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赤ちゃんが母乳を飲んでくれない!

2021/9/10
子育てには苦労がつきものです。

赤ちゃんにとって栄養源は母乳だけですので、健康で丈夫に育ってくれるためには母乳をしっかり飲んでくれることが必要です。
人工ミルクはあくまで母乳の代用品であり、赤ちゃんの体調や成長に合わせて最適な成分バランスに母乳が調整される母子の精妙なコミュニケーション、生命の神秘さには遠く及びません。
現代の科学技術なんてそんなものです。

しかし、哺乳する力が弱いために十分に母乳をすって飲むことができない赤ちゃんもいます。そのような場合には鼻が閉じてしまっている鼻閉状態であることが原因であることが多いようです。

鼻が閉じてしまって母乳を吸引する力が弱い赤ちゃん対する漢方薬というものも、実はあります。

それもまた意外な漢方薬で、麻黄湯(まおうとう)という漢方薬です。

一般の方でも麻黄湯といえばインフルエンザと直結するくらい、麻黄湯は使用するイメージが固まっている漢方薬です。
インフルエンザのような感染症に対して使用する場合、麻黄湯は悪寒が強く、発熱して、体のふしぶしが痛み、発汗はなく、喘鳴などがして呼吸が苦しいときに使用します。

これは主に急性疾患に対する使用目標ですが、麻黄のエフェドリンによる気道拡張作用を応用して赤ちゃんの気道を広げることで鼻閉を治し、哺乳する力を高めることができるのです。

赤ちゃんにエフェドリンなんて危険極まりない!
という印象を抱かれるかもしれませんが、赤ちゃんや小さいお子さんは生命力が旺盛ですのでエフェドリンくらいなんてことないし、むしろ非常によく反応して治癒機転が働いてくれるのです。

この麻黄湯の使いかたですが、母親の指先を濡らして麻黄湯の粉末をつけ、赤ちゃんのほほの内側に塗ってから授乳を始めるのだそうです。

ちなみに高齢者になってくると麻黄剤への反応が悪くなりがちです。
そのためご高齢者の風邪やインフルエンザでは麻黄が主役の薬ではなく、ウィークポイントを補ったり抗病力をサポートするような生薬構成になっていきます。
年齢によって感染症に対する治療戦略が変わってくるのですね。アタリマエといえばアタリマエですが…。

さて、エフェドリン云々という薬理学的な話などまったくなかった時代に、赤ちゃんの鼻閉による哺乳困難に対する麻黄湯の有効性を発見したのですから、漢方の先人たちの知恵の偉大さには感服するほかありませんね。

むかし、漢方薬は当然ながら各地から生薬を買い集めてきて煎じて使用していました。
気候と風土が変われば当然、手に入る生薬も変わるわけです。だから漢方薬はとても高価なものでした。
そんな貴重で高価なものを利用できるのは、古代中国で言えば皇帝などの支配者層の人々が中心です。

ここから先は個人的な想像なのですが

古代中国の宮廷に仕える漢方医にとって、皇帝の子供が生まれたらなんとしても生かさなければならないわけです。あろうことか医療ミスで赤ちゃんが死んでしまったら自分もきっと処刑されたことでしょう。

赤ちゃんが母乳を飲んでくれないなどということになったらそりゃあもう大騒ぎだったはずです。
そこで何人もの宮廷医が集まって知恵を出し合って赤ちゃんが母乳を飲んでくれるようにあれこれ工夫したのだと思います。

もしかしたら、非常に賢い優秀な医師がして、「麻黄湯を使えばよい」と最初から正解を引き当てていたかもしれません。

でももしかしたら、あれをやってもダメ、これをやってもダメ、明日には処刑される…くらいに追い込まれた医師がヤケクソで麻黄湯を赤ちゃんに与えたら結果的にうまくいった…のかもしれませんね。

そういうストーリーを想像することも漢方の勉強の楽しさのひとつです。

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作用と副作用について

2021/8/24
「漢方薬は副作用がないんでしょう?」
漢方診療をしているとこのようなご質問をしばしば受けます。

漢方薬といえど、人体になんらかの作用を起こす薬理物質が含まれているのですから、好ましくない作用としての副作用は当然、起きる可能性があります。そうです。副作用というのは、起こるはずのない異常な事態ではなく、薬の作用機序から考えて当然起こりうる効果のうち、使用者にとって不都合な作用のことを言うのです。

