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夏はパニック発作になりやすい⁉

2026/8/21
漢方医学から考える「心火」とパニック症状

毎年夏になると「動悸がする」「息苦しくなる」「理由もなく不安になる」「電車や人混みが怖くなる」「胸が締め付けられるように感じる」このような症状が悪化する方はいらっしゃいませんか。

現代医学では、これらはパニック障害や不安障害、自律神経の乱れなどが関係していることがあります。一方、漢方医学では、夏という季節そのものが「心(しん)」に影響を与える季節であると考えます。今回は、漢方医学の視点から、夏とパニック症状の関係についてご紹介します。

五臓と季節には深い関係があります

漢方医学では、春・夏・秋・冬の四季は、それぞれ五臓と対応していると考えられています。

春 → 肝
夏 → 心
長夏 → 脾
秋 → 肺
冬 → 腎

つまり、夏は「心」が最も影響を受けやすい季節なのです。ここでいう「心」は、単に心臓という臓器ではありません。血液循環を司るだけでなく、精神活動、意識、感情、睡眠まで統括する存在とされています。

暑さは「心火」を強める

漢方では夏の暑さを暑邪(しょじゃ)と呼びます。
暑邪は「熱を持つ」「上へ昇る」「汗をかかせる」「気と津液を消耗する」という特徴があります。

この熱が「心」に影響すると、心火(しんか)が過剰になりやすいと考えます。心火が高まると動悸、イライラ、落ち着かない、不安感、不眠、多夢などが現れることがあります。

古典では「心は神(しん)を蔵す」と表現されます。ここでいう「神」とは精神活動全体を意味します。つまり心火が強くなると、「神」が安定せず、精神的な症状が現れやすくなるという考え方です。

汗をかき過ぎることも「心」を弱らせます

夏は大量の汗をかきます。
漢方では「汗は心の液」と考えられています。
そのため汗をかき過ぎると、心のエネルギーである「心気」や「心血」まで消耗すると考えます。
すると「疲れやすい」「動悸」「息切れ」「不安感」「集中力低下」などが起こりやすくなります。

これは現代医学でも、脱水や電解質異常、自律神経への負担が、動悸や倦怠感、めまいなどを招くことと重なる部分があります。

「熱」がパニック症状を誘発することも

現代医学でも、暑い環境では心拍数の増加、発汗・呼吸数の増加などが起こります。
これらはパニック発作でみられる身体反応と似ています。
そのため、もともと不安症状を持つ方では、「動悸がする」→「何か悪いことが起きるのでは」→さらに不安になる、という悪循環に陥ることがあります。

漢方医学では、このような状態を「心火が神を乱す」あるいは「心神不寧」として捉えることがあります。
(これは漢方医学における病態の捉え方であり、現代医学の診断名とは異なる概念です。)

夏こそ「心」を休ませる生活を

漢方では夏は「陽気」が最も盛んな季節です。
しかし、夜遅くまで活動したり、睡眠不足が続いたりすると、心の熱を十分に冷ますことができません。

夏には①十分な睡眠、②適度な冷房、③水分・電解質補給、④過度な刺激を避ける、⑤心身を休める時間を作る、ことが、「心」を守る養生につながると考えます。

漢方薬による体質改善

漢方では、同じ「動悸」や「不安感」があっても、原因となる体質は人それぞれ異なります。
例えば、心火が強いタイプ、心血不足のタイプ、気虚のタイプ、肝気鬱結を伴うタイプ、痰熱が心を乱すタイプなど、いくつかの病態が考えられます。
そのため、漢方薬も体質に応じて選択することが大切です。

まとめ

夏は五臓の「心」が主役となる季節です。
漢方医学では、暑邪によって「心火」が高まり、さらに汗によって気や津液が消耗することで、動悸や不安感、不眠などの症状が現れやすくなると考えます。

一方、現代医学でも、暑さによる体温上昇や脱水、自律神経への負担が、動悸や息苦しさを通じて不安症状やパニック発作を誘発・増悪することが知られています。

「夏になると動悸や不安感が強くなる」「病院では異常がないと言われたけれどつらい」という方は、漢方医学の視点から体質を見直すことで改善の糸口が見つかることがあります。

