新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック|内科・漢方内科、外科、補完・代替医療(自由診療)

新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック

ブログ

健康のこと、日常のことなどを発信しています。

カゼには葛根湯!?

2021/12/8
「カゼには葛根湯(かっこんとう)」

日本中で定着しているキャッチフレーズではないでしょうか?
漢方の専門家からは怒られてしまいそうなキャッチフレーズですが、
広く定着しているということはそれだけ説得力があるというようにも考えることができます。
実際、葛根湯はたいていの方のカゼに対してそれなりに効果を発揮します。それほど巧妙に、計算されて作られた素晴らしい漢方薬なのだということです。

落語の世界には「葛根湯医(かっこんとうい)」という噺(はなし)があります。
風邪でもなんでも患者が来たら葛根湯を処方する。患者だけではなくて連れ添いの人にも葛根湯を処方してしまうという笑い話なのですれども、そんな落語ができてしまうほど葛根湯は昔から愛用されていたし、風邪だけではなくいろいろな症状に対して効果がある薬だったということなのでしょう。
そしておそらく、江戸時代でも入手しやすい生薬で構成されており、頼れる庶民の味方だったのだろうと思います。当時の漢方医は、入手可能な生薬を駆使してあれこれ調整しながら患者さん毎に薬を調合していたので、名前は同じ葛根湯でもおそらく中身は一人一人異なっていたのだろうと思います。

さて、そんな葛根湯ですが現代では文明の力のおかげでエキス剤というありがたい形となって日本中に普及しています。
薬局やドラッグストアでは葛根湯と西洋医学的な薬の合剤(コ〇ト顆粒)なども売られているので、カゼをひいたらとりあえず飲んでみるという方も多いのではないでしょうか?

漢方の古典にのっとった使い方をする場合、葛根湯は「体力的に充実している人が、首筋から方にかけて冷えと凝りを感じる」カゼに処方します。
葛根湯を内服すると、僧帽筋(首すじから背中にかけての筋肉)の血流がよくなり温まることが知られています。ここから応用として「肩こり」にも葛根湯を使用することがあります。

もちろん、本来はカゼのような軽い症状に対してではなくインフルエンザくらいしっかりと具合が悪いときに漢方を使用すべきです。
ちょっとしたカゼくらいならきちんと養生して自力で治すことが健康づくりの大前提です。
「首のコリ」という症状から、昔は髄膜炎のような重症感染症に使用したこともあるようですが現代では西洋医学的治療が優先されるべきでしょう。

抗生物質や抗ウイルス薬が開発されるまでは、日本人はさまざまな感染症に対して漢方薬で戦ってきました。
カゼひとつとっても、人によって症状も違えば経過にも差があります。それぞれの人に合わせた治療薬があるところが漢方薬の強みであるように思老います。


いつの日も こころ楽しく すこやかに
 
⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩ 
【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 
Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff  
Twitter ▶ @SukoyakaNaika 
Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック 
LINE ▶ sukoyakaclinic または https://line.me/ti/p/7m5HhKojPR 
👉LINEから受診予約やお問い合わせができます♪ 
✨11月から特典つきライン公式アカウントを公開します!お友だち登録のご変更をお願いいたします✨ 

第4回すこやかセミナー「マクロビで秋を楽しむ」

2020/10/22
10月のすこやかセミナーは、これから迎える実りの秋をおいしく健康的に楽しむための工夫について
マクロビオティックの観点からお話させていただきました。

マクロビオティック(通称:マクロビ)という言葉をどこかで聞いたことがあるかたも多いのではないでしょうか?どんなイメージをお持ちでしょうか?「玄米食」のイメージが強いかもしれません。

マクロビオティックについて簡単に説明しますと、日本の伝統的な食文化が欧米で再評価され、食事療法として確立していったものです。

アメリカでは増加し続ける生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症など)やガンに対して積極的に政治的に取り組んできました。
その結果、1970年代頃には、いわゆる「アメリカっぽい」「欧米的な」食生活こそ増え続ける病気の最大の原因であると考えるようになりました。