ここで、薬の作用と副作用について一般の方が(一部の医療従事者も)誤解している点をお話してみようと思います。

ある薬(化学物質X)が人体に投与されると、なんらかの反応を起こすとします。
例えば血圧が下がるとか、痛みが鎮まるとか、よく眠れるとか。

物質Xが血圧を下げる効果を持っている理由は、人体が血圧を上昇させる複数の生化学的・生理反応的な経路のどこかに影響を持っているからです。一部の反応を進めるとか抑えるとか。

自動車にアクセルとブレーキがあるように、人体もアクセルとブレーキが備わっており、ほぼ全自動でバランスをとってくれています。その性質のことをホメオスタシス(恒常性)と言います。
アクセルとブレーキが自律神経、全自動運転機能がホメオスタシスですね。

さて、物質Xが人体の中で何らかの反応を起こすと、アクセルが強く踏み込まれて、結果として車が加速するとします。

そうすると車は急加速したりするわけで、車内に乗っている人は急加速の反動でヘッドレストに頭をぶつけてしまうかもしれません。手にジュースを持っていたらこぼしてしまうかも。アイスクリームを舐めていたら顔にべしゃっとぶつけてしまうかもしれませんね。

そんなわけでアクセルを急に踏むと車内でいろいろなトラブルが起きるわけですが、これが副作用なわけです。
全自動運転システム(ホメオスタシス)のほうは急加速を検知して、車体を制御するためにブレーキを作動させるわけです。
まぁ…いろいろなことが起きるというわけですね。

薬の作用と副作用も同じような関係です。

ある化学物質Xが持っている、期待される効果が「作用」と名付けられ、物質Xが持っている余計な効果(不都合な効果)が「副作用」と名付けられているのです。

でも人体にとってみてはどれもこれも起こるべくして起こっている現象なわけです。

薬の作用、副作用とはこのような話なわけで、期待される効果が不都合な効果にくらべて損得勘定で得が多いと考える場合にその薬が利用されているというわけです。

だから作用と副作用は一体なのだということです。
副作用は生じて当然。副作用が生じないのなら作用も生じないということになるわけで、それは薬としては何の役にもたたないということですね。

「クスリはリスク」とはよく言ったもので、医療行為には何らかの不都合な面(副作用とか後遺症とか合併症とか)があるわけですが、そのデメリットを超えるメリットがあるから正当化されるのです(死を免れるとか、日常生活の質を大幅に改善するとか)。

外科医が最初に肝に銘じることとして「手術という人傷つける行為が犯罪にならないのは、それが医療行為としてデメリットよりもメリットが大きく上回るから容認されるのだ」という教えがあります。
全くその通りなわけです。だから外科医という立場からは、むやみやたらに身体を傷つける行為をファッションや文化として受け入れることには抵抗を感じてしまいます。

話を本題に戻しましょう。
漢方薬に副作用がないのかと言えば当然あるわけです。
有名なものが偽アルドステロン症(低カリウム血症、高血圧、浮腫、脱力)や間質性肺炎、肝機能障害ですがこれらは甘草や柴胡、黄ゴンなどの生薬が起こしやすいことも知られています。

漢方薬が西洋薬と比べて副作用が少ないとイメージされる理由は、西洋薬が基本的に単一化学物質であるのに対して、漢方薬は複数の生薬を組み合わせてできあがっているという点にあります。

漢方薬は生薬の組み合わせによって、期待される効果は大きく、不都合な効果は小さく抑えることを狙って作成されています。その結果、西洋薬と比べると副作用が軽減されているのです。

2000年を超える先人の知恵と努力と創意工夫の結果ですね。

最後に、不都合な効果のはずの副作用が、実は非常に有益な(好都合な)作用だった例を一つ。

それはAGA(壮年性脱毛症)に使用されるフィナステリドです。
フィナステリドは前立腺肥大症の治療薬として見いだされ、開発されました。そして前立腺肥大症の臨床に使用が始まると、次々と不思議な副作用が報告されたのです。

それは「髪の毛が生えてきた!」という副作用でした。

「ハゲの特効薬を作れたらノーベル賞」と何十年も前から言われている医学界で、フィナステリドの副作用はまさしく多くの人に希望を与えた作用でした。そしてフィナステリドの副作用は、AGAに対する好ましい作用(効果・効能)となったのです。


そういえば、「不都合な真実の不都合な真実」という面白い映画がむかしありました。


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母乳が出ない!

