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第一回すこやかセミナー「食べて満足!健康食生活のポイント」

2020/9/7
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7月開催の第一回すこやかセミナー
タイトルは「食べて満足!健康食生活のポイント」でした。

より一層の健康を得るために、そして病気の治療のために、食生活の改善は必須です。
そうわかっていても多くの方が途中で挫折してしまう理由の一つに「理想とされる食生活では満足できない」のが本音なのではないでしょうか?

なぜ満足できないのかと言うと
①満腹まで食べられない
②好きな料理を食べられない
③用意するのに今までよりも手間がかかる
などの理由があると思います。

確かにその通りです。
絵に描いたような理想的な食生活を実践しようと思っても、多くの方は今の食生活とのギャップが大きすぎて挫折してしまうのだと思います。

食習慣の改善は一歩ずつ、できるところから、納得できることから始めるのがポイントです。
食に関するいろいろなことを知っていくうちに「あれをやってみよう」「自分にはこれが合いそう」と思う所から変えていけばよいのです。
食事は多くの人にとって待ち望んだ楽しみの一つですから、それを意に反したものを強制してしまっては長続きするわけがありません。

ということで、第一回目では「GI値」「グルテン」「ヴィーガン」について知っていただくためのお話をしました。
GI値は「ある食材を食べたときにどのくらい血糖値が上がりやすいか」をスコア化したものです。
GI値をなんとなく知っていることで、ふだんの料理に使うものをちょっとだけ変えてみたり
いつもの馴染みのお店でも「こっちにしてみようかな」という変化を起こすことができます。
GI値はネットでも簡単に調べられるので、みなさんもご参考にされてはいかがでしょうか?

さて、セミナーではレクチャーの後にはティー&スイーツタイムとなります。
写真は一例で、ブルーベリーチーズケーキのようなスイーツです。
もちろん、イベントの趣旨に沿ってヴィーガンだったりグルテンフリーだったり
市販のスイーツと見た目はよく似ているけど材料がまったく異なる代替スイーツです。

「甘いものを食べたい!」でも「食べると太る…血糖値が…体に悪い…」
なんて罪悪感や後悔、自責の念を抱かなくてもいい、素敵なスイーツですよ。
これなら日常的に食べても大丈夫ですね。
もちろん、いつかは砂糖依存状態から抜け出してくださいね。


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花粉症 ~くしゃみ・鼻水~

2021/3/12
秋の訪れとともに、花粉も飛び始めたようです。 
長年、花粉症に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
 
花粉症治療の第一選択は抗ヒスタミン剤だと思います。最近の製剤は眠気も生じにくいし、1日1回の内服で済む製剤も販売されておりとても便利ですね。
 
とはいえ、抗アレルギー剤が「効かない」という方や「体質改善して花粉症を治したい」と仰って受診される方もいらっしゃいます。

花粉症に使用する漢方薬として有名なのは「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」ではないでしょうか。
本来は喀痰や鼻水など水っぽいものが多い気管支炎や気管支喘息に対する処方ですが、「水っぽさ」に注目して花粉症に応用されるようになりました。
くしゃみ、鼻水の多い花粉症の方には有効だと思います。

小青竜湯には「麻黄(まおう)」という生薬が含まれています。
麻黄はエフェドリン作用のある生薬なので、鼻水を止めて気道を広げてくれる効果があります。また、覚醒効果もあるため「眠くならない花粉症薬」として漢方薬が好まれる理由でもあります。
しかし、麻黄含有剤は諸刃の剣であるとも言われます。
添付文書を読みますと、心疾患や高血圧のある方には使用注意とされています。エフェドリン作用の効果で、動悸が生じたり血圧が上がってしまい、もともとの持病である心疾患が悪化する可能性があるのです。

また、小青竜湯はどちらかと言えば体力のある人向けの処方ですので、小青竜湯が合わない方もいらっしゃいます。そのような方の場合、風邪や上気道炎の際にあまり熱が出ず、寒気が強く、水っぽい鼻水は多量に出る…といった傾向があります。そしてこういった方は基本的に胃腸も弱いのですが、胃腸が弱い人が麻黄含有剤を内服すると、余計に胃の調子が悪くなることがあります。 

心疾患のあるため小青竜湯が使いにくい方、胃腸が弱くて低体温で虚弱、それでいて水っぽい鼻水が多量に出るようなタイプの方の花粉症には「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)」を使用します。こちらも水っぽい感じのカゼや気管支炎、喘息に使用する漢方薬です。