つまり、肉食やファストフード、砂糖や油たっぷりで野菜をほとんど食べない食生活こそが生活習慣病やガン、心疾患、脳卒中のもっとも重要な原因であると考えるようになったのです。そのため健康で安全な食糧が供給されるように政策を進めるとともに、健康的な食文化を探し求めたのでした。

そこで注目されたのが日本の伝統的な食生活…と、言っても私たち戦後の食生活ではなくて、江戸時代頃の食生活が評価されました。
やはりこのあたりは、国家として誕生して数百年のアメリカと縄文時代から数えれば10000年単位で文化を持ち続けている日本との差が実感される点ではないかと思います。

そんなわけで、海外で普及活動がおこなわれていたマクロビオティックに白羽の矢が立ったのでした。

どのような学問にも背景にある思想や哲学というものがあります。マクロビオティックを正しく理解するには、その背景にある哲学あるいは精神を理解することが大切です。 
マクロビオティックの基本的な考え方として「一物全体(いちぶつぜんたい)」「身土不二(しんどふに)」そして東洋的な「陰陽(いんよう)」の思想があります。

「一物全体」を簡単にいえば「食材をまるごと食べましょう」ということです。栄養学的にも理に適っていますね。
「身土不二」は「地産地消」みたいな話です(本当はもっと深い話です)。
「陰陽」は「その人に合ったものを食べましょう」という話です。 

本来はこのような思想的背景があり、それに基づいた理論があり、そして個々に合わせた食事のスタイルが作り上げられていくのですけれども、わかりやすいイメージとして「玄米食」が先行・定着してしまったようです。
マクロビオティックも正しく理解して実践しなければ逆に体調を崩してしまうことがあります。マクロビオティックが完全で完璧な食事療法であるとは断言できませんけれども、食事は「自分の健康を自分でコントロールする手段」としてわたしたち一人一人ができる最も効果的な健康方法です。

これからも定期的に(あるいはご要望に応じて)マクロビオティックをご紹介していきたいと思います。 


いつの日も こころ楽しく すこやかに

⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩ 
【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 
Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff  
Twitter ▶ @SukoyakaNaika 
Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック 
LINE ▶ sukoyakaclinic または https://line.me/ti/p/7m5HhKojPR 
👉LINEから受診予約やお問い合わせができます♪
✨11月にビジネス用公式アカウント公開予定!登録変更していただくと各種特典があります!✨

こどもの夜尿症(おねしょ)

2020/10/19
子供のころの「おねしょ(夜尿症)」の記憶は
恥ずかしくもあり、懐かしくもある微笑ましいものではないでしょうか。

昔は「布団にシミをつくった」とか「地図を描いた」などと言いましたが
今どきはベッドで寝るご家庭の方が圧倒的に多いのでしょうか?

一般的に、おねしょは子供が成長すれば徐々になくなると言います。
だから別に気にする必要もないし、ましてや子供を叱責する必要もないのですが、ごくまれに中学生になってもおねしょが治らない方がいらっしゃいます。 
このような場合、ご本人の精神的苦痛や劣等感に加えて社会生活にまで支障を来してしまう可能性がありますので、なんとかしてあげたいものです。

子供のおねしょに使用する代表的な漢方薬といえば小建中湯(しょうけんちゅうとう)桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)です。
名前は全然ちがうのですが、どちらも桂枝湯(けいしとう)という漢方薬の基本にして起源のような薬から派生したものです。なので親戚関係にある薬です。

小建中湯を処方するのは、お腹がよわくてナイーブなお子さんが典型的なイメージです。
漢方薬の解説書を読んでみると、虚弱な子供の慢性疲労症候群や過敏性腸症候群、登校拒否、夜泣きなどにも使用すると書いてあります。
そのほか「お腹にくるカゼ」にもよく使用します。
小建中湯を処方するお子さんは、お腹を診察するときにくすぐったがって笑ってしまうということもしばしばあります。

桂枝加竜骨牡蛎湯は小建中湯の大人バージョンのようなイメージの薬です。
でももちろん、子供のおねしょにも使用します。小建中湯とは薬効の狙いどころが少し異なります。
イメージでいうと、とにかく生真面目でそれでいて弱気で、細かい仕事を目立たないところで一生懸命やっているような方のイメージです。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)という薬も夜尿症の適応があります。
越婢加朮湯は関節リウマチや腎炎、ネフローゼに使用するイメージの薬ですが、翼状片という目の病気に使うイメージも定着しているように思います。
以前、当院のブログでは「目の症状が強い花粉症」に使用することも投稿しました。