当院では、症状だけでなく、その背景にある体質や季節との関係も含めて診察し、お一人おひとりに合った治療をご提案しています。


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今年も酷暑の夏がやってきました🌞

2026/8/1
~漢方医学から考える「暑さに負けない体づくり」と夏の養生~

今年も厳しい暑さが続いています。

連日の猛暑日、夜間の熱帯夜、高い湿度…。ここ数年、日本の夏は「暑い季節」ではなく、「体に大きな負担をかける季節」へと変化しています。

熱中症への注意はもちろんですが、実際の診療では、

何となく体がだるい
食欲がない
寝ても疲れが取れない
頭痛やめまいが続く
胃腸の調子が悪い
冷房の効いた部屋では手足が冷える

といった、「熱中症ではないけれど調子が悪い」という方が多く来院されます。

漢方医学では、このような状態も含めて「夏の邪気(暑邪・湿邪)」が体に影響した結果と考え、一人ひとりの体質に合わせた治療や養生を行います。

🌿漢方では夏をどう考えるのでしょうか?

漢方医学では、夏は「暑邪(しょじゃ)」という強い熱の影響を受ける季節です。

暑邪には次のような特徴があります。

汗を大量にかかせる
体力(気)を消耗させる
体液(津液)を失わせる
のどの渇きや疲労感を引き起こす

さらに日本の夏は湿度も高いため、「湿邪(しつじゃ)」も加わります。

この湿邪は、

体が重い
むくむ
頭が重い
胃もたれ
下痢

などの症状を引き起こしやすくなります。

つまり、日本の夏は「暑さ」と「湿気」の二つに同時に対応しなければならない、世界的に見ても特徴的な環境なのです。

💧汗をかくことは悪いことではありません

「汗をかくと代謝が良くなる」と考えられることがありますが、実際には汗をかき過ぎることにも注意が必要です。

漢方では、「汗は気とともに外へ出る」と考えます。

大量の発汗が続くと、

疲れやすい
息切れしやすい
集中力が続かない
動悸がする

など、いわゆる「気虚(ききょ)」の状態になることがあります。

また、汗とともに水分や電解質(ナトリウム・カリウムなど)も失われるため、水だけを大量に飲むのではなく、状況に応じた適切な補給が大切です。

🍉夏を元気に過ごすための養生法
① 冷たいものを摂り過ぎない

冷たい飲み物やアイスクリームは、一時的には気持ちが良くても、胃腸を冷やし、食欲低下や下痢の原因になることがあります。

常温の飲み物や温かい汁物も取り入れ、胃腸をいたわることを意識しましょう。

② 良質なたんぱく質を毎日摂る

暑いと麺類だけで済ませてしまいがちですが、筋肉や免疫を維持するためには、肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質が欠かせません。

食欲がないときは、豆腐や卵料理など消化の良いものから取り入れてみましょう。

③ 睡眠を大切にする

夜間の暑さで睡眠の質が低下すると、自律神経の働きが乱れ、疲労が蓄積しやすくなります。

エアコンを適切に使用し、寝室の温度や湿度を整えることも、夏の養生の一つです。

④ 軽く体を動かす

「暑いから全く運動しない」という状態が続くと、筋力や体力が低下し、かえって暑さに弱い体になってしまいます。

涼しい時間帯に散歩をしたり、室内でストレッチを行ったりするだけでも、血流や自律神経の働きを整える助けになります。

💊夏によく用いられる漢方薬

漢方薬は体質や症状によって選択が異なりますが、夏場には次のような処方が用いられることがあります。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
疲れやすく、食欲が低下し、夏になると体力が落ちやすい方に。

清暑益気湯(せいしょえっきとう)
暑さによる疲労や倦怠感、食欲不振などに用いられます。

五苓散(ごれいさん)
水分代謝の乱れによる頭痛、めまい、むくみ、気象病などに。

六君子湯(りっくんしとう)
胃腸の働きが弱く、夏場に食欲が低下しやすい方に。

同じ「夏バテ」に見えても、その背景は人によって異なります。漢方では、体質や症状を総合的に判断し、その方に合った治療を行います。

🏥今年の夏は「我慢」ではなく「備える」

暑さを我慢することは、必ずしも健康につながるわけではありません。

適切な水分・栄養補給、十分な睡眠、無理のない運動、そして必要に応じた漢方治療を組み合わせることで、暑さに負けにくい体づくりを目指すことができます。

当院では

夏バテ
食欲不振
めまい
気象病
自律神経の乱れ
慢性的な疲労

などのご相談に対し、保険診療による漢方治療を取り入れながら、一人ひとりの体質に合わせた診療を行っています。

「毎年夏になると体調を崩してしまう」「暑さに弱くなった気がする」と感じている方は、お気軽にご相談ください。

暑い夏を元気に乗り切るために、今から体を整えていきましょう。

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