小青竜湯と苓甘姜味辛夏仁湯はウラオモテの関係にあるなどと表現します。
実はメーカーさんもこの2つの漢方薬の使い分けを心得ていらっしゃいまして
小青竜湯は19番、苓甘姜味辛夏仁湯は119番という具合に、漢方製剤の番号でも裏と表を表現されています。 
漢方製剤には番号が振り分けられていますが、このような「含み」を持たせた番号というのもいろいろとあるので、そのうちブログにしたいと思っています。 

鼻水とくしゃみが主な症状の花粉症には小青竜湯や苓甘姜味辛夏仁湯が有効ですが、ほかにもさまざまな漢方薬が花粉症治療に応用されています。
特に目のかゆみの症状が強い場合には、小青竜湯よりも効果があるものがあります。

ごくまれですが、漢方薬を飲んでいるうちに花粉症が治ってしまう方もいらっしゃいます。
花粉症はファスティングやいわゆるデトックスで体内に蓄積した老廃物を排泄したり、自律神経や身体各臓器の機能を整えると治まってしまうこともあります。そのような場合でも食生活に気をつけていないと再燃するケースがあります。ですので、花粉症には生活習慣を改善することが一番効果的なのかもしれませんね。

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頭痛に胃薬を③

2020/9/23
今回は「頭痛には胃薬を」第3弾です。 
そういえばかき氷を食べて頭がキーンと痛くなる…
あれはまさしく胃の冷えに由来する頭痛なので、事前に胃を温める漢方薬を内服しておくと予防できそうな気がしますね。 

さて効果・効能に「頭痛」がある漢方薬を挙げると

五苓散、呉茱萸湯、半夏白朮天麻湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、苓桂朮甘湯、釣藤散、五積散、桂枝人参湯、川芎茶調散

あたりでしょうか。 
これまでにご紹介した漢方薬もいくつかありますね。
 

五苓散半夏白朮天麻湯苓桂朮甘湯は「水を動かす」ところに力点があります。 
これらの漢方薬を処方する人にはめまいがあることも多いです。どちらも水の巡りの問題なのですね。 

呉茱萸湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯五積散は「冷え」の対策を重視した処方です。 
呉茱萸湯はひどい片頭痛で嘔気がする人に処方するイメージです。当帰四逆加呉茱萸生姜湯には呉茱萸が含まれていますが、こちらは冷えによる諸症状に出番が多い処方です。五積散(ごしゃくさん)はちょっと特殊で、使い方がわかりにくい部分があります。クーラー風邪に使うことが多いと思います。ちなみに当院の患者様には今シーズンの処方はありませんでした。 

釣藤散動脈硬化に関連した高血圧や頭痛などの症状を目標に使用しますが、胃腸虚弱がポイントです。
やっぱり胃薬の要素が入っているのですね。

川芎茶調散は「頭痛で始まるカゼ」の薬です。
でもカゼをひいたときには頭痛が出ることは多いですよね?
実際、カゼやインフルエンザなどの急性熱性疾患に使用する漢方薬には、症状として頭痛が含まれているものもたくさんあります。例えば麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、柴胡桂枝湯などなど。

そして最後に桂枝人参湯
頭痛を治療する胃薬です。こちらは胃腸が弱い人の冷えに関する下痢や頭痛を目安に処方します。
 

こうして見てみると、漢方診療における「頭痛」の要点として「冷え」と「胃腸虚弱」と「水の動き」が重要であることに気が付きます。 
漢方では、生まれ持った生命エネルギーと、食事を通して後天的に獲得する生命エネルギーの2種類のエネルギーを軸に考えます。生来のエネルギーには限りがありますが、食事からは必要な分のエネルギーを補充できるので、後者のエネルギーがとても重要になります。 
胃腸が弱い人というのは、後天的にエネルギーを獲得することが不利なので病気にもなりやすく、漢方でも胃腸を元気にすることが重視されています。
 

頭痛についても同じです。
食事からのエネルギーを十分に獲得できないと、体温を高めることができないので冷えに弱くなります。そうすると内臓機能の低下や血行不良を生じるため、血液循環が悪くなれば水の巡りも必然的に悪くなる、ということです。 
これまでにご紹介した漢方薬は胃腸を元気にして冷えに強くなり血行や水の巡りをよくすることで様々な症状を改善しよう…という狙いをもって設計されているものが多いですので「頭痛には胃薬を」という、西洋医学だけしか知らないとチンプンカンプンな話になるのですね。 


