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第3回 すこやかセミナー「夏から秋へ、養生生活」

2020/10/3
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9月のすこやかセミナーは「夏から秋へ養生生活」ということで、 
夏から秋へと季節の変わり目に体調を崩さないよう気をつけるべき点についてお話いたしました。

この時期の過ごし方は冬の体調にまで影響をおよぼす重要な問題です。
漢方の古典においても、この時期に適切な過ごし方をしないと冬になって下痢をするようになると記載されています。

朝晩に少し肌寒い空気がまざり始め、冷たいものの飲食を重ねてきた胃腸の疲れも現れやすくなります。 
この時期に疲れがなかなか取れないのが本来の「夏バテ」です。 
夏の過酷な環境、胃腸に負担のかかる飲食によって体が疲弊してしまった状態なのですね。
 
ですので、この時期には体を労わり、十分な休養を与えつつもこれから来る秋そして冬という寒い季節へと体をシフトチェンジしていかねばなりません。

季節の変わり目に体調を崩しやすいという話は多くのかたが共感できることではないでしょうか?
夏から秋への移行期の過ごし方として重要なことは、「だんだん寒くなる」ことへの対応と「だんだん乾燥する」ことへの対応です。
こう書いてしまえば「なんだそんな当たり前のことか」と思われるかもしれませんが、油断大敵です。
当たり前のことが当たり前に大切なのです。

現代社会では冷暖房完備の環境が当たり前になってしまいました。ご自宅が全館空調の方もだいぶ増えてきたのではないでしょうか?
全館空調の室内では一年を通して25℃前後の環境が保たれるため、四季の変化に肉体が適応することが次第に苦手になっていってしまうのではないかと危惧しています。
夏場には冷房で身体が冷えてしまう方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、冷え切った体で外出して猛暑にさらされて…
それでは否が応でも体はバテてしまいます。
そして朝晩は冷え、昼間はまだ暑い…やはりどこまでも身体には負担がかかってしまいます。 

快適な生活空間はとてもとてもありがたいものですが、身体が本来もっている適応能力や調節能力を失ってしまったら元も子もありませんね。
人間は自然にうまく適応しながら、そして自然の恩恵を受けながら生き延びてきました。
その歴史から得られたさまざまな教訓が文化や伝統、あるいは生活の知恵として伝わっていました。「おばあちゃんの知恵袋」とはまさにその一例です。

夏には夏の、秋には秋のただしい過ごし方をして病気を寄せつけない身体つくりをしていきたいものですね。

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のどが詰まる感じがする!いつもなにか挟まってる!

2021/9/8
あまり喜ばしいことではないですが、「コロナうつ」という言葉もだいぶ一般化してきたように思います。 
世間の風潮としても、思うように外出できないため、運動不足にもなるしストレスも溜まる… 
長引く自粛生活は少しずつ心身をむしばんでいきます。 

当院を受診される方のお話を伺っていると「コロナが始まってから…」と話される方が多くいらっしゃいます。 
新型コロナウイルスは確かに私たちの生活に大きな変化をもたらしました。
もしかしたら今感じている心身の不調は「コロナうつ」の一部なのかもしれません。  

漢方においては、ストレスが溜まると気のめぐりが悪くなってしまい
気鬱(きうつ)」や「気滞(きたい)」という状態を招くと考えます。 
漢方では人体を気がめぐっていると考えます。まるで電化製品の中を電気が流れているようなイメージです。 
「気鬱(きうつ)」「気滞(きたい)」ではその「気」のめぐりが、どこか一点に留まってしまうのですね。
 
「気滞」の症状として有名なものが
喉がつまる感じがする」「飲み込みづらい」「喉になにか引っかかっている感じがする」というものです。 
これらの症状をみたら何も考えずに 「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」を処方したくなってしまいます。
半夏厚朴湯は気滞治療の代表的な処方薬です。

チャクラの話をすると、のどのところは第5チャクラの位置で、コミュニケーションに関するチャクラなんだそうです。チャクラも漢方における「気」と似たようなものですから、のどの症状は第5チャクラの不調であり、おそらく「言いたいことも言えずにガマンしているストレス」が喉の症状として現れてくるのではないかと思います。
以前、ある患者さんにこの話をしたところ、その場で少し考えて「あっ!」という顔をしたと思ったら「そっか!わかりました。もう大丈夫です!」と言って帰っていかれた方がいました。何か思い当たる節があり、それがわかって解決できたそうです。
 
また、気滞の状態にさらにストレスがかかっている状況や胸腹部に炎症が生じているような状況で、肋骨周りが固くなっている場合があります。 
このような場合には小柴胡湯(しょうさいことう)半夏厚朴湯を合わせた柴朴湯(さいぼくとう)という漢方薬を処方したりします。
小柴胡湯が肋骨まわりの炎症を治めてくれます。 

