご)の節句という男の子のお祭りとされています。

端午とは…とか
菖蒲(=勝負)の節句といって…とか

そういう話はネット上にあふれていますので、漢方や東洋医学という視点で記事を書いてみたいと思います。

5月5日は立夏(りっか)であり、暦の上では今日から夏が始まりました。関東地方をはじめ、今日は夏日になりましたね。

こどもにとって、夏に向けての体調管理として重要な点は次の2点でしょう。

①冷たいものばかり飲食してお腹を冷やさないようにする
②きちんと発汗して体温調節できるようにする

マクロビオティックでは夏場の野菜は体を冷やすものが多いといいます。
たしかに、キュウリ、トマト、レタスなどの葉物野菜はサラダの定番ですし、夏には冷やして食べるイメージも強いですね。
旬であるとか、その土地固有の野菜は気候や風土に合った性質を持っていると言います。夏場は体を冷やす食材を食べる機会が自然と増えてしまうので、調理方法などで工夫する必要がありますね。
また、夏になるとなんといってもアイスクリームなどの冷たい間食が増えてしまいます。最近はかき氷も魅力的なものが多く、こどものお腹までキンキンに冷えてしまいがちですね。

胃腸が冷えてしまうと、食事をきちんと食べることができなくなりますし、食べたものをきちんと消化・吸収して必要な栄養とエネルギーを得ることができなくなります。ここでいうエネルギーとは、東洋医学でいう「気」のことで、生命力の一種みたいなものです。
こどもは本来、生命力に満ちており新陳代謝も高いのですが、現代的な暮らしに染まってしまっているとこどもにも関わらず冷えて代謝が落ちて低体温になってしまっている子がたくさんいるので、将来が心配になってしまいます。

胃腸が冷えてしまって元気がないお子さんには、人参湯(にんじんとう)小建中湯(しょうけんちゅうとう)という漢方薬を使用します。人参湯は胃薬、小建中湯は腸の薬というイメージです。アイスばっかり食べては胃痛や頭痛がちのお子さんの場合には安中散(あんちゅうさん)呉茱萸湯(ごしゅゆとう)という漢方薬も出番があります。

とにかく、お子さんの心身の健全な成長のためにもお腹は冷やさないように注意する必要があります。

次に、発汗について。
今や自宅が全館空調のご家庭も増えました。
快適な暮らしと引き換えに、自分で体温調整できなくなっているこどもも増えているようです。
コロナの影響もありますが、外で運動する機会も減ってしまったため、自分でちゃんと汗を出して体温調整する機能が育まれていないのです。

発汗トラブルに使用する漢方薬はいくつかありますが、こどもの場合には「麻黄(まおう)」という生薬を使用した漢方薬が意外と効くことがあります。

麻黄にはエフェドリンに類似した物質が含有されているのですが、汗孔を開いて発汗を促進します。
この効果が最大限に発揮されているのが麻黄湯(まおうとう)という漢方薬です。

インフルエンザなどの感染症治療で使用するこの多い漢方薬ですが、体表面の汗孔などを開いて病邪を外に追い出すと解説されています。
インフルエンザや風邪などは発汗し始めたら治る兆候ですので、麻黄湯は治癒機転を促しているというわけです。

エフェドリンは「元気が出る系」の飲み物に含有されていることが多いのですが、こどもの場合には意外と(?)エフェドリンを摂取しても大丈夫なものです。一方、高齢者はエフェドリンが合わなくなってくるようです。

花粉症によく利用する小青竜湯にも麻黄が含まれていたりします。

薬で問題を解決することよりも、人間らしい健全な発育をすることで自然治癒力や適合能力を高めるのが本筋ではありますが。。。


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春うつは紫蘇パワーでスッキリ

2022/4/24
春はあけぼの。

朝のまどろみが心地よい時期です。
許されることならいつまでもいつまでも眠っていたい…
そんな気持ちになる季節ですね。

でも油断してはいけません。
春の陽気に誘われてぐうたら寝ていると生活のリズムを乱してしまいます。
新生活早々に生活リズムが崩れてしまうと、そのままやる気もなくなってしまいがちです。

しかも、春は周期的に晴れ☀と雨☂の天気がやってきますので、自律神経が不安定になりやすい季節です。
出会いと別れ、新生活のストレス、ホームシック…
冬から春へと季節が変わり、緊張がゆるんできたところに意外とメンタルにもダメージがあるのが春の特徴です。
油断していると春なのにちょっとブルーになってしまいます。
春うつというやつですね。

天気は晴れだし気温も温かい、心地よい風が吹いてくるというのになぜか気持ちはスッキリしない…
学校も仕事もなんかやる気にならない…
なんかもういっそのこと休んでしまおうかな?