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)という薬も夜尿症の適応があります。
この薬は加齢などの理由で腰から下がとても冷えて腰痛や尿漏れをするような場合に使用します。
ですからどちらかと言えばご高齢者の夜尿症に合うのでしょう。
漢方の古典では「まるで腰に大量の小銭をぶらさげているように腰が重い」という主旨の条文が書かれています。
面白いですね。

ちょっとマニアック?な選択肢としては白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)も夜尿症に使うようです。
熱がこもっている方の夜間多尿の場合です。
白虎加人参湯は熱中症対策の漢方として以前にご紹介しました。

漢方薬のおもしろいところは、このように一つの漢方がいろいろな症状や疾病の治療に利用されているところです。
漢方薬は、その薬が効くという「証」に合わせて処方するのでこのようなことになります。
本来は、生薬を足したり引いたりしてその人に最適な処方作りを目指すのですが、今は便利なエキス剤ができていてこれらをうまく活用するだけでも十分に効果を出すことができますし、なにより手軽に持ち運んだり毎日煎じなくてよいのは本当にありがたいことです。


いつの日も こころ楽しく すこやかに

⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩
【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 
Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff  
Twitter ▶ @SukoyakaNaika 
Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック 
LINE ▶ sukoyakaclinic または https://line.me/ti/p/7m5HhKojPR 
👉LINEから受診予約やお問い合わせができます♪ 
✨11月にLINE公式アカウント公開予定!お得情報や特典があります✨ 

思春期の悩み、ニキビ

2020/10/12
思春期の悩みの代表といえば「ニキビ」ではないでしょうか? 
大人になっても「吹き出物」と名前を変えて出てくることがあります。

西洋医学的にはニキビの原因は「アクネ菌」であると言われていますが… 
アクネ菌は人間の体表面に自然に生息している「常在菌(じょうざいきん)」の一種です。 
もしもアクネ菌がニキビの原因だとしたら、人類のほとんど全員がニキビに悩むことになるのですが、そんなことはありませんよね。
問題は、アクネ菌が増殖して炎症を起こしてニキビを作ってしまう土壌にあるということです。土壌つまり肌の環境は、食事や生活習慣に大きく影響されます。

思春期にニキビが多い理由の一つとして、性ホルモンの変化による体のバランスの変化が関係していると思います。
さらに思春期になって、行動力や自己意識が発達してくる一方、成長期ですぐにお腹が空いてしまい…ついついファストフードやスナック菓子などを食べてしまうことも肌環境を悪化させてしまいます。
アクネ菌が勢力を伸ばしてしまう肌環境には、この2つの要因が大きく関与しているのではないでしょうか?

したがって漢方ではニキビ治療は、まず食生活を改善することから始めます。
体に悪いもの、炎症を惹起するようなものは取り入れないことは、ニキビに限らず健康を築くための基本中の基本です。

漢方薬でニキビを治療する場合、やはりお一人お一人の肌の様子で薬を選択するのですが、「ニキビと言ったらこれ!」というくらい代表的な漢方薬があります。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」です。
この漢方薬は、顔や上半身にうっ滞した熱を取り除くことを目標とした薬です。赤く腫れているようなニキビに適しています。

清上防風湯の別の使い方としては「酒さ(しゅさ)」に使用することもあります。日常的にアルコールを多飲されている方の鼻頭周辺が赤く色づいている状態ですね。 

ニキビで顔が赤黒くなっている方や、肌の滑らかさが失われてでこぼこになってしまっているような方には、血(けつ)のめぐりを改善する「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」も使用します。
血のめぐりが滞った状態を血瘀(けつお)と言いますが、漢方では肌の状態は血のめぐりに関係していると考えます。
そして興味深いことに桂枝茯苓丸を別の目的で内服されている方のなかに、「肌がツルツルになった」とおっしゃる方がいらっしゃいます。ニキビ治療でも若い方の肌質の改善を目指して使用することもあります。