「喉になにか引っかかっている」ことを漢方の古典では「梅核気(ばいかくき)」と表現しています。梅干しのタネが喉に引っかかってしまっているという表現なのですね。 
西洋医学的な分析によると、精神的な要因でのどの周囲の筋肉が硬直気味になってしまうことを「何かはさまっている」という風に自覚するようです。
東洋医学のある有名な先生の書籍には、半夏厚朴湯は「硬い印象のひと」に向いているという記述がありました。なるほど、心も喉も硬くなってしまうタイプのひとがいらっしゃるんでしょうね。

当院にいらっしゃった方の中で、印象的な梅核気の症状を訴えた方は「ビタミン剤を飲むときだけ喉にひっかかって上手く飲み込めない」と話しておられました。
とても興味深い症状ですね。もちろん(?)半夏厚朴湯を処方し、その症状は改善されました。

ある本を読んでいたときに「梅核気は香蘇散(こうそさん)で治す」ということが書いてあって驚いたことがあります。
香蘇散はカゼで気うつになっているときに使うのが典型的です。軽いうつ症状にも効果があります。
しかし、梅核気といえば半夏厚朴湯という認識だったので、この時はとても驚きました。
香蘇散を使う状況はどちらかと言えばみぞおちが気持ち悪いことが多いのです。
しかし、香蘇散も半夏厚朴湯も気うつ(気滞)の治療薬ですから、のどの症状ばかりでなく全身的なことを考えて適切に使いたいものです。

古典を読んでいると、漢方医学が作られていった時代や社会、文化的背景を知ることができます。 
2000年も前に、身近な植物や鉱物を上手く組み合わせることで心身のバランスを治療してきた漢方医学…。 
気血水(きけつすい)理論や陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)などの理論や思想的背景が正しいかどうかは別として、完成度がとても高い医学体系であると思います。 

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第2回 すこやかセミナー「体の生理に合わせた食生活」

2020/9/24
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8月に開催した第2回目の「すこやかセミナー」では
体の生理に合わせた食生活」をテーマとしました。

1日3食、規則正しく食べることが良い!
と一般的には言われていますが、
人間の体は1日の中でさまざまな生理活動をしています。
実は、時間帯によって主な働きも変わります。

食事のとり方によっては、体への負担が大きくなり、
効率的な生理活動を妨げることになりかねません。
例えば夜中に暴飲暴食すれば体に悪影響が出ることは簡単にわかりますよね。

1日のうち、午前中は主に「排泄」の時間です。
朝からスッキリ出せることは、健康の指標の一つと言っても過言ではありません。
ところが、朝ごはんをお腹いっぱい食べてしまうと排泄活動が妨げられてしまいます。

そこで、大人の場合には朝食は最低限の水分と栄養を摂取するだけにして
消化器官に負担をかけないことが大切になってきます。 
午前中から肉体労働をするわけではないのなら、朝食は豆乳やスムージーでも十分なのです。 

その分、昼食の分量は少し多めにしてたっぷりと栄養を摂ることが大切です。 
正午から午後8時頃までが消化・吸収を主におこなう時間帯なのです。 
そして夕食はなるべく早めに、そしてあまり量を食べないこともポイントです。

 

午後8時から夜中にかけては、組織の修復や成長のめの材料を作り出す「同化」の時間帯です。
1日のうちで自然治癒現象が最も活発に行われているのもこの時間帯ではないでしょうか? 
夜ご飯をガッツリ食べてしまうと、いつまでも「消化」をしなければならず、
大切な「同化」を十分に行うことができません。
いわば残業をさせられているようなものなのです。 

ですから、夕食を早い時間に、消化の良いものを、少なめに食べてしまい 
あとはゆっくりとリラックスして休息の時間を過ごすことが重要です。

 

もちろん、夜更かしせずに早い時間に就寝することも忘れてはなりません。 

午後10時から午前2時の間に成長ホルモンの分泌が盛んになるため、 
その時間帯にすでに熟睡できていれば効率よく体の自己修復や成長活動をおこなうことができます。

 

まとめると、朝は最低限の水分と栄養を摂取して、お昼にしっかり栄養を摂りましょう。 
夕飯も早い時間に済ませてゆっくりと夜を過ごすことが大切です。 


今までの食事内容そのものを大きく変更しなくても、 
食事を摂る時間や量のバランスを変えるだけでも

体の調子が良くなっていることを実感でき、
わずかながら減量ができると思いますよ。 


イベントではその他に消化器官に負担をかけない食べ合わせの話や、
くだものの正しい食べ方についてお話させていただきました。

 

今回の内容は基本的かつ大切な内容なので、今後も繰り返していく予定です。 
セミナーやイベントに関する情報は、ホームページやSNSで随時発信しています。
また、お電話やメール、ラインでもお問い合わせ可能です。

すこやかセミナーは毎月一回、土曜日の午後に開催している
入門的なセミナーです。
健康のために自分で何か取り組みたいけれど、何をしていいかわからないという方
ぜひ遊びにきてみてください。