そんな春うつはハーブの力でスッキリさせましょう。
香蘇散(こうそさん)」という漢方薬があります。
紫蘇の葉が使用されている漢方薬です。紫蘇の葉は理気薬とされ、気の巡りを改善させます。

香蘇散は、一般的には風邪薬として説明されています。
しかし、漢方薬ですからただの風邪薬などではありません。

香蘇散は「気うつの風邪」に対する漢方薬です。
気うつ状態を簡単に言ってしまうと「なんかテンション低い」状態です。

なんかテンション低いので、なんとなくやる気が出ないし、うつうつとして食欲もわきません。
そんな状態に使用するのが香蘇散なのです。

香蘇散は理気薬の一つであり、気のめぐりが停滞しているところを開通させます。
気が順調に巡るようになると心身ともに順調に機能するようになります。
気分もスッキリするのです。
「カゼっぽいな~」と思っていたのもどこへやら、春の陽気につられて元気が出てきてウキウキするのです。

この香蘇散の効果を応用して、気鬱状態による気分の落ち込み、うつうつ感の治療に使用することがあります。
漢方薬はいくつかのメーカーが保険製剤を製造しているのですが、実はメーカーによって同じ漢方薬でも保険適応病名が異なる場合があるのです。

香蘇散の場合、某メーカーでは「神経衰弱」が保険適応病名になっています。
この適応病名をうまく利用して、抑うつ気分や適応障害などに処方するのです。

ただ、内因性のうつ病や双極性障害を香蘇散だけで治療するというのはちょっと無理があるようです。
抗うつ薬は増やしたくない…という場合などに併用してみてはいかがでしょうか?


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春は「肝」の季節

2022/4/5
漢方診療をしていると、異なる症状・病状でいらっしゃる患者さんたちに次から次へと同じ漢方薬を処方してしまうことがあります。

もしかしたら私の思考回路が固定されてしまっている状況なのかもしれませんが、実はそうでもないのです。

「春の色は青」というお話は以前に記事にしたように記憶していますが、「春は肝の季節」という表現も漢方にはあります。

陰陽五行説ではこの世界を5つに分類しており、人間の生体機能も5つに分けています。
肝・心・脾・肺・腎の5つです。そして季節も5つに分類するため、各季節1つ1つと5つの臓が対応しているのです。

そして春に対応する臓器は「肝」というわけです。
東洋医学における「肝」は医学的な意味での肝臓ということではなく、肝臓機能の一部と中枢神経機能、自律神経機能が包含されています。

春は「肝」に影響が大きい季節のため、もともと「肝」の不調があるかた、体調を崩しやすいかたは「肝」の症状が現れやすくなります。

今までよりも神経過敏でイライラしやすくなったり、めまいや耳鳴りが生じたり、女性であればPMSの症状が重くなったり、肩こりが悪化したり…などなど。

このような不調が現れたらもしかしたら肝の不調が原因かもしれないですね。

「肝」の治療に使用される漢方薬の代表は「抑肝散(よくかんさん)」です。
名前の通り「肝」のたかぶりを抑えるわけです。
ここでの肝とは肝臓の機能のことではなく自律神経(特に交感神経)であると考えています。

抑肝散はもともと子供の疳(かん)の虫の治療薬でした。癇癪持ちですね。
まだ自律神経が不安定な小さい子供は感情を十分に制御できなかったりするため怒り爆発しやすかったりするわけです。

「疳の虫」「癇癪」いずれも「肝」であり「かん」という呼び方であるのはなんとなく不思議であり面白いですね。

ちなみに現在の医学で使用されている「肝臓」「心臓」「腎臓」などの臓器名は、もともと東洋医学で使用されていた「肝」「心」「腎」という五臓の名称に対応している内臓であろうと考えられた解剖名でした。

どこまでも細かく細分化する西洋医学と陰陽五行説とではさすがに乖離が大きいように感じてしまいますね。


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「わたしは神である」!?

2022/4/23
自分の調子が人生で最高に絶好調で、やることなすことなんでもうまくいって、あれもこれもバリバリできて、何日も徹夜しても全然平気!「まるで私は神である!」という気がしてくる…

もしかしたらこれは過覚醒状態かもしれません。
過覚醒状態とは、2種類ある自律神経のうちの交感神経のスイッチが過剰にONの状態になってしまっている状態です。
交感神経は「狩りのための自律神経」とも言われ、行動的(戦闘的)な機能に関する自律神経です。
狩り(戦闘)モードですので、心臓は強く拍動し、目は充血して見開き、頭に血がのぼって興奮状態であり、ちょっとやそっとのケガでは痛みを感じることもなく、神経は過敏状態となっていて…というような状況です。