2021/8/16
産後のお悩みの一つ「母乳が出ない」。

今でこそ粉ミルクや液状ミルクがありますが、江戸時代や戦後の物資がない時代などには母乳が出なければ赤ちゃんを育てることができなかったわけで、非常に重大な問題だったわけです。

母乳が出るためには栄養が十分に摂れていることも大切です。
ただ、分泌できるはずなのに分泌できない。
出てくるはずのものが出てこないというときに漢方を使用することもあります。

これが意外な漢方なのですが、漢方医学をよく理解されている先生であれば知っている…というか、よく理解されている先生が使い始めたのだろうと思います。

その意外な漢方薬は「葛根湯(かっこんとう)」です。
だれもが「カゼには葛根湯」というくらい知っているのに、
「母乳が出なければ葛根湯」ということは知らないものです。

葛根湯には「排膿を促す作用」があります。
この作用を応用し、溜まっている母乳の分泌を促すのです。
さらにこの利用法を応用し、乳腺炎に使用することもあります。

とにかく、溜まっているもの(膿や分泌物)を出してしまうことで問題が解決するようなときに葛根湯を使用するようです。

葛根湯を応用した漢方薬に葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)という漢方薬があります。こちらは副鼻腔炎の治療に使用されますが、やはり溜まった鼻汁を葛根湯の力で排出させようと狙ったものであると考えられます。

漢方薬はときに想定外の効果を発揮してくれますね。

ちなみに母乳分泌で有名な食品といえば、玄米やタンポポコーヒーです。

また、昔は「乳母(うば)」という方法もありました。
母乳が出るご近所の奥様に授乳をお願いしたのです。
日本が物質的に貧しい時代の名残というべきか、やむを得ない風習であったというべきか、表現はむずかしいところですがきっともっともっと古い時代から行われていたことではないかと思います。

乳母というシステムは免疫という点では非常にメリットの大きい手段だったと思います。
免疫にとって重要なのは「多種多様」であることです。
色々なものに接することが免疫をブラッシュアップしていき、アレルギー疾患や自己免疫疾患を起こさず、そして感染症に対して抵抗力を高めることができます。

乳母の方から母乳をもらうことが一般的な集団では、それぞれの家族が保有する常在菌や免疫グロブリンなどが相互に受け渡され、交流していたと予想されます。
まさしく免疫力を集団で鍛えていたのであり、本当の意味での集団免疫です。

昔は集落や町内からの人の出入りというものもそれほどありませんでしたから、自分を育ててくれた乳母さんに大人になってから会うとなんとも気恥ずかしいというか頭が上がらないというか複雑な感情を覚えたものです。

現代では乳母などというと、もらう側であれあげる側であれどちらにも嫌がられてしまうのでしょうか。他人の母乳というと嫌悪感を抱く人が多いようです。
物質的に豊かになるとはこういうことなのでしょうか。

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タコ🐙なの?魚(うお)🐟なの?

2021/7/26
体の一部に物理的な刺激が慢性的に反復して加えられることによって生じる皮膚の病変…
と言われても何のことかわからないかもしれませんが、

「タコ」と「ウオノメ」のことです。
好発部位にちがいはありますが、どちらも機序としては同じでありよく似た皮膚病変です。
角質が異常に肥厚してしまい、場合によっては痛みを伴います。

タコの医学的な正式名称は胼胝(べんち)。
ウオノメの正式名称は鶏眼(けいがん)です。

魚の眼であろうと鶏の眼であろうとどちらでもいいのではないかと思ってしまうのですが、きっと喧々諤々(けんけんがくがく)な議論の末にニワトリが魚に勝ったのでしょう。

さて、タコとウオノメはよく似た皮膚病変ですが、見分け方はご存じでしょうか?

やや赤黒かったりしてぬめぬめしていて足が8本あって…

ということではなく

タコでは角質の肥厚が皮膚の外側に向かって進んでいきます。
一方、ウオノメでは角質の肥厚が皮膚の内側に向かって進んでいきます。

どちらも中心部分に芯のような角質の栓(核)があるのですが、タコは外用剤で柔らかくして剃刀などで削っていくと簡単にきれいになります。
しかしウオノメでは栓が内側に向かってもぐりこんでいるため、削っても削っても核を取り除かないとまた再発してしまいます。

ウオノメの核を除去するのがまた大変で、気を付けないと周囲の正常かつ敏感な皮膚を傷つけてしまい治療に苦痛が伴ってしまいます。

タコやウオノメに対する外用剤治療ではサリチル酸絆創膏が使用されます。タコやウオノメができる場所は絆創膏を貼ってもズレやすい場所なのですが、なるべく長い時間ズレないように貼っておくことで角質を柔らかくすることができます。

もちろん、定期的に剥がして手や足をきちんと洗って清潔を保つようにしてください。

また、そもそもの原因である物理的刺激を回避することも重要です。
足にできたウオノメは靴や歩き方が原因になっていることがほとんどですので、靴を買い替えたり歩き方を見直しましょう。