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漢方なぞなぞ

2020/9/23
子供のころに「なぞなぞ」ってやりましたよね。 
クイズと違って、知っているか知らないかの問題ではなく
想像力をはたらかせなければ答えがわからないのでとても良い遊びだったと思います。 

誰もが知っている なぞなぞ と言えば
「下は大火事、上は洪水。これな~んだ?」ではないでしょうか? 
答えは「お風呂」ということで、この なぞなぞ が出来た時代背景にも思いを馳せることができますね。 

ではここで問題です。 

上は大火事、下は洪水。これな~んだ?」 

さぁ、いかがでしょうか? 
もちろん漢方の問題です。 

なかなかの良問を思いついたと思ったのですが
この問題の答えを考えていたら、どうも複数の正解がありそうです。 
個人的にイメージしていたのは
上半身はのぼせて、下半身には水が溜まって浮腫んでいる状態でした。 
下半身に水が溜まるのだから、当然下半身は冷えているということです。
 

と、いうことで漢方の証で言う「上熱下寒(じょうねつげかん)」をイメージしていました。 
血のめぐりが悪いときの症状「冷えのぼせ」のことでもありますね。
これに水が溜まっている状態ですので正解は「桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)」ということにしようと思っていましたが…
 
例えば、急性疾患に使用する際の五苓散(ごれいさん)越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)なども正解になりそうですね。 

「漢方なぞなぞ」で大切なのは問題に合致しそうな証(しょう)をイメージすることだと思います。 
漢方では「あの病気にもこの病気にもこの漢方薬」ということがしばしばあります。
というのも2000年前に生まれた漢方にとって、現代医学的な病気の診断などできませんでした。
ですので、漢方では「この人はなんの病気なのか?」という視点ではなく
「この人はどの漢方薬が効くだろうか?」という視点で診療をおこないます。
これを「証(しょう)をみる」と言います。
漢方では「治し方」を診断しているのですね。
想像力を鍛えることは漢方診療の実力もきっと高めてくれるはずです。 
そして漢方薬を覚えるのにも役に立つのではないでしょうか? 

そういう本でも書こうかな? 

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花粉症 ~目にくる花粉症~

2021/3/12
こんにちは!
朝晩は半袖で過ごしていると寒く感じるようになりましたね。
今回は花粉症②です。
前回は鼻水やくしゃみが主症状の花粉症に対する漢方治療の話でした。今回は「目」の症状が主体の花粉症治療です。

花粉症で苦しんでいる方々は、花粉の時期になると目がかゆくてかゆくて仕方がない、取り出して水洗いしてしまいたいなんておっしゃいます。
それほどまでに大変不快な症状だということですね。
花粉症による目の熱感、かゆみ、流涙には、小青竜湯ももちろん効果があります。
アレルギー性結膜炎は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)の保険適応にもなっています。

しかし、小青竜湯ではちょっと効果が不十分…という方もいらっしゃいます。
そのような場合には越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を使うことが多いです。
越婢加朮湯は「石膏」という生薬が入っていて、これが清熱作用を発揮します。そのため、炎症による熱感を伴う症状が強い場合には石膏含有薬の方が効果を発揮する印象があります。 

越婢加朮湯は本来、腎炎やネフローゼ、脚気、関節リウマチなどで体がむくんで汗も多量に出る病態を治療する漢方薬です。
また、瞼にできる翼状贅片の治療に使うことも専門家であれば知っています。
そんなこともあり、眼の充血や眼瞼のむくみと炎症の治療に応用されています。

苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)は別として、花粉症に使用する代表的な漢方薬である小青竜湯や越婢加朮湯、それに葛根湯(かっこんとう)などの漢方薬に共通するのは「麻黄」という生薬です。 
前回は触れませんでしたが、「麻黄(まおう)」には抗ヒスタミン作用があります。
しかし、そればかりではなくエフェドリン作用もあるため西洋薬と違って眠くなりません。
このように考えていると、今度は麻黄を含有していない苓甘姜味辛夏仁湯で花粉症が治まることが不思議に思えてきますね。

西洋医学では「花粉症」「アレルギー性鼻炎」とひとくくりにして診断してしまいますが、花粉に対するアレルギー反応の出方が人それぞれ異なるのでしょうし、きっと「花粉症」の中にも異なる病態がいくつも混ざっているのだろうと思います。
漢方薬は、一つの生薬の中にも複数の薬効成分が含まれていますし、さらに複数の生薬を組み合わせることで人体全体のバランスをうまく調整するよう設計されています。 
現代のように成分分析が存在しない時代にこれほどまでに絶妙なバランス感覚で漢方薬が生み出されてきたのですから、先人の知恵と努力には感服する以外ありません。
2000年かけて出来上がった漢方の道は果てしなく遠くどこまでも続くようです。 

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