自律神経の過覚醒状態は、PTSDの状態としても知られています。
こちらは精神的に非常に大きな傷害によって交感神経の過剰興奮が引き起こされ、その後バランスが取り戻せなくなっているような状態です。車のアクセルとブレーキの調整が効かず、アクセルを軽く踏めば全速力に、ブレーキを軽く踏めば急ブレーキになってしまうような状態です。急発進・急停止しかできない車の運転はあまりに困難であるということです。

このような過覚醒状態のときに使う漢方薬も実はあります。
三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)という漢方薬です。

三黄瀉心湯を簡単に説明すると、熱下しの薬です。
身体全体に熱がこもっている状態に対して熱を捨てさせる解熱剤(抗炎症剤)なのです。

過覚醒状態は頭に血がのぼっているというか、過剰に興奮している状態ですので、熱を捨てさせることでクールダウンできるのかもしれません。


「私は神である」という思考が根強い場合には妄想性障害の可能性があります。
このようなときは漢方薬ではどうにもならない可能性が高いですので、すぐに精神科を受診して治療を受けることをお勧めいたします。
ご本人よりもむしろご家族の方が受診させる努力が必要かもしれません。

古代、政治には占星術や八卦、風水など「目に見えない力や存在」「自然界に存在する人智を超えた法則」…今風で言えばスピリチュアルの要素が強く影響していました。

超越的な予知能力や直感力を持っていたり、人心を見抜く力があったり、雨乞いの力があったりする特殊能力のある人は政治において重宝されていたことでしょう。

「私は神から特別な能力を授けられた預言者である」などと言って皇帝に近づいてきた人物も多かったかもしれません。

そんな人物に対するリトマス試験紙のように使われていたかもしれませんね。



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カゼは抗生物質では治せません

2022/3/15
ちょっと有名な話かもしれませんが

「風邪は抗生物質で治すことができません。」

これは現在では当たり前の医学常識となっているものの、一般の方のなかには「風邪です」と診断されると「心配なので抗生物質をください」とおっしゃる方が今でもいらっしゃいます。

新型コロナのおかげで「風邪とはコロナウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルスなどのウイルスが引き起こす疾患だ」という認識が一般のかたの中でも広まったように思います。

もう少し厳密に書くと、風邪というのは一つの疾患ではなく、微熱、くしゃみ、鼻水、寒気、頭痛、関節痛などの複数の症状が現れている状態であり「カゼ症候群」と呼ばれます。

病原体の種類によって、そして患者さんの体調などのバランスによって症状が異なります。そしてカゼ症候群の原因の9割がウイルスですが、マイコプラズマや細菌でもカゼ症候群になることはあります。


「細菌が原因でカゼ症候群になることがあるなら、抗生物質を使ってもいいではないか?」
とお思いになったでしょうか?

実はこの点は医学的にまじめに取り組むと非常にむずかしくなってしまいます。

まず、その患者さんがウイルスではなく細菌によってカゼ症候群を起こしていることを証明しなければなりません。
細菌感染症を抗生物質で治療するためには、病気を引き起こしている細菌を特定する必要があります。そして原因菌を特定したら、できる限りその菌だけに効く抗生物質を選ばなければならないのです。

はっきりと申しまして、日々の診療のなかで風邪に対してこんなに手間暇をかけるのは割に合わなすぎるのです。
なぜなら風邪は通常、数日間療養していれば治ってしまうからです。

それでもひと昔前には風邪に対して抗生物質が当たり前のように処方されていました。このような時には、あるていどたくさんの種類の細菌に効果がある抗生物質が使用されていたのですが、これが環境中の耐性菌を増やす一因となってしまっていました。

(耐性菌とは抗生物質が効かない細菌のことです)

耐性菌問題は非常に深刻であり、コロナウイルスなんかよりも多剤耐性菌によって人類は100年以内に滅びるのではないかとさえ言われることもあるくらいです。

このように、風邪に対して抗生物質を使用することは医療経済としても大いに無駄ですし、人類全体にとっても大きな損害である可能性があるのです。

乱暴な言い方になりますが、細菌が原因であったカゼの場合には、カゼを自力で治すことができずに気管支炎や肺炎へと進展するタイミングでこそ原因菌を特定する検査をおこない、抗生物質を選択して治療すればよいのです。


カゼに対して抗生物質を処方することがないのか、と訊かれると「時と場合によってはそういうことをします」という回答になります。細菌感染症のリスクが高い患者さんの場合、発症からある程度時間が経過しており、ウイルス感染に細菌感染が合併しているような場合などには抗生物質を使用します。

カゼの治療はあくまでウイルスに対する治療です。身体をほどほどに温め、ゆっくり休むことが第一ですし、ウイルス感染症の治療には漢方薬が非常に有効です。
抗生物質を処方すべきかどうかは、あくまで医師の判断になりますので、「抗生物質をくれるまで帰らない!」なんてことは言わないようにお願いいたします。


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