昔はペンダコと言ってペンや鉛筆などをよく使う人の指にタコができたものですが、今や小学生がパッド型デバイスで勉強する時代にもなりました。ペンダコなんて絶滅危惧種のまさしく「幻のタコ」になってしまったのかもしれませんね。

以前は100円のカミソリで自分で削ったりもしていましたが、最近ではタコやウオノメに対応している電動ピーラーが通販番組でも販売されるようになりました。
もしかしたらそういうもので十分キレイにできてしまうのかもしれません。

時代の移り変わりとともに疾患も治療方法も変わっていくものです。

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寝ても寝ても寝たりない…体が重くて動かせない…そんな「ダルおも」には

2021/7/12
梅雨から夏にかけては高温多湿で不快な季節です。
実は非常に過ごしづらい気候なので、夏に体調を崩すというかたも多くいらっしゃいます。

自宅や職場、お店などの冷房が強すぎるため、冷え症の人にとっては冬よりも過ごしにくい状況になってしまっています。
暑くて汗が出て不快に感じたとしても、夏は夏らしく暑さを感じて汗がちゃんと出る程度の温度・環境調整をすることが重要です。

全館空調などにより一年中一定の環境で過ごすことはとても快適かもしれませんが、四季の気候を感じて季節の変化に適応していくことで身体機能が高められるというものです。

最近になって急に体が重く感じ、だるくて仕方がないなんてことはありませんでしょうか?

いわゆる「ダルおも」ですね。

寝ても寝ても疲れがとれなくてもっと寝ていたい。
手足がむくんでだるくて重い。
立ち上がると頭がくらくらして動悸がする。
なんだか食欲もなくて消化不良で下をしている。
夏なのに寒くてしかたがない。

こんな症状でお悩みの場合には、夏バテというよりも水の巡りの異常が原因かもしれません。

水の巡りの異常は新陳代謝の低下で起きています。
この季節は口にするものも冷たいものばかりですので、胃腸が冷えてしまいがちです。
そうすると余計に新陳代謝が低下してしまいます。

外気温が高いからと言って冷たいものばかり飲んだり食べたりすることで体調の悪化に拍車がかかります。

冷房がガンガンに利いた店内で、キンキンに冷えた飲み物を飲み、冷たい麺類などを大食いする…

数回くらいは平気かもしれませんが、そんな生活をしているとそのうち夏バテになってしまいます。
もともと丈夫なひとなら夏バテ程度で済みますが、もともと虚弱であったり冷え症のひとがそんなことをしていたら一気に新陳代謝が低下してしまいます。

そんな時に使用する漢方薬が「真武湯(しんぶとう)」という漢方薬です。

以前にもご紹介したことがありますが、真武湯は新陳代謝が低下し、身体が冷えて水がたまってしまうことで生じる諸症状に効果があります。

附子(ぶし)という体を強力に温める生薬が入っているので、夏にはあまり使わないイメージの漢方薬だったのですが、最近当院に「ダル重」でいらっしゃる患者さんが多く、しばしば処方しています。

真武湯の効きどころは胃腸ではなく腎という機能です。
漢方における腎とは、生まれもった生命エネルギーのようなニュアンスをもつ機能です。

実際には泌尿器や生殖器の機能が含まれ、老化現象に関係する諸症状も腎に関係があるとされています。

腎を例えるときには「生まれもったバッテリー」という表現をよく使います。
バッテリーの出力が落ちてしまうために電源が落ちてしまうイメージは「ダルおも」にピッタリではないでしょうか?

「ダルおも」になると本当に何をやるにもやろうという気力が出てこなくなります。
気力以前に体が動かなくなってしまい、寝るくらいしかできません。
まさしくスイッチが切れたように寝てしまうのです。

そうなってしまう前に真武湯で治療を始めたいものですが、環境調整のほうが重要である点はお忘れなく。

…そういえば、昔のコント番組で加藤茶さんが人気のハゲオヤジのキャラをよく演じていましたね。
今、改めて観てみると上下とも綿の白の肌着にラクダ色の腹巻を装着しています。
これは昭和の定番スタイルでした。

夏で薄着になってもお腹や腎臓まわりは冷やさないようにするのが生活の知恵だったわけです。

しばらく前から若い女性を中心にへそ出しファッションが流行っていますし、妊婦さんでもへそを出していたりお腹が冷えてしまうような薄着でアイスクリームを食べていたりします。

生活の知恵というものを大切にしたいものです。


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