美容目的で漢方を内服されるのはいかがなものかと思いますが、ニキビはれっきとした体のバランスの異常ですから、こじれてしまう前にしっかり治しておきたいものですね。 


いつの日も こころ楽しく すこやかに 

⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩ 
【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 
Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff  
Twitter ▶ @SukoyakaNaika 
Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック 
LINE ▶ sukoyakaclinic または https://line.me/ti/p/7m5HhKojPR 
👉LINEから受診予約やお問い合わせができます♪  

漢方で免疫力を高めたい

2020/10/6
「漢方で免疫力を高めたい」

そうおっしゃって漢方外来を受診されるかたは数多くいらっしゃいます。
特にガン治療と漢方治療を並行してされているかたに多い印象ですが、
昨今の新型コロナ騒ぎがあってからは感染症に対する免疫力を高めることを目的として受診されるかたも増えてきた印象です。

漢方薬のなかには、西洋医学には存在しないジャンルの薬があります。
補剤(ほざい)」と呼ばれるものです。
このグループの漢方薬は、かんたんに言えば「元気がでる」漢方薬です。
だからといって覚醒剤のような危険や薬物ではありません。人体の落ち込んだ機能を底上げするようにはたらく薬です。
補剤の存在は、漢方が西洋医学よりも優れている部分であると考えられます。

代表的な補剤は「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」と「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」です。
専門的な知識がないかたであれば、どちらもだいたい同じような薬だと思っていただいてかまいません。
ガン治療の領域では、手術後の体力低下や化学療法の副作用軽減などの目的でこれらの補剤が使用されています。

人参養栄湯は、最近では高齢者の老衰・虚弱状態、いわゆるフレイルに対しても使用されるようになりました。
もう一つ、同じような目的で使用されることが多い漢方薬に「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」があります。市販されているのでご存知のかたもいらっしゃるかもしれませんね。
こちらは元気がなくて食欲が落ち込んでいるときに使用する漢方薬ですが、上の2剤と同じような場面で使用されることもあります。

さて「免疫力」という話に戻りますと、これら十全大補湯、人参養栄湯、補中益気湯は弱っている人を下支えしてなんとか頑張ってもらおうという薬です。
胃腸が弱かったり、虚弱体質だったり、疲れ果てている人が、これらの漢方薬であるていど体の機能が取り戻せれば…免疫系もまた正常化していくことが期待されます。
実際、世の中には病気でもなんでもない(つもり)はずなのに、血液検査をしてみると白血球の数が基準値よりも少ないという方がいらっしゃいます。白血球は細菌やウイルスを退治する防衛軍だと思っていただくとイメージしやすいかと思います。
この状態は、西洋医学だと何もできないのですが、漢方であればこのようなかたに対して補中益気湯を処方することがあります。
もちろんそれで万事解決ということにはなりませんが、一定程度の押上げ効果はあるため白血球数(特にリンパ球数)が少ない方に対してはウイルス性感染症に対する自己防衛策として一つの選択肢になると思います。

漢方薬が作られたのは今から2000年以上も昔なわけですから、血液検査など当然ありません。
したがって、疲労感であるとか胃腸の弱さなどの具体的な体の症状を目標に考案されてきました。
肉体的に弱っている状況を改善するために創薬された漢方が、現代的にみてみると白血球数の増加や感染症への抵抗性を高めてくれるという目に見えない効果まで発揮するのですから、人体の仕組みの壮大さに感嘆するとともに、各生薬の効能を見出し、そして複数の生薬を組み合わせて一定の方向性をもった効果のある漢方薬を創薬した先人達の偉大なる頭脳と努力に、日々感服いたしております。

いつの日も こころ楽しく すこやかに 

⇩⇩⇩こちらもチェック♪⇩⇩⇩
【新前橋すこやか内科・漢方内科クリニックSNS】 
Instagram ▶ sukoyakanaika / sukoyaka_harusan / sukoyakastaff  
Twitter ▶ @SukoyakaNaika 
Facebook ▶ 新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック 
LINE ▶ sukoyakaclinic または https://line.me/ti/p/7m5HhKojPR 
👉LINEから受診予約やお問い合わせができます♪  
新前橋すこやか内科・漢方内科クリニック
ネット受診予約