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頭痛に胃薬を②

2020/9/23
こんにちは! 
8月も末となり、朝晩に吹く風はだいぶ秋めいてきましたね。
何よりも日の出が遅く、日の入りが早くなりました。
昼間はアブラゼミの合唱が聴こえますが、日が傾き始めるとヒグラシの寂しげなメロディが響き渡ります。 
1日毎に秋の訪れを楽しむことができる今日この頃です。
 

今回は「頭痛には胃薬を」第2弾です。 
西洋医学的な診療でも漢方的な診療でも
とりあえずこの対応をしておけば無難
というものがあります。
 
前回の話で言えば、頭痛を主訴にいらっしゃった患者さんに対して「呉茱萸湯+五苓散」を処方すればたいていの患者さんの症状緩和をすることができます。(病名処方と怒られてしまいそうですが) 
今回登場した五苓散は体内で余っている余計な水を動かす漢方薬です。わかりやすく言えば浮腫みの薬です。
でもそれだけではありません。胃腸炎にも使うし熱中症にも使うし、そして天候に影響されるような頭痛にも処方します。 
漢方の聖典『傷寒論』には五苓散について「霍乱、頭痛、発熱、身疼痛、熱多く水を飲まんと欲す者は五苓散」と記されており、水を動かすことが頭痛の治療に重要であることがわかりますね。
 

実は「頭痛には胃薬を」第一弾でご紹介した六君子湯も、胃に溜まった水を動かす作用がありました。 
逆に言うと、「水を動かす作用をもった胃薬」は頭痛の治療に応用が利きます。
そしてこのような薬は往々にして「めまい」に処方されることの多い薬でもあります。 
例えば、めまいに対する漢方薬の中で“効かない”として悪名高いのが「半夏白朮天麻湯」です。
漢方マニュアル本には「めまい」の項目で必ず登場するこの漢方薬ですが、実際にめまいの患者さんに処方しても効果を出せないことがしばしば…
その理由は半夏白朮天麻湯が「胃薬である」からです。というか、半夏白朮天麻湯で治せる「めまい」というのは「もともと胃腸が弱くて消化器に水が溜まっている人に生じるめまい」だからなのです。 

漢方薬の使用に際して、このような「もともと〇〇な人」という部分が実はとても重要なのですが、病名漢方やマニュアル漢方ではこの部分が欠落してしまっています。
そのため「漢方は効きが悪い」とか「効く人と効かない人がいる」という誤解を生じてしまっているのです。 
半夏白朮天麻湯もそのような不遇な漢方薬の一つです。
上述したように、半夏白朮天麻湯はもともと胃腸が弱くて水が溜まっているような人に生じためまいや頭痛に対して処方する薬です。
この前提条件を理解していれば応用範囲は広く、高血圧症動脈硬化メニエール病などにも応用されます。 

漢方薬が人体のバランス全体を調整していくことで治療効果を発揮するよう設計された高度な治療薬であることがよくわかりますね。 

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夏の胃腸疲れにご注意を

2020/8/18
まだまだ猛暑日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?
お盆も過ぎると日の出は遅く、日の入りは早くなってきたことを実感しますね。
特に朝晩の風はヒヤッと感じることもあり、着実に秋が近づいていることがわかります。
旧暦では処暑といって、夏の暑さもピークを超えて過ごしやすくなってくる時期です。
海ではクラゲが発生するようになり、海遊びにも注意が必要です。

猛暑日だからといって冷たいものばかりを飲食していませんか?
冷たいものばかりを摂取していると、胃腸のはたらきが低下して夏バテの原因となります。
胃腸の冷え → 蠕動不良 → 消化不良 → 下痢 → 栄養吸収不良 → 体力低下、易疲労 → 食欲不振
という悪循環にはまってしまうと、秋から冬にかけて体調を崩しやすくなってしまいます。
実は、夏の終わりから秋口にかけて患う風邪のことを夏風邪と本来は言います。
夏の暑い日でも温かいものを食べて胃腸の機能をしっかり保つことが健康の秘訣です♪

冷たい食事であっても、食材を工夫することで体の機能を高めることもできます。
例えばとろろ芋。そばにかけたり、ご飯にかけたり…
つるっとした食感なので少し食欲が落ちたときにも食べやすいですね。
山芋や自然薯などは消化器の機能を高める効果もあるとされます。
昔ながらの生活の知恵を活用して猛暑を乗り切りましょう!

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